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魔芒の月  作者: 弐兎月 冬夜
18/63

エリア火山に連れてって! Ⅶ

さてさて、ホーク様御一行は、幾多の艱難辛苦を乗り越えて、エリア火山にやってまいりましたとさ。

そこで待ち受けるのは凶悪なドラゴンなのでしょうか? それとも。。。。

「まさか、ここを渡るのか?」

ドレイクらしからぬ、ヘタレたセリフが口から飛び出した。


 目の前に、目的のエリア火山が薄っすらと煙を吐いている姿があった。あるにはあったが、ホークたちの目の前は広大な湖である。前の噴火で出来たカルデラ湖なのだが、そんなことは彼らには知る由もない。直線距離でおよそ10キロはあるだろうこの湖を泳いでいくのは骨が折れそうだった。かと言って迂回して行くにはまた1日か2日はかかりそうだった。

(いかだ)でも作ろうか?」

ホークが他人事のようにつぶやく。

「心配ないわ! 私に任せて!」

サラが自信満々に言う。左の八重歯がキラリと光った。

そしてホークたちの脳裏に嫌な予感がよぎる。

「ホーク。例の呪文よ。」

「例の呪文?」

「この腰に巻いてあるヤツ。」

不自由落下呪文(フワン)の事? あれは落ちるスピードを遅くするだけで浮かべないよ。」

「ふふふ。まかせなさーい。あたしには妙案があるのよ。」

「ど・・どうする気だよ?」

「はい、黙ってこれに例の呪文をかけなさい。」

サラの出した別のスカーフに渋々呪文をかけるホーク。

そのスカーフを受け取ったサラは前にかけてもらったスカーフを右の足首にキリリと締める。そして新たなスカーフを左の足首にまたも締め付けた。

「見ててごらん。」

サラはニヤリと笑うと、そのまま湖に入り込んだ。

「右足が沈む前に左足を、左足が沈む前に右足を上げる!」

驚いたことに、なんとサラは水の上を歩いて行くではないか!

「おーほほほほ! 私ってば天才かも!!」

「へー、なるほど。器用な真似するなあ。」

ドレイクは感心したが、上機嫌で歩いてゆくサラを見たホークは急いでターバンを解いた。


「・・・・・ぐぅ・・・キツイ。いったいどこまで続くのよ。」

湖を四分の一ほど進んだサラは、腰まで水につかっていた。10kmもの距離を休みなしで歩くのである。しかも走れない。仮に走れたとしても、10kmの水上を全力で走るのは、よほど鍛え上げたアスリートにしかできまい。サラは疲労と水の抵抗力で、ずんずんと沈んでゆく。

「・・・そういえば、昔、おばあちゃんが言ってたっけ。。え、何を言ってたんだっけ?」

 集中力もイマイチである。

「ヤバい。なんか昔の事ばかり思い出す! マズイ! がんばれサラ! がんばれ、私っ!」

自らを鼓舞するサラだが、既に胸まで水に浸かっていた。後ろを向いて助けを呼ぶ余裕すらなくなってきた。

「ヤバいよ。ヤバいよ! このままじゃ、溺れちゃうってば! はっ! 待てよ、私は島育ち、海は私の庭よ。いざとなったら泳げばいいんじゃ・・・  ダメ! 私、20mしか泳げなかったんだ! でも、いざとなれば5kmくらいは泳げるかも。そうよ、人間、火事場の何とかって言うじゃない。だから、きっとがだ・・いじょ・・ゴボゴボ・・(ダメよ、諦めちゃ! でも美人薄命ってホントだわ。)・・・・・・・・何を言ってるのアタシ!!! だ。誰か! 助けてぇーーーーーーーーー!」

「おーよ。」

頭まで浸かったサラの襟を咥えて助け出したのは、シトリーに戻ったユンだった。気を失いかけていたサラはぼんやりとドローンのように空中から湖を俯瞰(ふかん)で見ていた。

「ホント、バカなんだから。」

 気づくとユンの隣を飛んでいるのはホークだった。ホークのトレードマークのターバンが外されていて、長めの黒髪が風になびいていた。

 サラは薄くなっていた意識の中でホークの横顔を眺めていた。

(くやしいけど、やっぱ美少年なんだ・・・。)

 ホークは魔女のように(ほうき)(またが)っているわけでもなく、自分の魔術師の杖に跨っているわけではない。けっこうな速度で自由に空を飛んでいた。前にドレイクに言われていたが、決して空を飛ぶ呪文が無いわけではない。ホークはドレイクなら海に落ちると言った。なぜなら・・・・。

 それはホークのターバンで作られた魔法の絨毯(じゅうたん)(?)に乗ったドレイクの顔を見れば明らかである。ホークやユンと並行して空を飛ぶ絨毯に乗ったドレイクの顔は苦渋に満ちていた。魔法力の少ない(あるいは無い)ドレイクは、空を飛ぶ魔法の絨毯に、自分の精気を吸い取られている。

 ちょっと話はそれるが、人間が鳥の羽を持ち、仮に空を飛んだとするなら、人間の筋力の30倍は必要になる計算だと言う。もし、それだけの筋力を持たない人間が空を飛ぶとしたら、その疲労度はいかほどであろうか?


