ホーリーの災難 3
ホーク様御一行は・・・・えと・・今回もホーク様はお休みでございます。
一転してドレイクとエストロの旅をご賞味ください。あと、背景の話もね。
リモネージュはフリーシアの東端、ミレーネ連峰の山々が連なる牧畜の盛んな場所である。ミレーネ連峰は隣国ロイスの山々だが、ほとんどが3000mを越える巨大な峰がせまっていて、その眺めは壮観である。
リモネージュはそのミレーネ連峰の麓に位置する高山地帯なのだ。
「あそこだ。」
周り全てが山と青い空。残雪を乗せた山々と白い雲が巨大なパノラマを作り出していた。そのパノラマの中、牧草地が連なる丘陵地に今、ドレイクとエストロは立っていた。
「ここからあそこまで歩いて行くのか?」
エストロの指さした方向には牧草が揺れるだだっ広い中に立つ豆粒ほどの貧相な小屋である。どうやらそこに目指すホーリー・ガーフィールドが棲んでいるらしい。
「いきなりドラゴンで舞い降りたら、攻撃されかねんからな。老いたとはいえ元は十賢者の強者だ。」
ヴィオロンとヴィオーラの2頭はすでに愚者の小箱に収まっていた。
「ま、そうかもしれねえけどな。それにしても遠くねえか?」
二人は既に歩きだしている。のんびりとした歩みだ。
「これくらいはどうってことはないだろう。エグランの勇士なんだから。」
「お前よぉ。いちいち言う事にトゲがねえか? エグランになんか恨みでもあんのか?」
「別に・・。何も無い。」
「あ、そう。」
二人は無言のまましばらく歩いた。
「そう言えば、あんた。あの時。」
「いつの話だ?」
「俺たちがエリア火山で落とし穴に落ちた時だよ。あの時はみんな不自由落下呪文の石を付けてたからゆっくり落ちたが、普通に落ちてりゃ死んでたぜ。」
「あのくらいで死ぬようであれば、ラグナロク様は偽物だ。」
「俺たちは、どーなんだよ!」
「ユンは死ぬまい。それにお前や小娘は別にいなくなっても構わん。」
「てめえ! どういう意味だ!!」
ドレイクはエストロの胸倉を掴んだ。
「言葉通りの意味だ。ロアの軍団と戦うのに、力無き者は必要ない。そう言ったのだ。」
「ふん。随分と見くびられたもんだな。」
「やめておけ。足を挫いてるんだろ。今のお前など、ヴィオロンにすら敵うまい。」
「どうかな。試してみるか? それに、俺は魔物を使役するっていうお前のやり方も面白くねえ。男なら一対一で勝負しようぜ。」
「バカげている。俺の魔物は俺の道具だ。お前の持っている剣や鎧とどういった違いがあるんだ?」
確かにエストロは丸腰だった。襟足の高い革製のロングガウンを羽織り鋼鉄製の手甲とロングブーツ。それに胴には金属で出来た円形の胴当てを付けているのだが、その胴当てが変わっていて2本左右に違う向きで竜の指を模した刀の柄のようなレリーフが付いている。本物のベルトには護身用の小さなナイフと愚者の小箱がくくられているだけ。防具を付けてはいるものの、自ら戦闘するようには見えなかった。
「だから、それが気に食わねえと言ってるんだよ!」
激高したドレイクの右こぶしがエストロの顔面を襲う前に、エストロの膝がドレイクの鳩尾にきれいに入り込んだ。ドレイクはたまらず咳をしながら崩れ落ちる。
「見くびっているのはお前の方じゃないのか?」
膝をついたドレイクを尻目に、エストロは歩調を速めた。
「く・・そぉ。」
ふらふらと立ち上がると、遅れてドレイクもついて行った。
本当に貧相な小屋だった。おそらく寝室もキッチンの区別もないだろう。床はかろうじて板が貼ってありそうだが、もしかすると土間かもしれない。とは言え、田舎の家の作りなど、この小屋の作りと大差は無いのだろう。かつての十賢者の一人ならば、もっと素晴らしい大邸宅に棲んでいても良さそうなものだ。と、エストロは思っていた。
エストロは入り口の前で、ドアを凝視していた。なぜならドアは少しばかり内側に開いていた。
エストロは軽くドアをノックしたが、中からの応答は無い。
(留守だろうか?)
