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海のブルー

屋上が開放されてる高校は珍しい。

うちの高校はそんな珍しい部類に入る。

そんな珍しい高校入学した僕は、とりあえず高校入学の初日に屋上に上がってみることにした。

"ガチャ"

扉を開けると風が吹き抜けて来て、だっだ広い空間が広がっていた。開放しているとあって頑丈そうな高い鉄の柵に囲まれているが、中々に気持ちいい。

どうやら僕しか居な…っと、右端の方に先客が居た。手すりに背中でもたれ掛かりながら、ふぅーとため息をつくウチの女生徒だ。背が高くスレンダー、黒髪ロングのサラサラヘアー、それでいて眼鏡を掛けている目鼻立ちの整ったクール美人といったところだろうか?耳にはバカでかい青いヘッドホンをしているので、何か音楽でも聞いているのだろうか?集中しているのか、こちらに気づく素振りはない。一体どんな音楽を聞いているのだろうか?BTS?あいみょん?

そうして彼女は美しい声でこんなことを呟いた。

「明日を守れ♪バルディオス♪」

えっ?何?バ、バルディオス?バルディオスって何?

呟いたあとツーっと涙を流す彼女。いや何故泣くんだろう?バルディオスが泣くポイントなのだろうか?

「悲しい・・・マリンは明日を守れた筈なんだ。本当の敵は反対のチャンネルのあしたのジョー2だったんだ。畜生、敵が強すぎる。視聴率稼げるわけ無いわ。」

本当に何の話だ?あしたのジョー?視聴率?こっちは疑問符しか浮かんで来ないよ。

「ふぅ、バルディオス聞くと、感情移入し過ぎでいかんわ。」

ヘッドホンを外す少女。するとこちらに気づいたらしく、鋭い目つきでコチラを睨んできた。

「アンタ誰よ?盗み見なんて良い趣味じゃないわね。」

別に盗み見してたわけではないが、そう睨まれると何だか悪いことしてた気分になる。

「ご、誤解だよ。僕は今時、屋上に上がれるなんて珍しいから来てみただけで・・・。」

「黙らっしゃい!!嘘つきにはバルサーベルドリンギングぶっ放すわよ!!」

「バ、バルサーベルドリンギング?」

なんだか知らんが痛そうな名前だ。

「ふん、次こんなことしたら亜空間から攻撃するから覚悟するのね。」

そう言って立ち去ろうとする少女。この子は新手の厨二病なのだろうか?だがその堂々とした立ち振る舞いが何だかとても素敵だった。

「ま、待って、名前を教えてくれないかい?僕の名前は天田あまだ 士郎しろう。」

僕がそう言うと、彼女は立ち止まりこちらを振り向いた。

「貴様などに名乗る名は無い・・・と言いたいところだけど、天田士郎か・・・良い名前ね。私の名前は零牙崎れいがさき うみ。呼ぶときはマリンでも可よ。」

海をマリンと呼ばせようとするなんて少し痛いけど、その堂々とした立ち振る舞いに僕の胸はキュンとしてしまった。

これが機械人形・・・スーパーロボットを愛する少女、零牙崎 海との出会いだった。

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