愛が欲しいと泣かないで。
「残念至極って、言ってたよ。」
「死んでなくて、だろ。言いそうだし、なんとも思わないよ。」
「・・・そう。」
帰って早々になんだ。そんなこと報告する必要もないだろうに。
縛られてはいないし、特にこれといった拘束はされてない。監禁というよりは軟禁?まぁ、どちらにしろ笑えない事実だけど。
目が覚めたら次の日の夕方で、しかも自室ではなく彼女の家の彼女の部屋。
そのベッドの上。
彼女の部屋は、嫌に殺風景だ。
「もうあの人とは合わないでね。」
心底心配そうな表情を作る彼女。
もう誰とも合わせる気がないくせに何を言っているんだ、コイツは。
たぶん昨日あの友人と初めてまともに話したんだろう。話し方も変わっているけど、アイツは同類には容赦ないから。
割と隠さずに色々話したんだろ。そりゃ警戒もするだろう。
アイツはアイツで心底悪い奴というわけではない・・・と思いたい。
「・・・聞いてる?」
「聞いてるよ。」
機嫌を損ねてしまったんだろう。
眉を寄せて、肩をつかまれた。地味に痛い。
「あいつのこと考えてた?ねぇ、」
「男の嫉妬ほど醜いものはないよ。」
まぁ、女の嫉妬も醜いけど。
ねぇわたしは綺麗なものが好きなんだ。どうかわたしに君を嫌いにさせないでくれないか。
ねぇ、だから早くわたしを自由にしてくれないか。
「ダメだよ。」
「・・・。」
「真鳴、大好き。」
最愛とでも言いたそうに、目を細めた彼女。
強く肩を押されて、押し倒されてそのままキスされた。