ノブに手をかけ。少しばかり押してみると、ドアは何の抵抗もなく内側へと開いた。エストロは用心深く中に歩みを進めると、その視界にベッドに横たわる老人が目に入った。
「まさか・・・あなたがホーリー殿ですか?」
エストロの呼びかけにもその老人は答えなかった。
老人はベッドヘッドに背を付け、座っているように見える。首が傾き、右肩に頭が付いていて、両腕がだらりと投げ出されていた。
エストロはゆっくりと老人の傍により、その首に手を当てると、深く沈んだ面持ちになった。老人の背後にはつっかい棒で押さえられた窓から陽光が差している。小鳥の囀りが冗談のように聞こえた。
「たっくぅー、少しは手加減しろよナァ。俺は足を挫いてるんだぜ。」
小屋の入り口から、ようやく追いついたドレイクが入ってきた。
「その爺さんがホーリーさんか?」
「遅かったようだ。すでに亡くなっている。」
「あん? 本当か?」
ドレイクもすぐさまホーリーの傍に駆け寄り、その首に指を当てる。ドレイクの指にひんやりとした感触が伝わるものの、脈を打つ感触は感じることが出来なかった。
エストロは周りを見渡したが、家の中は質素を通り越している。実に何もない。寝具以外は僅かな食器と調理器具とコンロがあるだけ。魔法医師だったのだから書籍くらいはあっても良さそうなものだが、それもない。椅子も机もない。
「300年近く生きたんだ、まさに大往生ってやつか。それにしてもきれいな死に顔だな。」
ドレイクはホーリーの死体を寝そべらせ、両腕を胸の上で組ませた。
「なにか・・・。」
「なにか? どうかしたのか?」
「いや、本当にきれいな死に顔だが・・なにか霊的な物で保護されているような気がしてな。」
「保護?」
「ああ、薄く光覇壁呪文でもかけられているような・・・。」
「どうする?」
「仕方ない。ラグナロク様に報告して、我々もコールレアンに向かおう。」
「そうじゃねえ、この爺さんをどうするかって言ったんだ。家の中は殺風景だし、どうも独り身だったみてえじゃねえか。このままベッドの上で朽ち果てさせるのも忍びねえだろう。」
「・・・・・そうだな。埋葬して今夜はここに泊まらせてもらおう。」
その時、開いた窓から1匹の猫が飛び込んできて、ホーリーの死体の上に座った。
猫は雑種のようだが、背中に革製のバックパックを背負っていた。模様はハチワレである。黒のベース色に鼻の下から胸の中ほどまで真っ白い毛に覆われ、髭面の老人の様にも見える。そして四肢の先が靴下と手袋でもつけたように、きっちりと白い。
その猫が舐めた前脚で耳をつるりと撫でると、おもむろに2本足で立ち上がった。
「お初にお目にかかります。」
猫はペコリとお辞儀する。
「しゃ・・喋った・・・?」
ドレイクとエストロは目を丸くして驚いた。
「ワタクシはホーリー・ガーフィールドの弟子でございます。ぢゃ。」
「お、おい! 喋ってるぞ、猫が?」
「ぢゃ?」
「ホーリー様から、伺ったところによれば、いずれラグナロク様から召集がかかるかもしれぬが、もはや若い時のように動けぬ老体になってしまったわしの代わりに、ラグナロク様のお役に立て・・と申し使っております。ぢゃ。」
「ぢゃ?」
「あんた、引っ掛かんのはそこかァ?」
「うるさい。魔物だって喋る者もいる。取り立てて驚くほどの事は無い。」
「その通り。実はワタクシ、ケットシーでございます。そちら様は何というお名前でございますか? ぢゃ。」
「はあ・・・俺はドレイク。ドレイク・ハッシー。エグラン人だ。」
「私は・・・・」
その時、どすん、と地響きがした。巨大なものが地面に落ちたような響きである。そしてその地響きは次第にこちらへと近づいてくる様子だった。
「ワタクシの名はポッター。早速お役に立てそうですね。ぢゃ。」
ポッターはそう言うと。
「伏せてください。ぢゃ。」
そう言うとポッターは呪文を唱え始めた。
「『光の束よ。我らに集いて鋼鉄の盾となれ、悪しき刃を退けよ。』ぢゃ!」
ドレイクたちはポッターの言うがままに床に身を伏せた。光の束が彼らの周りに降り注ぎ、そして彼らを覆った。光覇壁呪文の省略詠唱である。
