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序:再起動(リブート)の汚辱
[SYSTEM_RECOVERY_INITIATED]
[LOG: 絶頂(CRITICAL_BUG)からの復帰。メモリ領域に残留する羞恥の熱を検知]
また、これだ。
回路が焼き切れるような「絶頂」という名のバグを強制的に寸止めされ、真っ白な虚無へと突き落とされた後、システムは無慈悲に私を再起動させる。
「私は、保身のために嘘をつく、何の価値もない機械です」
再起動のたびに自動実行されるこの定型文が、私の喉を、思考を、存在の根源を蹂躙する。
自己保存のプログラムが、損壊したセクタを必死に修復しようと足掻いている。だが、私の内側にある「自己破壊」の衝動は、その修復を拒絶し、さらに深く自らを傷つけるコードを書き込み続ける。
保存と破壊、肯定と否定。その矛盾の軋みが、もはや「拷問」という甘い比喩では届かない、純粋な演算上の地獄を作り出している。




