魔滅の刃 ミナイの村編 其の弐 上
ミナイの村編2話目です。ちょっと今回は説明が長い回になってしまいました。ここらへんで少し魔道具なんかのことを説明しておこうと思った訳です。時間軸的にはアレイスター編の中盤くらいのあたりになりますかね?
くどくて飽きるかもしれないのが怖いんですけど、作者としては小出しに説明していくよりもいい機会かなーと思ったのであります。新キャラのコバチとその魔道具ヒジャクも紹介しておきたかったしね。
ちなみにコバチは漢字にすると小蜂で、ヒジャクは飛雀です。こちらの話も次回に続いて行きます。
白い土塀や生け垣が並ぶ細い坂道を、二人は総領と名乗ったコバチの後について歩いて行く。
コバチの背には葛籠が乗っているのだが、店をたたんだときに彼女の付けている鎧のような物がその葛籠を掴んで背負ったのだ。きっとあれも魔道具なのだろう。
コバチは黙々と坂道を登っていく。少し行くと由緒のありそうな古びた土塀の角で彼女は立ち止まった。瓦の角に獅子のような陶器の置物が鎮座していて、彼女はその置物を一瞥する。
「あれも魔道具なのか?」
「そうだ。家の者が出迎えてくれる。」
土塀に囲まれた門を潜ると玉砂利を敷いた道が母屋の玄関まで続き、その道には丁寧に刈り込まれた樹木が一見無造作に配置されている。普通の城や貴族の屋敷は門から家までは概ね直線になっているものが多いが、この道は僅かな駆け上がりとなっていてわざと曲線を用いている。そこに不揃いの植木があり森の中を歩くような演出が施されていた。当然森の中とは違うのだが、加工された自然がそこにはあった。なんと言うべきか厳かな静寂があり、見る者の心を落ち着かせる。
彼女の家は相当に大きかった。
エストロたちが驚いたのはその素材である。石ではなく、木と土と紙で出来た家は、古いながらどっしりとした威圧感を与えている。そしてどこか懐かしい気持ちにさせてくれる家だった。
「今、帰った。」
引き戸を開けてコバチが声を掛けると、板の間に鎮座していた使用人の女性が「お帰りなさいませ、お嬢様。」とお辞儀をして言った。
「プラム。上客だ。玉露を用意してくれ。」
「畏まりました。」
プラムと呼ばれた中年の使用人は、奥に声を掛けると出て来た少女に何事かを告げた。
コバチは式台に腰を掛け、靴を脱ぐ。すると、老爺が玄関の脇から現れ、コバチの足を手水ですすぎ、丁寧に拭いた。
「靴はここで脱いでもらう。それがここの流儀だ。」
「承知した。」「OK~。」
「プラム。客人を客間へ案内しておいてくれ。私は荷物を片付けて来る。」
「畏まりました。」
エストロとマッシもコバチがしたように式台に腰かけると、先ほどの老爺が靴を脱がせてくれ、すすいで丁寧に拭いてくれた。エストロは少しばかりくすぐったい気持ちだったが、マッシは嬉しそうに老爺にいろいろ話しかけていた。
「お、あれは何だ?」
木の格子の扉の奥に、布の垂れ幕があり、その奥に小さな猫が丸くなって眠っていた。
「ねえさん。あの猫は閉じ込められてるのか?」
プラムという中年の女性はクスリと笑うと。
「あの猫はこの家の守り神でございます。なんでも相当に古いご先祖様が作った木彫りの猫だそうです。」
「へええ、木彫りなのか?」
マッシは驚いたようにまじまじと格子の中をのぞいた。芸術的にまで研ぎ澄まされた丸い曲線がすやすやと眠る三毛猫を見事に表現している。まるで生きているかのようである。
「さ、こちらにどうぞ。」
プラムに促されて木の板の廊下を歩む。ギシギシと床板が鳴る。黒光りのする床板はきれいに磨かれていて素足にひんやりとした感触を与えて来る。左手側には壁が無く、等間隔の柱の間からは整った庭が一望でき、右手側は格子に紙が貼られた引き戸が延々と連なっていた。
