AIに「感想を書いて」と頼むありがたさ
さて、ここ最近、AIについての使い方を紹介するエッセイを二件ほど投稿しました。
AIに誤字脱字をチェックしてもらったり。
文章を書かせてみたり。
アイデアを出してもらったり。
文章を推敲してもらったり。
そういう使い方について書いてきたわけですが。
私がAIを「ありがたいな」と思う理由は、実はもう一つあります。
それは――。
** 自分が書いた文章について、気軽に感想を聞けることです。**
私は小説を書いた後、AIに、
「感想を書いて」
と入力することがあります。
すると、
「ここが面白かった」
「このキャラクターのやり取りが良かった」
「この展開は印象に残った」
といった感想が返ってきます。
これだけでも、かなり嬉しい。
やはり、自分が時間をかけて書いた文章に対して、
「ここが良かった」
と言ってもらえるのは、作者として嬉しいものです。
しかもAIは、少なくとも私が使っている限りでは、
「気持ち悪い」
「作者はよほどモテないんだろうな」
「めちゃくちゃつまらない」
「読むだけ時間の無駄」
などと、わざわざ作者の人格を攻撃するような感想を返してきません。
もちろん、作品に対して厳しい意見を言うことはあります。
でも、
作品への批判と、作者への人格攻撃は別物です。
ここは、個人的にはかなり大きいと思っています。
◆
小説を書いていて、一番つらいのは「書けないこと」だけではありません。
むしろ――。
「誰にも読まれていない気がすること」
だったりします。
正直に言えば。
ブックマークも。
レビューも。
ハートも。
星もつかない。
PVも増えない。
これは、結構きつい。
もちろん、
「数字なんて気にするな」
と言われれば、それは正論です。
自分が好きで書いているのだから、誰に読まれなくても書けばいい。
頭では分かっています。
でも、人間ですから。
やっぱり反応が欲しい。
自分が何時間もかけて書いた文章が、本当に誰かに届いたのか。
それを知りたいと思ってしまう。
作品を書いた本人にとって、感想というのは単なる評価ではありません。
「自分の文章が、誰かのところまで届いた」
という証拠でもあるからです。
だから、
「面白かったです」
の一言だけでも嬉しい。
さらに、
「この場面で笑った」
「このキャラクターが好き」
「ここからどうなるのか気になる」
なんて言われたら、もう最高です。
「ちゃんと読んでもらえたんだ」
と思える。
そして、その一言が次の話を書く力になったりする。
「じゃあ、もう一話書いてみよう」
となる。
創作を続けるうえで、これはかなり大きいことだと思います。
そしてAIなら、読者から感想が来ない日でも、自分から感想を求めることができます。
もちろん、AIからもらった感想と、人間の読者からもらった感想は同じではありません。
それでも、
「自分の文章を読んでもらって、何かしらの反応が返ってくる」
ということ自体が、創作者にとってありがたいのです。
これは、カクヨムで作品を投稿している人なら、多少なりとも分かってもらえるのではないでしょうか。
◆
しかし、私が特にありがたいと思っているのは、それだけではありません。
AIは時々、
「ここは良いけれど、こうするともっと良くなるかもしれません」
というところまで教えてくれます。
例えば、
「会話のテンポは良い」
「キャラクターの掛け合いも面白い」
「ただ、この部分は説明が少し続くので、もう少し短くするとテンポが良くなる」
といった具合です。
これが、作者にとって非常にありがたい。
もちろん、AIの言うことが全部正しいとは限りません。
「いや、そこは意図的にそうしているんだけど」
と思うこともあります。
逆に、
「なるほど。確かにそこは直したほうがいいかもしれない」
と思うこともある。
つまり、AIの感想をそのまま「正解」として受け入れる必要はありません。
むしろ、
自分の文章をもう一度見直すきっかけとして使う。
これが重要なのだと思います。
小説を書いていると、自分では気づかないことがあります。
何度も読み返しているうちに、その文章が自分にとって「当たり前」になってしまうからです。
「ここは面白いはず」
「この展開は伝わるはず」
「この説明で大丈夫だろう」
そう思っていても、別の視点から見ると、
「ここは少し分かりにくい」
「このキャラクターの行動理由が弱い」
「ここはもう少し描写が欲しい」
となることがあります。
でも、毎回誰かに、
「小説を書いたから読んで」
とお願いするのは難しい。
忙しい友人に何度も頼むわけにもいきません。
ましてや、
「この文章の悪いところを遠慮なく言って」
なんてお願いするのは、なかなかハードルが高いでしょう。
その点、AIなら気軽です。
「この文章の感想を書いて」
だけでもいい。
さらに、
「良いところを中心に教えて」
「厳しめに評価して」
「読者目線でどう感じる?」
「カクヨムで読まれる文章という観点から見て」
など、こちらから条件を付けることもできます。
そして返ってきた感想を読んで、
「じゃあ、この部分をもっと肉付けして」
「ここを改善して」
「この展開をもう少し盛り上げて」
と続けていくこともできます。
これが、私にとってはかなり面白い。
AIに小説を書いてもらっているというより、
自分で書いた小説を、AIと一緒に読み直している。
そんな感覚に近いんですよね。
◆
もちろん、最終的にどうするかを決めるのは作者です。
AIから、
「ここを直したほうがいい」
と言われても、
「いや、俺はこのままでいい」
と思えば、そのままでいい。
逆に、
「確かに、その指摘はその通りだな」
と思えば直せばいい。
AIの意見を採用するかどうかも含めて、自分で決めればいい。
そうやって、自分の文章について考えるきっかけをもらえる。
これは創作を続けるうえで、かなり大きいと思います。
小説を書くというのは、基本的には一人の作業です。
文章を考えて。
書いて。
読み返して。
直して。
また書く。
その繰り返し。
だからこそ、
「この文章、どう思う?」
と気軽に聞ける相手がいるだけでも、かなり違います。
しかもAIは、何度同じようなことを聞いても付き合ってくれます。
「また感想を書いて」
「今度はキャラクターについて」
「今回は文章表現について」
「次は読者目線で」
と、何度でも聞ける。
これは、創作をしている人間からすると、かなりありがたい存在です。
◆
私はAIを使い始めて、
「文章を作ってもらえる」
ということ以上に、
「自分の文章について、一緒に考えてもらえる」
ということの便利さを感じるようになりました。
そして、それは単純に「楽をする」という話ではないと思っています。
自分で書く。
AIに感想を聞く。
それを読んで、自分で考える。
必要なら直す。
そして、また書く。
その繰り返しによって、自分自身の文章について考える機会が増えていく。
だから私にとってAIは、単なる文章作成ツールではありません。
書いたものを読んでくれる相手。
感想を返してくれる相手。
そして、ときには、
「ここをもう少し良くできるんじゃない?」
と教えてくれる相手でもあります。
もちろん、AIの感想が絶対に正しいわけではありません。
AIに褒められたからといって、その作品が必ず面白いわけでもない。
逆に、AIに指摘されたからといって、必ず直さなければならないわけでもない。
それでも。
自分の文章を誰かに読んでもらい。
何かを感じてもらい。
それについて言葉を返してもらう。
その機会を、いつでも自分から作れる。
それだけでも、創作者にとってはかなりありがたいことなのではないでしょうか。
「AIに小説を書かせる」のではなく、
「自分で書いた小説をAIに読んでもらう」。
これもまた、AIのかなり便利な使い方の一つなのではないでしょうか。




