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そうやって檻の中で喚いていなさいな。
「相変わらずキミは異常だね、安心するよ。」
「ネクロフィリアの君に言われたくはないって・・・あぁ、だから安心したんだ。」
ふふっと上品に笑うわたしの友人。
見てくれは普通の人。
しばらくそうして愉快そうに笑っていたけど、何に気がついたか眉を寄せた。
美人の睨みは怖い怖いとかなんとか言いながら。
「・・・?」
「紀市ちゃんにご執心だこと。そろそろ監禁でもするんじゃない?」
後ろを見ても、昼で人の多いこの食堂じゃその人物を見つけるのは困難だった。
「そんな犯罪起こすわけ無いだろ。」
「さてどうだろうね。自分だったら、好きな人を殺して死体にするくらいするだろうねー・・・まぁ、生きてる人好きになるんだったらパラフィリアなんて言われなんだけどね。」
彼女が言うとリアリティ全開だ。
気を紛らわせるように、コップに口付けた。
本当に怖いのはどっちだ。そう言えば、友人は人を食ったような笑み浮かべ、ゆうるりと口を開いた。
“ 恋に狂った人間の方が怖い。”
「言い得て妙だね。」
「それはそれは、どうもアリガトウ。」
とりあえず、食事中にする話でもないと思うんだ。