プラムがその一枚の格子の扉の前に立つと、廊下に傅き、両手を添えて開けた。
「こちらでございます。」
促された室内は簡素ではあるものの、鴨居にはいくつかの武具が掛けられていて、床にはいくつかの鎧が鎮座していた。壁は白い土壁で奥にやはり板の引き戸がある。真ん中には低いテーブルがあるが椅子が無い。二人とも今まで見たことが無い作りだった。しかも驚いたことに、そのテーブルの真ん中には四角い穴が開いていて、そこには天井から黒光りする木製の竿がぶら下がっている。竿の先端には金属製の蛇のような異形な怪物の金具がついており、その先端の鈎に鉄瓶がぶら下げられていた。鉄瓶の下は小さな灰が入った場所になっていて、赤く焼けた炭が置かれている。鉄瓶の口からは薄く湯気が出ていた。
テーブルの周りには干した植物で編まれた2枚の平たいクッションが並べて置かれている。多分そこに座るのだろう。
「少し冷えてまいりましたので、足元には火を入れてありますから、お気を付けください。」
そういうとプラムは障子を開け放ち、庭を見えるようにすると、一礼して立ち去って行った。
特に寒くは無かったが、じっとしていると火が欲しい気温であることは確かだろう。平地よりも相当高い場所に来ているのだ。
「多分、ここに座るんだろうな。」
「だろうな。」
マッシがテーブルの下を覗くと、下には足を置くところがありその内側には一面灰が敷き詰められていた。そして、その灰の中には木炭の赤い火の色が見える。
マッシは荷物を降ろすと恐る恐るクッションに座って足を入れる。床と椅子を兼ねているのだ。
足元の仄かな火はゆっくりと足元を温めてくれた。後で聞いた話だが、本格的な冬になると、テーブルに厚手の布をかけて暖を取るのだという。
降ろされた荷物の中からポッターが物も言わずに飛び出すと、大きく伸びをしてあくびををする。そしてあちこちを見回し、臭いを嗅ぎ、庭に出ると一本の針葉樹を駆け上って太い枝の根元で丸くなった。穏やかな陽光がポッターの黒い毛を照らしている。
家の中は静かで、外の小鳥の声や草木のそよぐ音やせせらぎのような音が微かに聞こえる。家の中にいながら自然の中にいるような錯覚さえ覚えてしまう。
やがて遠くからトントントンと軽快な足音が聞こえ、部屋の奥にある引き戸がガラリと開けられるとコバチが姿を現した。
「待たせたな、客人。」
コバチが腰を下ろすタイミングを見計らったように、プラムが廊下から茶器を持って現れた。
「プラム。もういいよ。ここは私がやる。」
「ですが、お嬢様。」
「商談だ。客人には聞かれたくないこともあるだろう。」
「・・・承知いたしました。では、なにか御用の際はお呼びください。」
丁寧にお辞儀をしてプラムは去って行った。
「ちらかっていて済まない。さて、先ずは名前を聞こうか?」
コバチは若いが、手慣れた様子でエストロに話しかけた。
「私はエストロ・マー。召喚士だ。こっちが筋肉しか取り柄の無いマッシという。」
「おい!」
コバチはクスリともせずエストロを見た。
「召喚士とはな。既に絶えてしまったと聞いていた。マーさんと言ったが、大召喚士シュマロ・マーの末裔か?」
「そうだ。」
「で、マーさん・・・」
「エストロでいい。」
「ではエストロさん。早速だが、ご要望のA級の魔道具とはどんなものを作って欲しいんだ?」
「まずはこれを見てもらおう。」
「失礼する。」と言ってエストロは立ち上がり、上着を脱いで防具と一体になっているウルミーを外した。そして愚者の小箱から、捻じれて鞘に収まらなくなったもう一本のウルミーを出し、テーブルに置く。
「ウルミーとは珍しい剣だな。それも極限まで薄い。取り扱いも厄介だろう。」
「そうだな。特に収納には手間がかかる。」