「も・・・もう2度と空を飛ぶのは・・・・・・・ごめんだ・・・。」

荒い息で、かすれた声で、地面に横たわって、青い顔をしているドレイクに、ホークは苦笑しながら回復呪文をかけた。

「あ、あたしにも、かけてよね、回復呪文・・。」

へたり込んでずぶ濡れになったサラに、ホークはクスリの小瓶を渡した。

「なんで、あたしだけ回復薬なのよ!?」

「そっちの方が、効くって。」

 ホークはケタケタと笑った。

サラはその薬を一気に飲み干すと、湖の浜辺にへたり込んだまま、一点を見つめた。

「ねえ、あれ。」

ホークたちはサラの指さした方向を見た。そこには大きな看板があり、【ドラゴンの住処まで5km】と、下手くそなフリーシア語で書かれていた。しかもポップアップで矢印まで書き加えられている。

「あれって、クロカベ様じゃない!」

「え??」

看板の後ろに大きな長方形の黒いボードがあった。

「指さしてンの、そっちかよ?」

サラはクスリが効いたのか、看板の方に向かって一目散に駆け出した。ホークたちもおっとり刀でサラの後に続く。

 サラはキラキラと目を輝かせてその黒い板を見つめていた。

「ねえ、知ってる? クロカベ様を見つけると、幸福になれるっていう言い伝え。」

「知らんなあ。エグランじゃ係争地でよく見られるから、死神の盾なんて呼ばれてたよ。俺も何度か見たけど、別に幸せになったりはしなかったぜ。」

ドレイクが何の感慨もなく黒い石板を見上げた。


 その黒い石板は、通称モノリスと呼ばれる黒い石柱である。係争地だけで発見されるわけではなかったが、突然現れ、いつの間にか消えているという不思議な建造物だった。大きさはまちまちだが、決まって黒い一枚石で出来ており、その長方形の比率は1:4:9である。自然界にはこの比率は存在しないため、英知の結晶とも言われている。それが何のために現れ、そして姿を消すのかは一切の謎とされていた。


 不意に、サラが大きな石を拾い上げると、奇声とともにそのモノリスに投げつけた。石はモノリスに当たって砕け散った。

「よっしゃあ!」

「よっしゃあ!」じゃねえだろ、バカヤロウ! 危ねえだろうが!」

飛び散った破片に身をすくめたドレイクだったが、一番驚いたのはユンだったかもしれない。突然の出来事に、不覚にもこの悪魔は転倒しそうになったのだ。

サラはユンの罵声も聞こえていないのか、モノリスに駆け寄り、モノリスを調べ始めた。

「チッ、傷一つついてない・・。」

サラは悔しそうに言った。

「嬢ちゃん、いったい何がしたいんだ。お前は?」

「ジモン島に売ってたのよ。クロカベ様の欠片。これ持ってると、幸せが舞い込むのよ。すんごく高いんだから!」

「それってさー。多分黒曜石か何かの欠片じゃないかな。こいつは生半可な打撃じゃ傷もつかない。」

ホークがゆっくりとモノリスに近づくと、ゆっくりと左手の指をモノリスに近づけた。ほんの1センチくらいの所で、モノリスとホークの指の間に小さな稲妻が走る。反射的にホークは手を引いた。

(やっぱりダメか。)

「とにかくさー、こんなとこで油売ってないで、さっさと行こうよ。あと5kmなら大した時間はかからないじゃん。」

「そうだな。とにかく行ってみようか。」

サラは立ち去りがたかったようだが、シブシブとみんなの後について行った。

明るくふるまうホークだったが、何か沈んだ雰囲気をたたえていた。しかし、その変化に気づいたのはユンだけだった。

 立て札は1km行くごとに設置されていて、目的地に迷う事は無かった。


 そして、ついにやってきたのである。


 エリア火山の中腹にある小規模の洞窟の前に【凶悪なドラゴンの根城】と書かれた大きな看板が立っていた。

「なあ、こうまで親切にされると、ホントにいそうな気がしてくるから不思議だよなあ。」

ドレイクはぼんやりと言い放った。なぜかエストロの店を出た時のような高揚感は既に無くなっていた。

 その時突然、茂みの中から一人の若い女が飛び出した!

