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秘密
私の項には風があたらない。
だから、私は憧れる、いつだって男の子に。
昔は正義の味方に憧れた。変身ベルトで姿を変えて戦う。大切なものを守る為に。そんな姿に憧れた。
けれど、それはいけないことだった。
「女の子なんだから。」
お母さんは私に願った。お願いだから普通でいて。
私はお母さんに従った。本当はズボンを穿いて外を駆けて行きたかった。髪を短くして首をくすぐる風を感じたかった。でも、お母さんの悲しむ顔は見たくなかった。あの頃の私は正義の味方にでもなったつもりだったのだ。
伸ばした髪の毛はそろそろ腰に届くだろう。
私は何も変わる事が出来ずにいる。