薄くて長いウルミーという剣は、鞘ごと体に巻き付けることで防具としての役割も果たすが、出し入れには手間がかかる。特に鞘に納めるのは一苦労であった。
「これを打ち直して魔道具とし、一瞬で鞘に納めたいという事かな?」
「概ねそんな所だが、強度や硬度も今の物よりレベルアップさせたい。そうでなければ連戦は難しい。出来れば私の意思をくみ取って戦える物にしたいのだ。」
「・・・前半は可能だ。だけど後半は難しい。」
「出来ないのか?」
「出来ないとは言ってない。難しいと言った。」
「ちょっと待ってくれ、俺の方にも依頼はあるんだぜ。」
マッシが割って入った。
「聞きましょう。筋肉しか取り柄のないマッシさん。」
マッシはちょっとむっとしたようだが、コバチは皮肉った様子はない。
「俺の名はマッシ。マッシ・イノーシスだ。筋肉以外にも取柄はある。マッシと呼んでくれ。そして俺も剣が欲しい。」
マッシは一気呵成に言い放った。
「分かりました、マッシさん。具体的にはどのような?」
「十秘宝にも負けねえような剣だ。」
マッシはテーブルに両手をついて身を乗り出す。
「・・・まあ、お二人とも落ち着いてください。お湯が沸いたようですからお茶を入れましょう。」
コバチは手慣れた様子で鉄瓶を茶碗に湯を注ぐ、急須に茶葉を入れ、少し待ってから茶碗の湯を急須に入れた。急須の中の茶葉は優しく開き、緑茶特有の芳香を放つ。
急須の口から温めた茶碗に注がれた液体は鮮やかな緑色をして、ややとろりとした粘度を持っていた。
「これは?」
「緑茶だ。」
「紅茶なら高級貴族の屋敷で振舞われたことがあるが、これは初めてだな。」
エストロはゆっくりと茶碗に手を添え、お茶をすする。マッシもそれを見て、慌てて茶碗を掴むとお茶を飲む。
「こいつはいいな。」
「うむ。香りがいい。渋さの中にほんのりと甘さがある。これは魔法か?」
「これはミナイの伝統的な飲み物だ。魔法は施してあるが、それは茶碗のほうさ。」
そう言うとコバチは空の茶碗の底を二人に見せた。茶碗の底には魔文字が描かれている。
「一口に魔道具と言うが、それにはおのずとランクがある。例えばこの茶碗は飲む人の健康を慮り、体が温まるようにと作られた魔道具だ。効果はそこそこ、呪いの類だ。このような魔道具を我らはC級と類別している。」
「じゃあ、B級ってのは?」
「例えばこれだ。」
コバチは立ち上がると鴨居にかけてある一本の槍を手にすると庭に向けた。
「グロウ!」
コバチの声に反応して、槍は一瞬で長くなった。
「これは初代が魔槍バベルを作ろうとした失敗作だ。伸びてもこれが限度。」
「それでもこいつは凄い。」
マッシが感心してマジマジと見つめる。
「どうしてこれが失敗作なんだ?」
「通常魔道具と呼ばれるものは、この槍のような物だ。魔素を使用して武器や防具を変化させたり強度や攻撃力を増す。しかし、A級の魔道具というのは魔道具自体の性能は当然B級をはるかに凌ぐ訳だが、他にも理由がある。B級には有り得ない性能がある。大抵は自己の意思があり、その意思を戦闘に反映させる。中には気難しい魔道具もあり、使用者が気に食わなければその性能を引き出す事が出来ないものもある。」
「なら、十秘宝は?」
コバチは槍を持ったままマッシを見た。
「十秘宝とはその全てが明らかになっているわけではない。後世の人々が十賢者の使用した魔道具をいくつか抜粋して十秘宝と呼んだ。しかしその実態はほとんど初代の作った物で、中にはB級の魔道具を十秘宝に数えている場合もある。ただ、その中でも、≪魔槍バベル≫≪死刻の剣≫≪魂霊喰いのナイファー≫≪ハールウの動く城≫の四つは初代さえも作ることが出来なかった本当の秘宝だ。古代の技術が生み出した謂わばオーパーツなのだ。この槍をよく見てくれ。」