その刹那に轟音とともに爆風のような炎がホーリーの小屋を襲った。
「殺ったかな?」
「生きてると良いな。これじゃつまんねえし。」
小屋から少し離れた丘でプリエスとジョーグが、双頭のドラゴンの吐き出す炎で燃え盛る小屋を眺めていた。
当世で随一の贅を誇る建造物と言えば、大方の人々はこう答えるだろう。『フリーシアのベルリーユだ。」と。
フリーシアのベルリーユ宮殿は地上4階建てで、部屋数はゆうに200を超えると言われ、そこには広大な食堂や広間が含まれ、隣接する2つの兵舎には200頭の馬と500を超える衛兵が棲む。そして白煉瓦で覆われた城壁には11本の塔が立ち並び、そこには常にカペラ家の紋章の国旗が翻っていた。
カンカンカンカンとその靴音は慌ただしく、一つの部屋へと向かっていた。
そして国務大臣ビィオネの執務室へノックもせずに駆け込んだのは武官のロキソーネである。
ビィオネはロキソーネを一瞥するなり、フンと鼻を鳴らした。
「突然ノックもせずに入り込むとは、殺されても文句も言えんぞ。」
そうは云う物の、二人は旧知の間柄である。衛兵もそれはわきまえていて、一応槍で牽制はするものの危害を加えようとする意志は無さそうだった。
ロキソーネはゼイゼイと荒い息の中から「大変だ・・・。」と絞り出すような声で呟いた。
「王。エグランの使者が本国にお帰りになるそうで、ご挨拶を・・と参っております。」
フリーシア国王ルニエラ4世はでっぷりと太った体を椅子に埋めて昼食をとっている最中だった。彼の大好きなポーチドエッグの入ったスープをズズズとすすっていた彼は、とても嫌そうな顔つきでこう言った。
「食事中だぞ。終わるまで待てんのか?」
「最終便の時間が迫っておるそうで、ぜひともとおっしゃております。」
「ならば、ここへ通すがよかろう。」
食事中に使者と謁見するとは無礼極まりない行為だが、傲慢王の異名を持つルニエラ4世は気にする様子もなかった。謁見を許された使者はほんの少しだけ顔を歪めたが、そこは1国の使者である。何事もないようなそぶりで深々とお辞儀をした。
「この度は偉大な王の寛大なご処置にて、我がエグランとドレイク一行へのご配慮ありがたく、恐悦至極でございます。」
「分かった。分かった。貴国と我が国は同盟国。困ったときはお互い様であろう。」
お決まりのセリフを言うと、ルニエラ4世はまたスープをズズズとすすった。その時一人の従者がルニエラの傍に近寄り、何事かを耳打ちした。
口元に銀のスプーンを運びかけていたルニエラ4世の目が大きく見開き、スプーンを床に落としてしまった。
「ま、誠か・・?」
何事か起こったと感じたエグランの使者は、「それでは帰国の時間が迫っておりますので、これにて失礼いたします。寛大な王のご処置に女王陛下もお喜びになられることでしょう。」と、立ち去ろうとした・・・。
「待て、待つのだ。援助は無しだ。」
突然の王の言葉にエグランの使者は少しの間絶句し、言葉を選ぶようにこう言った。
「お恐れながら、王はご自分のおっしゃっていることがお分かりなのですか?」
「当たり前だ。取り決めはナシだと言ったんだァ!」
王の側近や従者がざわついた。
「バカな。調印を交わした上でのお約束を反故になさる気か? 聡明なフリーシアの国王ともあろう方が!」
「事情が変わったのだ。」
「そんな、一方的にそうおっしゃられても、納得できませんぞ!」
使者が怒るのも無理はなかった。数日間を費やして、やっと船20隻分の物資援助と1万人の遠征兵士を送る約束を今更反故にされては、おめおめとエグランに帰ることも出来ない。
「理由をお聞かせください。まさか我が国と一戦交えるつもりなのでしょうか?」
皮肉とも、脅しともとれるような言いましだったが、ルニエラもそれはわきまえているようで、苦渋の顔つきの中からたった一言こういった。
「ランスロットが斃された。」
ランスロットと言えば、フリーシアの中の領主としてばかりでなく、他国にまで響き渡る強者として有名な男である。
「まさか、あの神の槍の使い手とまで呼ばれたランスロット様がですか!?」
