4/6
第三話 ぼくとぼく
さっきの女の子が走って行ったあと、ぼくはその辺を歩いていた。
この世界はぼくたち人間とぼくたちの服以外に色彩がないようだ。どこを見ても白。白。白。
ここはどこなんだろう。目の前に人がいる。走って話しに行く。
「ねえきm…」
ぼくは息をのむ。僕が声をかけた人は紛れもなくぼくだったからだ。
「なあに?ぼく。」
「っ…」
なんで?なんで?なんでぼくがいるんだ?ぼくはぼくで一人なはずなのに。
「ひっ…なんでぼくが二人…」
「ぼくはぼく一人なはずなのに。でしょ。でもぼくはぼくなんだよ?だから仲良くしようねぼく。」
頭がこんがらがる。なんで?なんで?
その時視界が白で塗りつぶされたそのままぼくの意識は途切れた。
声が聞こえる。
「この人だれですの?」
「わかんない。とりあえず不審者じゃないわ。」
眼を開けるとそこには人が6人いた。
なんだ?この人たち。
そう思っていたら後ろから声がした。
『ようこそあろぉんわあるどへ』