「旅の方、お助けください。この洞窟の中に、凶悪なドラゴンが棲んでいて、いつも村人を襲ったり、ちぎっては投げ。。。」

その女はそこまで言うと、ふと何かを思い出したように後ろを振り向き、何かをコソコソと読んでいて小声で復唱している。

・・・・三人(カンペ見てるな、こいつ。。。)

「ン・・ゴホン。 旅の方、お助けください。この洞窟の中に、凶悪なドラゴンが棲んでいて、夜になると村を襲いに飛び出すのです。私はこの山の精霊、ノーアと申します。どうかあなた方の力で、このドラゴンを倒してください!・・ホッ。」

・・・・三人(ちゃんとセリフが言えたんだ・・。)

「おねえちゃんさ、そのドラゴンってどのくらいの大きさなの?」

「それはもう。とにかくでっかいよ。いえ、巨大で身の丈30mはあると思うわ!」

・・・・・三人と1匹の悪魔(あると思うわ???。。)

「そのドラゴンが毎晩のようにこの洞窟から飛び出して村を襲いに行くのよ!」

「この洞窟からぁ?」

 洞口はの入り口は決して小さくはなかったが、とても30mもある巨大なドラゴンが出入りできるとは思えない大きさだった。

 ホークたちは珍しそうに洞窟の入り口に立って中をのぞいたが、奥は暗くてよく見えない。どこかに続いているようではあるが、とてもドラゴンが出入り出来る広さではない。

「しゃあねえ、とにかく行こうか?」

ドレイクの気の無い言葉が、言い終わるか終わらぬうちに・・。

「お願いしますっ!!!」

3人はノーアに、ものすごい力で押された。

「うわああ!」

そして、足元の地面が急に崩れ、3人は真っ逆さまに深い穴の中に落ちて行った。

 そう、落とし穴に落とされたのである。

「しゃあねえなあ。俺も行くか。」

3人が落ちるのをゆったりと眺めていたユンは、渋々落とし穴に向かう。

「すいません。お願いします。」

ノーアと名乗った精霊は、ユンにペコリと頭を下げた。

ユンはたぶん、笑いながら落とし穴に飛び込んで行った。



覇眩惑呪文(ボコノワル)。」

呪文とともにホークの手の平の上で光の球が浮かび上がった。

ホークたちは不自由落下呪文(フワン)のお陰でゆっくりと落ちて行く。追いついたユンはゆっくりと羽ばたきながら、ホークたちのスピードに合わせはじめた。洞窟の入り口は狭かったが、この落とし穴は結構広い。4人が落ちていくのに、お互い触れずに済む広さがある。

「ねえ、ねえ、誰かあたしの頭を上にしてよー。」

両足にスカーフを巻いたままのサラだけが、頭から落ちて行く。

「だーっ! 頭に血が上るうぅ!」

サラは屈伸して何とか体勢を逆にしようと試みるが、うまくいかないようだった。しかし、ゆっくり落ちているとはいえ、サラの体勢を入れ替えてやれそうな余裕はなかった。だいたい、2個付きのサラは一番遅れて落ちてゆくのだ。ホークたちとの距離はドンドン離れて行くばかりである。

「あーあ、言わんこっちゃない。」

ホークはため息をついたが、手助けするつもりはないようだった。次第に底の方が明るくなり、熱気を帯びてきたからである。どのくらいの距離を落ちて行っているのか分からなかったが、少なく見積もっても100mは落ちて来ただろう。やがて底に赤く照らされた地面が見えてきた。

「まともに落ちてたら死んでたな。」

ドレイクがそっと呟いた。少しエンジンがかかってきたようだ。

「まあ、俺は死なねえがな。」

ユンが舌なめずりしている。

「地面に着いたら、呪符を外すよ。いいね。」

「分かってるって、少し時間を稼いでくれ、ユン。」

「心配無用だ。」

地面に着くなり、巨大な火炎が放射された。

水流放射呪文(ウォールベガ)!」

着地した地面から噴き出した水の奔流が、ドラゴンの火炎を遮断した。3人は素早く岩陰に隠れ、2人は呪符を外す。

ユンが切り込む相手はエストロの言った通りの巨大なドラゴンだった。

 落とし穴の底は、ドーム状の広い空間になっていた。ところどころに溶岩の溜りが見え、その光で中は意外に明るかった。ただ、熱が酷い。あっという間に額から汗がプツプツと零れ落ちた。

「ククク、人間が来るとは珍しい。全員まとめて食ってやるワ。」

30・・・・とまではいかないが、少なくとも全長20mはありそうな巨大なドラゴンが喋った。

「喋れるドラゴンとは驚いたな。」

3人は迂闊に動けない。溶岩に注意していたからでもあるが、迂闊に飛び出せば、ドラゴンの火炎にさらされるからだ。広いとはいえ、洞窟の中である。その自由度は低い。防御方法を持たないドレイクとユンでは、まともに戦えそうもなかった。

