第二話 おはよう。
「ううん…」
目が覚める。目に映るのは白。純白だ。
「え。」
脳が働かない。ここはどこだ?ぼくは自分の部屋で寝て…
「うーん」
隣から声が聞こえる。少女の声が。隣を見る。髪色は桜色、髪型は低い位置のツインテールだ。
「へ?」
思わず声が漏れる。桜色?人の髪の毛が?髪を染めて…いやいや。ぼくは中学一年生だ。この子も多分中学一年生ぐらいだろう。とても大人には見えない。
「ふぁぁ。ん?ここは…」
あ、起きた。
「えええええええええええええええ、あなた誰⁉まさか誘拐して…」
「違う違う。ぼくは無実だ。起きたらここにいた。君と一緒。」
はぁ、起きてすぐ疑われるなんて…でもおかげで頭が働くようになった。
「あの…なんで髪色が藍色なの?染めてる?」
…頭が情報を処理するのに時間がかかった。え、僕の髪色が藍色?床を見る。大理石だ。ぼくが反射して見える。藍色だ。というかそれより
「染めてない。君だって髪色が桜色じゃん。」
「え?そんなはず…えぇ!なんで?」
ぼくは言う
「そんなことはどうでもいい。大事なのはここから出ることだ。」
「そう。じゃあ、私は出口をさがしに行くわ。じゃあね。」
はあ。頭が情報を処理するのが早い子だったな…