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プロローグにもならない話。

 爆弾に興味を持ったきっかけは花火だった。

 ヒューと鳴る音からボンと火の花が開く。一つ一つ違った色彩を放ち、職人次第で形を変える。

 夏の夜に儚く咲く花に心を奪われた。

 将来は花火師になりたいと、小学校の作文にも書いたっけ。

 中学生になって花火を勉強する中、火薬に興味を持ちすぎたのが最終的に自分を爆弾魔に変えてしまった。

 高校生になって花火師の夢はいつの間にか忘れてた。関係なかった。

 そして、気が付いてしまったんだ。


「僕は花火なんかより、ただ単に爆発するものが好きだったんだ」


 いつの間にか国際指名手配犯だし。

 そうポツリ言いながら藤ヶ先蘭甫(ふじがさきらんぽ)は最後の手製の爆弾を足元に置いた。

 高校の外にはすでに警察官が周りを封鎖及び蘭甫を確保するために配置されている頃だろう。

 今回作った爆弾は3つ。

 嫌な記憶がある小学校を消した爆弾が一つ。

 初めての告白で問答無用でふられた場所に一つ。

 そして、今置いたのが最後。

 高校を卒業し3年間は海外の戦場で爆破活動をしていた。

 フリーランスの爆弾魔。

 すべてを粉々にする厄介者など呼ばれ、日本に逃げ戻ったら一週間で警察に捕まりそうになった。

 爆弾作りながらの逃亡生活にも疲れ果てていた。

 何故か地元の近くに来てしまったんだ。

 国際指名手配された犯罪者である僕が捕まり法廷に行けば死罪確定だろう。

 だったら。


 ―――僕は自分で死に場所を決める。


 いい思い出が多かった高校生活。

 最後の場所にはちょうど良いと思ったんだ。

 ついでに嫌な場所は先に吹き飛ばした。これが理由で潜伏場所ばれて今囲まれているんだけど。

 まあ、いくら自分で作った素晴らしい時限式爆弾が優秀でも嫌な場所と一緒は嫌だった。

 足元のは今いる教室を破壊できる性能がある。

 あとは手に持つスイッチを押すだけで爆発する。

 学生時代使っていた席に腰を掛け、ふう。と一呼吸。

 締め切った教室。

 後悔や躊躇いもなく僕はボタンを押した。

 爆弾が起動する刹那。走馬燈が見えるはずだった。

 過去形。

 何故か過去形。

 まあ死んでしまったら過去や未来なんて関係ないけれど。

 爆弾が起動する直前、教室の扉がガラッと開いたのだ。

 

 

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