変わり者だから楽しい
「みんな、ミジンコみたいで、楽しい」
「急にどうしたの?」
空は晴天、ポツリとつぶやいたこの子は春風 たんぽぽ、後から突っ込みを入れた子は、たんぽぽの相棒といわれている加栗 時雨、この二人の性格はまったく似てない。
「この大学の、名前も知らない子に昨日、手紙もらった」
「あら、そうなの、内容は?」
「一言、『がんばってください』だって」
むふふと満足そうに笑いながら、手紙を白衣のポケットから出して中身を見る
ここは百夢学園 百夢数理大学、そして、二人はこの大学の生物学科二年生の学年トップクラスの成績を持つコンビだ、たんぽぽは、この学校で、授業のほかに、生物研究をしていて、生物学科では、彼女を知らない二年はいないという。
最大の謎はミジンコという微生物に研究をしているところだ、次の文化祭では、学年の代表として、研究の論文発表をすることが決まっている。
「…やっぱりここにいた」
研究室のドアを開けて、入ってきたのは、整えているのかいないのかわからない髪形の男とサングラスをかけたゆるい天然パーマの男
「空知だ、ここまでくるなんて珍しいね」
「…こいつが時雨に会いたがってる」
後ろの天然パーマを指差した空知、ああ、そういうことか
天然パーマこと、中里 光
光は時雨のことが好きなのに、告白もできないんだ。
私も同じか
「何か、用事でもあった?」
「いや?この後四人でどこかに行きたくて」
首をかしげながら、にこりと微笑んだ時雨、明らかにサングラスのしたの目が泳いでいる光
「良いわよ?たんぽぽと空知君はどうする?」
行ってもいい、けど、せっかく光が勇気を出したのに、ほんとのついていっていいのかが不安だった