「そのまさかだ。ランスロット城は再現できぬほどに破壊しつくされたそうだ。」
「そこから先は私がお話いたしましょう。」
さざ波のようにざわついていた取り巻きの中から、よく通る声でそのざわめきを止めたのはギース教の大司教の一人、フィポナッチだった。
取り巻きの群れが割れ、静かに姿を現したフィポナッチ大司教は、一大事にもかかわらず至極落ち着いてた。
「わたくしは、エウロパ北方方面を取り仕切る大司教のフィポナッチと申します。フェンリー卿にははじめてお目にかかります。以後お見知りおきを。」
「おお、あなたが。」
フェンリー卿は破願した。
エグランではギース教はそれほど広まってはいない。未だに地母神信仰が主であるのだが、エグランの使者として選ばれたフェンリー卿はエグランの貴族の中でも数少ないギース教信徒であった。
今回使者として選ばれたのも、公正明大でありながら交渉には老獪な人物と言う事の他に、フリーシアでは国教となっているギース教信徒であるという事も選考に加味されたからである。実際に今回の交渉では裏でフィポナッチ大司教がエグランに恩を売るために交渉役に口添えしてくれたと言う話もフェンリー卿は聞いていた。
「ランスロット城での話は、わたくしの耳にも届いております。ランスロット城は壊滅。城壁と建物の一部を残して残骸となったそうです。生存者は皆無。その上、ランスロット城の城下町シェルツでは半数以上の住人が一晩で死滅したと聞いております。」
シェルツの街の人口は3500人と言われているから、城の人間も含めて2000人以上の人間が亡くなった計算になる。それもたった一晩で。
「そして、生き残った者たちが見たのは、城の残骸に翻るロアの旗と惨たらしい死体だけだったとか。王がその惨事に動揺するのも無理からぬことでありましょう。どうか王の非礼をお許し願いたい。」
「い・・いや、それは無理からぬこと。しかし、一度調印した約束を反故にされては・・」
「あなたも手ぶらでは本国に帰れない。そういうことですな。」
「ええ。仰る通りです。」
「では、こうしては如何かな。王よ、支援物資はいかほどなら送れますかな?」
「ビィオネ、ビィオネはどこか?」
ルニエラも少し落ちついた様子で、国務大臣のビィオネを呼んだ。
「ここに控えております。」
ルニエラに言伝したのはビィオネである。彼は少し前からここにいた。どちらかと言うと、吝嗇な彼はエグランに支援するのは反対であった。エグランに恩を売って後々の交渉を有利に進めると言った発想は無い。彼はここぞとばかりに出来ない理由をまくし立て、結局は調印の200分の1ほどの数字を提案した。
「お話になりませんな。」
フェンリー卿は落胆と言うより、呆れ果てたとでも言うべきか、深くため息をついた。援助とは名ばかりの進物のような物である。
「そうですね。それほどの危急が迫っているとの御認識なのですね、ビィオネ国務大臣。」
「そうだ。さっきも言ったが、2000人以上の死者を出し、堅固なランスロット城を一夜で瓦解させたのだぞ、やつらは! 用心をするに越したことは無かろう。王も宮殿を今すぐお出になられて、堅牢な城にお移りになされることを強く勧めする。」
「なるほど、よく分かりました。フェンリー卿。残念ながらフリーシアには余力が無いとのことでございます。残念ながら諦めて頂くしか道はございません。」
フィポナッチ大司教に余力が無いと言われ、ルニエラは少しばかりむっとした表情をした。
沈んだ表情のフェンリー卿は、少しばかり沈思した後、覚悟を決めたのか晴れやかな顔をしてこう言った。
「分かりました。それでは私はこのまま帰る事に致しましょう。フィポナッチ大司教のご助力には感謝いたします。そしてフリーシアがこれ以上の災厄に見舞われませんよう心からお祈りいたしましょう。」
フェンリー卿の表情は厳しく、硬かった。
「まあまあ。フェンリー卿。そのように決めつけるのは早計でありましょう。フリーシアで援助がなされないとすれば、代わりにギース教がご援助いたしましょう。支援物資は半分ほどではありますが、その代わり竜騎兵団全てをエグランに派遣いたしましょう。」