 赤銅色の鱗に覆われたこのドラゴンの瞳は、赤くぎらぎらと輝き、白骨のような2本の角は先が鋭く尖っていた。黒い爪は一振りで岩をも砕くだろうし、柔軟で硬い尾になぎ倒されたら、骨が折れるに違いない。

「どうした? ビビっちまったのか?」

そのドラゴンはホークたちを挑発している。

ホークが岩陰から散歩でもするように姿を現した。

「ガキは岩陰で震えてろ!!」

ドラゴンの罵声が洞窟内に鳴り響いた。

「ふーん。威勢がいいね。オイラが相手してやるよ。」

「ふん! 魔法使いは引っ込んでろ!!」

ドラゴンの鼻息は高熱を帯びていた。

「仕方ない。何のつもりか知らないけど、たぶんこういうのが見たいんだろ!」


 ガン!

落ちてきたサラが、ドレイクに衝突した。

ドレイクはサラを抱きかかえると、足の呪符を外した。サラは頭に血が上って気を失っている。

「ユン。ホーク一人で大丈夫か?」

「大丈夫だろ。卑怯者の卑怯(チート)技が出たし。」

 ユンの返事は落ち着いたものである。

ホークが使った魔法は完全複製呪文(コピロボ)という。

 ユンたちの目の前に、10人に増えたホークがいた。


 この呪文が卑怯なのは、本体と同等の複製を作れる事だった。分身の術のように、目くらましではなく、能力が半分になるでもなく、本人が複数に増えて敵を攻撃する。無敵のホークが10人いれば、その結果は火を見るより明らかである。しかも複製を作れる数はほぼ無限。ただ、この呪文にも一つ制限があり、3分しか活動できない。呪文の発動とともに、額に青い光の五芒星が浮き出、1分ごとに青から黄色、そして赤へと変わり、呪文の30秒前から点滅し、終わるとすべてが一つに戻る。仮に術の発動時に何人かが死んだとしても、ノーダメージ。そこが卑怯呪文の卑怯たる所以(ゆえん)である。


5人のホークが火球呪文(フィラ)の呪文を唱え始めた。残りの5人は防御態勢に入っている。

5人のホークの正面に、玉乗りの玉のような巨大な火球が出現した。

「お・・・おい。それをまさか・・?」

「大丈夫だよ、ドラゴンは熱には強いんでしょ。」

ホーク8が言った。

「じゃあ、オイラが冷やしてやろうか?」

「待てよ、こういう時は熱には熱で、相手の火炎を上回って勝つのが醍醐味だろ。」

ホーク7の言葉にホーク9が反論した。どうも、複製も本人とは言え、精神的に抑えがきかなくなるらしい。

 そうこう言ってる間に、火球はさらに巨大になってゆく。こいつを5発! さすがのドラゴンでもひとたまりもなかろうと思われた。実際、ドラゴンが冷や汗をかいている。

「ま、待って。頼むから。。。」

「遅いね!」

格納(ウインダム)!!!!」

 今まさに5発の巨大火球が発射されようと言う瞬間、ドラゴンがかき消すように消えた。

 そして、ホーク1~5の火球は急激にしぼんで消え去った。

「やっぱり、本気じゃなかったんですね。」

ドラゴンのいた背後の岩場から、エストロ・マーが現れた。

「ともかく、ここから出ましょう。ここは暑すぎる。」

「賛成だね。」

にっこり笑ったホークのカラー五芒星は赤く点滅し始めていた。


 前にも書いたかもしれないが、僕がこの小説を書いたのは、20年も前になる。最初の設定ではホークの傍にいる魔物はユンだけじゃなく、他にもいた。ドラゴンの幼生リーとジャッキーという魔物である。ほかにもキンポーと言うサブキャラの魔物が居た。お察しの通り、香港映画の大スターたちのお名前を

頂戴していたわけである。あれから相当月日がたち、彼らのお名前をニュースで見ることはほとんどなくなったが、僕にとってはあこがれのスターたちであった。今はほとんどのアクションシーンがCGで表現されるようになったが、あの頃は肉弾戦である。ジャッキーチェンの映画は元をただせばロイドやチャップリンの無声映画時代の影響を受けていることは周知の事実であり、今でも名画として映画史に残る存在であろう。本当に昔は彼らに憧れ、体を鍛えていたのだなあ・・・とぷっくり膨れた下っ腹を見ては感慨にふける今日この頃である。

 前のエピソードとは趣が違うが、楽しんでくれれば幸いである。

エリア火山が終われば、またしばらくは別の話を書こうと思う。この先はまたまたキャラが増えるので、備忘録が不可欠になりそうな感じだ・・。間違ったら教えてください。ではまた。

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