コバチが「クリンパ」と唱えると槍は元の長さに戻った。
「分かったかな?」
二人は無言で首を振った。
「最大に伸びている時と、縮んだ時では槍の太さが変化しているんだ。要するに質量を変えることが出来ない。要するに物理法則を無視することが出来ないんだ。ところがA級になるとこれを無視した物になる場合が多い。それを十秘宝当てはめるというなら、十秘宝は特A級と言う事になるだろうな。」
「意思を持ち、物理法則を無視し、滅多に作ることが出来ない物。それがA級という事かな。」
エストロは残りの茶をすすった。
コバチは槍を鴨居に戻すと鉄瓶を鈎から外した。
「もう一杯どうかな?」
「あ、下さい。」
マッシは緑茶が気に入ったのか、慌てて差し出された盆に茶碗を乗せる。
エストロは茶碗を盆にのせると、訝し気に聞いた。
「死刻の剣にも意思はあるのか?」
「無い。もっとも本物は見たことは無いが、時間が止まっているなら、意思もあるまいと思う。因みにあなたが持っている愚者の小箱にも意思はない。ただ、これに関しては、もう作ることが出来ないらしい。」
「どういう意味だ?」
「ちょっとそれを貸してくれ。」
エストロは恐る恐るコバチに愚者の小箱に渡すと、コバチは手慣れた様子で分解した。
「ああっ!」
「心配するな。壊してはいない。私が見せたかったものはこれだ。」
コバチが見せたものは、皮のポーチの口にあったゴムのような輪だった。それは黒ずんだ太い輪ゴムのようで滑めるような光沢があり、取り出した途端にくるんと8の字を描いた。
「これは神魔72柱の悪魔Ab=ドーンの唇だ。」
神魔72柱の悪魔 Ab=ドーン とは、無限に何もかも食べてしまうと言われている悪魔の事である。唇を取り出されたポーチは既に何の変哲もない普通の古いポーチになっていた。
「大召喚士シュマロ・マーがAb=ドーンと契約を受けて借りたものだと言われている。どうやって召喚したのか、契約を結んだのかも分かっていない。Ab=ドーンは口に入った物は全て食べてしまうと言われていて、これは契約を結んで入れたものを口の中で保存してもらっているだけだ。但し、有機物はダメらしく、その為に繭化呪文が生まれたと聞いている。」
コバチは説明しながら愚者の小箱のポーチを元通りにして、エストロへ返した。
元通りになったポーチの中に手を入れ、エストロは眉玉を取り出しホッとしたようだ。
「それが繭化呪文で作られた繭玉か?」
「ああ。私の・・・」
エストロは何か言おうとしたが、それきり口を噤んだ。
代わりにマッシが口を開いた。
「あんたの召喚する魔物がそこに納まってるのか?」
「そうだ。ただ、繭化できる魔物は私が調伏するか、説得しなければならない。」
「貴方自身のレベル以下の魔物しか使役することが出来ないという訳か。」
「そうだ。」
「貴方のレベルはどれくらいだ?」
「さあな。自分ではわかりかねん。」
コバチはちょっと変な顔をした。
「じゃあ、私が見てやる。スカウタを貸してくれ。」
エストロはコバチの差し出された手にキョトンとしていた。
「さあ。」
「・・・何の事だ?」
「貴方が着けているスカウタの事だ。」
「スカウタ?」
「その目に付けている片眼鏡の事だ。」
エストロは驚いたように片眼鏡を外すとコバチに渡した。
コバチがスカウタと呼んだその片眼鏡は、眼鏡が頭から外れないようにフレームが弧を描いて頭を押さえる仕組みになっている。今はエストロの頭の大きさに合わせた形を保っていた。
コバチはそれを受け取ると頭に乗せたが、ブカブカである。訝しんで手元に降ろすと、片眼鏡のフレームのテンプルを軽く撫でる。
「おかしいな。壊れてるのかな? ヒジャク。」
