表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ノーハート

ノーハート外伝~佐竹のそのあと~

作者: ライン

(side中谷)

「優輝君!!優輝君!!!」

初めまして。俺は中谷優輝なかたにゆうきと申します。死にかけです。。俺の名前を読んでいるのは山峰心。俺の彼女です。しかし、だんだん俺を呼ぶ声が聞こえなくなってきて……


俺は、死にました。









(side佐竹)

「よし、今日も行くか。」

 こんにちわ。佐竹心です。私は8年前、病気で死んじゃいました。だけど、心残りがあり、幽霊として生きて(?)るの。

 この人は黒田零斗。私の彼氏。この人はノーハートと呼ばれている人の一人で感情がないの。あ、私もノーハートよ。え?心がないのにどうして幽霊になったって?その問題は気にしたら負けよ。

 さて、黒田君は今日も毎朝恒例のランニングをしてるわ。外は雪が降っていて、とってもきれい。見渡す限りの銀世界。黒田君は私のために、ここに引っ越してくれたのよ!!キャー♡

 それにしても黒田君は早いわね。幽霊の私でもついていくのが精いっぱいだわ。そして黒田君はそのままのスピードで、橋を渡り、走っていったの。

 だけど、私は止まった。橋の上に立っている人を見つけたから― 

 男の人かな~、なんだかさみしそう。

「あの~?どうしたんですか?」

え?敬語つかえんのだって?失礼ね、敬語ぐらい使えるわよ。








(side中谷)

 やっぱり死んでしまったのか。まだ朝方ってのもあるが、だれも俺にきづかない。俺は一人で橋へ向かう。俺があいつに告白した場所に。

 その橋は今日も雪が積もっていた。いつもならここで俺たちは歩いていたはずなのに―  なぜだ?なぜおれは死んでしまったんだ?もっとあいつと一緒に生きたかったのに!!!

「なんでなんだよ……畜生……。」

また、俺のそばを一人の男性が走っていく。俺に気付いたそぶりはない。ハハッしょうがないよな。死んでちゃ。

「あの~?どうしたんですか?」

えっ!?俺はとっさに声の主へ振り向く。声をかけてきたのはちょうど俺と同じ年齢ぐらいの女性が立っていた。

「俺のことがみえるんですか?」

するとその女性は微笑んだ。

「はい。私も幽霊なんで。」

その時、凍っていたおれの心はゆっくりと解け始めた―








(side佐竹)

 私はしばらくその男性と話したの。男性は中谷優輝といって高校生らしいの、その割には体系ごついでしょ!聞いたときはびっくりしたわ!!

「で、あなた、死んじゃったんだ。」

「そうなんですよ。アイツにまだ何にも言っていないのに、は~なんで死んじゃったんだろ。」

結構悩んでるように見えたけどやっぱり恋愛がらみか~。それにしても、この人私に似ている。すごく。

「まあ、死んじゃったものはしょうがないし。その子のこと待つんでしょ?」

「はい。まあもっともここに来なくちゃ意味ないんですが……。」

「会えるように祈っておくわ。じゃあね~。」

「ちょっ、ちょっと待ってください!!」

私は彼に呼び止められた。

「この時間、もう一度会ってもらえませんか?」

「ええ、いいわよ。」

私はそういって黒田君の家に向かう。それにしても、久しぶりに誰かと喋れてよかった。







(side中谷)

 ふう。それにしてもあの人かわいかったな。まあ、心ほどじゃないけど。さて、あいつ来るかな~。あの人が先に来るのかな~。

「あっ、名前聞くの忘れた。」







(side佐竹)

 次の日、今日も私は黒田君と一緒に走るわ。でも今日は中谷君と会うために。それじゃあ、行ってきますか!


 あの橋には中谷君ともう一人、誰かいるようだった。女の子らしいけど……。黒田君も止まった。どうやら、あの女の子は生きているらしい。

「何する気だろ……」

その時、その女の子が柵をよじ登った!!

「ッ!!危ない!!!!!!」

私が叫んだのと、黒田君が走り出すのはほぼ同時だった。黒田君はその女の子の後ろに立つ。

「死ぬのか?」

黒田君はいつでも冷静だ。本当にすごい人だと思う。







(side中谷)

「山峰!!!やめろ!!!」

しかし、あいつにはこの言葉が届かない。ついに、山峰は柵をよじ登った。

「待ってて……優輝君。私も行くから……。」

「やめろ!!お前まで死んでどうする!!!やめ……「死ぬのか?」

俺はさっと後ろを向く。この人は昨日会った。そう、あの人の恋人だ。

「すげえ……どこまでこの人、冷静なんだ……?」

俺は思った。この人には絶対に勝てない。と。







(side佐竹)

黒田君がいるし、自殺は未遂に終わりそうね。よかった。

「中谷君。」

「…………俺は本当に駄目ですね。あいつに何にもしてやれない。」

この気持ちは痛いほどわかる。私も黒田君に何もしてあげられなかったから……。

「…………………」

「それじゃあしょうがねえ。なら力ずくでもついてこさせるか。」

「えっ!?ちょっ!?キャア!!」

私が振り向くと黒田君が山峰さんを抱きかかえてたわ。ちょっと!?何してんの!?中谷君は!?

「………………」

だめだ、放心してる。そして黒田君は走ってきた方向を後戻りしていく。

「ああ!もう!中谷君、行くわよ!!」

「えっ!?あっ!はい!!」

私たちは黒田君の後をつけて行った。







(side中谷)

 この人はすごいな。山峰を簡単に抱き上げ、連れ去っていったぞ。横にいる人は……

「なにやってんのよ!!」

こ、こええええええええ!!!あまりの恐ろしさに口が開いちまったよ!


 で、今、俺達は誰かの家の目の前にいます。おそらくあの人の自宅なんだろうけど。

「入るわよ。」

隣にいる彼女が俺に声かける。

「わかりました。」




「……優輝……君………、私……あなたに………あえて……よか………った……。…………ありが…………とう。」

これは山峰の言葉。俺はただただ黙ってその言葉を聞いていた。かなりうれしい。俺も、お前に会えてよかったよ。

「心残りはもうない?」

声をかけてきてくれた。ああ。もう十分だ……。

「あれ?なんか体から光が……」

「成仏する時が来たようね。」

「そうですか……。あいつをよろしく頼みます。え~と、お名前なんですか?」

俺の意識が少しずつ消えていく。本当に消えるんだな。

「私は佐竹心よ。」

「それでは佐竹さん。さようなら……」

俺は再び意識を失った。だが、最後は心地よかった。佐竹さんのおかげだ。







(side佐竹)

 さて、中谷君も消えちゃったしさみしいな~。

「わかったわ。じゃあね。」

あ、ちょうどあっちも終わったみたいね。

「佐竹」

ん?なんだろう?

「やばいな。俺、山峰のことが好きかもしれないな。」

……………………………はい?






のちにこの二人は結婚することになったわ。嬉しいことなんだけどなんか黒田君の顔を見るとイライラするな~。

も・ち・ろ・ん怒ってないから……………ね?





どうも!もっさです!!ノーハート外伝~佐竹のそのあと~はどうでしたか!?とりあえず、ノーハートは外伝を合わせ、この小説がラストになる予定です!!作者としてはさみしいんですが、いずれかは終わりが来るもの。しょうがないですね。さて、この小説を読んでくれた皆様!!ご愛読、ありがとうございました!!!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