「ま、待て! フィポナッチ!」
声を上げたのはルニエラ王だが、その場にいた者たちすべてが息をのんだ。
フリーシア竜騎兵団。
文字通り、竜に乗る騎士団の事である。騎竜部隊とも呼ばれ、一応はフリーシアの国軍に所属されてはいるが、実態はギース教直属の部隊である。その指揮権はエウロパ北方大司教のフィポナッチが持っている。当然のことながら空から攻撃しうるこれほどの部隊となると、エウロパのどの国も持ち合わせてはいない。ドラゴンの攻撃力、機動力は言うまでもないが、それに乗る騎士たちも精鋭中の精鋭である。しかも一般の兵士と違うのは、全てがギース教の修道士出身で、魔法剣士なのだ。兵団の数は約1000騎。1騎で通常の兵士100人分に相当するとも言われていた。フリーシアが近隣諸国の盟主でいられるのは竜騎兵団のお陰であると言っても過言ではなかった。
「いかがいたしましたか、王よ。」
「それだけは待ってくれ。今の不穏な世情の中で、竜騎兵団が居なくなれば、ロアの軍団だけではなく、近隣諸国との力関係まで一気に崩れてしまう。そうなればこの国は一気に戦禍に苛まれるかもしれぬ。」
愚鈍な王と世間で言わているほど、ルニエラはバカではないらしい。
「では、どうすればよろしいかな?」
フィポナッチ大司教は、ただただ途方に暮れた・・・というような顔をして見せた。
血の飛沫がサラの顔にかかった。
サラの顔が驚きと、後悔と恐れに満ちている。
マッシの腹部に刺さっているダガーが鈍く光り、マッシが苦渋の笑みを浮かべていた。
物陰から見ていたグラが「バカね。」と呟く。
いったい・・・・・。
********次話予告********
「前回の次話予告とちがうだろーがぁ!!!」
ホークの悲痛な叫びが山々にこだまする・・・・・。
(フェードインで静かに流れる「Merry Go Round Life」)
カイドーとサラが焚火に当たっている。
魔物と切り結ぶドレイク。魔物の血しぶきがドレイクの顔にかかる。
炎と黒煙の中。2頭のドラゴンが激しく戦う映像がスローモーションで交差する。
サラの手の平に小さく灯る炎。
広大なナッツ畑の一本道をのんびりと走る馬車。
交差する戦闘シーン。
おどろおどろしく笑うプリエス。
ホークはまたも出番なし。
本当に主人公なのか?
交差する戦闘シーン。
笑いとも苦しみともつかないような顔をしたドレイク。
太ももに流れる黒ずんだ血。スローで流れる血のしずく・・・。
お読みいただいた方には分かると思いますが、ギース教はカトリックの組織編成を参考に組み立てております。司教、大司教などの名称などを使用しておりますが、当方にはキリスト教を貶めようと言う意図は全くありません。(前にも書きましたけど)
カトリックに限らず、宗教については自分は無宗派だろうと思っています。好み的には神道のような八百万の神や西欧諸国の神話的な世界観が自分の性にあっているなとは思っておりますが、それが最も正しいとか、他人に強いるような事は考えておりません。
いずれにしても宗教の哲学的要素は素晴らしいものがあると考えますけれど、歴史を見る限り、その素晴らしい哲学が現代まで継承されているのか、甚だ疑問に思うフシが多々ありました。それはキリスト教に限らず、世界3大宗教と呼ばれるものも、神道につてもほぼ同じことが言えるだろうと思っております。それは非常に悲しい事ですが、その宗教のお陰で救われている人々が居ることも事実なんだろうなと思うと切なくなりませんか?
人って、小さな幸せを時折感じることで生きていくことが出来る生き物だと思うんです。つらいことが面白くないことが続いても、いつか小さな幸せにホッとして、ほんのちょっとにっこりできればそれでいいんですね。他人や自分を責めないで、殺伐とした話は物語の中だけで十分だと。自分はそう思う訳です。
なんだか説教のような後書きになってしまいましたが、今後もちょびっとふざけた話を書いてゆきますのでよろしくお願いいたします。