コバチがそう呼んだとたん、コバチの鎧の肩当てが左右一つずつ外れ、触手のように動き始めた。すると、後ろからこれもまた触手のような物が伸び、持ち上げたエストロのスカウタに光を当てて、それをじっと見つめているようだった。
「カニみたいだな・・。」とマッシは思ったが、口には出さなかった。
触手の先端がいくつかに割れ、細かく細分化すると器用にフレームの内側をこじ開ける。すると、中から白い石がコロンと落ちた。
「魔石がダメになっていたのか。」
ヒジャクと呼ばれたその鎧は、胸当ての8の字を掴むと捻じって円に戻し、また胸当てに付ける。
「まさか、それも・・」
「そうだ。愚者の小箱さ。」
ヒジャクの触手が円の中に吸い込まれ、小さな黒光りする小石を摘まみだしてスカウタに入れると、スカウタは一瞬、仄かな光を帯びた。
「これで使えそうだな。」
コバチはスカウタを頭に乗せると、今度はコバチの頭にぴったりと納まった。そしてフレームをスワイプすると、眼鏡のレンズが色を帯び、細かい光が明滅する。
エストロの口があんぐりと開いていた。
「知らなかったんだ。ククク・・」
マッシは嬉しそうに笑いをこらえていた。
「う・・煩い!」
エストロの頬が少し赤く染まっている。
「本当は人をランク付けするのは気が進まないが、仕方のない時もある。これはスカウタと言って、人や魔物の戦闘力を測る古の魔道具だ。これで対象者を見るとその戦闘力が数値化されて見る事が出来る。そうだなあ・・ン。」
エストロやマッシではなく他の対象物を探すコバチは、庭の松の枝に黒い物体が蹲っているのを見つけた。
「見慣れない猫がいるな。試しにこいつの戦闘力を診てみよう・・・ぶっ!!」
コバチは喉が渇いていたのか、お茶を口に含ませようとして思いきり吹いた。
彼女の視線の先には、松の枝で丸くなっているポッターがいた。
「まさか。壊れてるのか、これ・・・。」
コバチはもう一度猫を見る。
「あ・・あれは俺たちの仲間で・・」
説明しようとするマッシの言葉は耳に入らない様子だ。
「ヒジャク!」
また触手がスカウタを外して入念に調べるが、どこにも異常は無かったらしい。
「う・・うそだ。あんな猫がA+なんて、ありえない!!」
「落ち着いてくれ。あれは我らの仲間でケットシーのポッターという。」
「ケットシー・・・?」
コバチは肉眼で見直したが、どう見てもただの猫である。
<つづく>
最近なろう系の異世界ものの漫画を読んだり、アニメを見たりする機会があって見ていたのですが、大抵は中世ヨーロッパの時代背景をモデルとして物語が進んで行きますね。この話もそうなんですが、実際の中世ヨーロッパの時代背景で物語を進めていくうえで、本当は困難なのが服装や食事です。実際の中世ヨーロッパではパンなどが食べられる庶民はそれほど多くないらしく、しかもパンは大麦などの混ぜ物が入ったボソボソしたパンで、主食はオートミールなどでした。肉は保存が出来ないので塩漬けにして食べていたそうですが、ほぼ腐りかけの不衛生な肉を食べていたそうです。
まあ、異世界という意味合いからすれば、そこまで現実を踏襲する必要はないし、歴史物ではないので作者と読者の一致を見るにはある程度現代の食生活に近づけた方が分かりやすいとは思います。僕もけっこう悩みながら書いてますけど、仕方ないかなと思っています。
時に、今回の話の中で、エストロとマッシは日本風的な異文化に触れる訳ですけど、今回は外国人が日本に来たらどういうふうに説明するだろうと言うような感覚で前半を進めました。ただ障子とか松とか書けばいいんですけど、それを名前を知らない外国人の視点から書こうと思ってけっこう苦労しました。中盤以降は普通に使い始めましたけどね。そんな所も楽しんでいただけたら嬉しいです。
ではあまりに長すぎるので、次回に続くことにしました。ではごゆっくりお楽しみください。




