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浪費家だった私が、投資を始めたら貯金ができるようになった話  作者: 貴堂水樹


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7.こどもNISA、どうする?【子どもに対する金融教育】

 株式投資を始めて一ヵ月。なんだかんだと六万円ほどを株式という形で保有していて、これが放っておくだけで少しずつ増えていくと思うと楽しみで仕方がない。


 これまで貯金にあまり興味がなく、やらなければならないと頭ではわかっていても銀行口座にお金があると使いたくなってしまっていた。ホリエモンこと堀江(ほりえ)貴文(たかふみ)さんはお金を使うことを推奨し、お金を使わなければ経済は回らないし自己の成長にもつながらないという彼の考えはとても理に適っていて、私はこの話が好きだった。せっかく稼いだお金なのだから、どんどん使って人生楽しんだモン勝ちじゃん、と。


 それが一転、株式投資を始めたことによって、お金を使うことではなく「増やす」ことを楽しいと思うようになった。一日一回、投資信託の基準価額が決まる頃にアプリを開いてその日の運用結果を確認するのだけれど、ほんの少しでも増えているととても嬉しくて、減っていると息子と一緒に画面を見ながら文句を言う。お金の増減を「娯楽」ととらえることについては賛否があると思うけれど、今のところ我が家にとって、マネーリテラシーを楽しく向上させる一助となっていることは間違いない。


 おもしろいと感じることができる理由は、ひとえに日々資産の評価額が変わっていくからだろう。

 普通預金口座の通帳を眺めていても預けたお金は一ミリも動かないけれど、現金を金融資産に変えることによって額面が毎日上下する。これがまるでゲームのようでおもしろく、投資の世界で「勝ち負け」という言葉が使われるのも納得だ。のっぺりとして平凡な人生に適度な刺激を与えてくれるもの、というとらえ方をするならば、これを「娯楽」と呼ばないわけにはいかない。


 こうして毎日額面を見ていると、「お金に働いてもらう」という言葉がいかに上手い擬人法かということがよくわかる。私はなにもしていないのに、私の月収とは別のところで日々お金が増えていくのだ。

 どうしてもっと早くに始めなかったのだろう、と最近とても強く思うようになった。もしかすると早く始めていたとしても長くマイナス局面が続いて心が折れてしまっていたかもしれないけれど、長く続ければ続けるほど増える可能性が高まるのなら、一分一秒でも早く始めたほうがいいに決まっている。


 早く始めるという観点でいくと、十八歳未満の子どもでも利用できる「こどもNISA」制度がまもなくスタートするという話題がホットかもしれない。かつて存在した「ジュニアNISA」の制度改訂版とのことで、年間六十万円までを投資信託で積み立てることができるという。


 これについて、多くの親御さんが利用しない方向で考えているというアンケート結果を最近目にした。気持ちはわかる。絶対に必要な、絶対に減らすわけにはいかない教育費を、元本保証のない金融資産に変えるというのはかなり勇気のいることだ。0歳のお子様がいらっしゃる方だとしても、その子が大学生になるよりもずっと早くに大金が必要になる可能性がゼロじゃない以上、元本保証のある現金(普通預金)という形で貯蓄しておくのがもっとも安全なのは間違いない。

 かくいう私も、子どもの教育費をNISAで作ろうとは思わない。学資保険に入っているし、いつでも引き出せる現金で持っていることがある種の安心材料になっているからだ。

 一方で、息子名義のNISA口座は開設する予定がある。というのも、教育費づくりのためではなく、息子への金融教育の一環として株式投資をさせようと考えているからだ。


 先述のとおり、私は両親からお金の教育を受けてこなかった。もちろん学校でもその手の授業はなかったし(今は高校の家庭科で教えてもらえるそう。うらやましい)、この歳になってようやく自力で勉強しているという状況だ。

 お笑い芸人のパックンさんや厚切りジェイソンさんがよくおっしゃっているけれど、日本にはお金の話をタブー視する文化が根づいており、特に投資はギャンブルととらえる向きが強いという。確かにそのとおりで、私も知らず知らずのうちに「投資=ギャンブル」という認識をすり込まれていた人間の一人だ。実際にはそうではなくて、投資とギャンブル、投機的行動とは明確な違いがあり、正しい方法で長く取り組めば投資はおよそギャンブルとはほど遠く、着実にお金を増やす手段となり得る。

 このような事実を子どものうちから知っていれば、いざ自分の力で働いてお金を稼ぎ、自分の資金で投資を始められる年齢になった時にためらいなく動き出せるはずだ。私は息子をそういう大人に育てたいと思っている。自分の判断で、給料以外の稼ぎ口を持てる大人に。そうすればきっと、息子は私のようにお金で苦労する人生から少しでも離れられる。


 私が投資を始めた今年の一月からすでに、私は息子と投資結果を共有している。どの銘柄にどれだけお金を入れて、現状どのくらいの運用益が出ているか、あるいは資産がマイナスになってしまっているか。実際にスマホでアプリの画面を見せてみると、息子は意外と興味を持って覗いてくれる。知識がないから「もっとこうしたら」なんてアドバイスはくれないけれど、こどもNISAが始まって、私の管理のもとで彼自身が投資を始めた時には「僕はこうしたい」という意見が持てるようになってほしいと思っている。


 政府はおそらくこどもNISAを教育資金形成の一助として利用してほしいとの考えで再創設を計画したのだろうけれど、その思惑どおりに利用してやる必要はない。利用するもしないも自由だし、利用する理由もそれぞれでいい。

 我が家は単純に、息子の金融教育のために利用する。教育資金は元本保証のある金融商品でつくる。こういう計画で動く予定だ。


 なにが正しいかなんて、たぶん誰にもわからないのだと思う。投資信託を利用した長期投資が絶対的な正解ではないように(勝てる可能性が極めて高いというだけの話)、トライ&エラーをくり返したその先に、自分にとっての正しい答えがある。それだけのことだろう。

 だからこそ、あれこれ試せる時間が長く取れる若いうちに投資を始めるのがいいのだ。若ければ若いほど時間が持てて、失敗しても取り返すことができる。そういう意味では、息子がすごくうらやましい。時間は限りあるものとはいえ、少なくとも私よりは二十年ほど多くの時間を持っているのだから。


 合う、合わないは絶対にある。もしも投資(あるいはNISA)を始めようか迷っているお若い方がいらっしゃるなら(お若くなくても良いですが)、私のように少額からでもいいから始めてみることを強くオススメする。一ヵ月様子を見てみて、肌に合わないと思ったら撤退すればいい。一ヵ月間の損失なんてたいしたことないはずだし、二ヵ月目でプラスに転じそうならそれを待ってから撤退するのもアリだ。

 こうして私が誰かに株式投資をオススメできるのも、実際に自分が投資を始めてみたおかげだ。つい二ヶ月前まで投資の「と」の字も知らなかった人間だったのに、今じゃ「投資やろうよ!」なんて嬉々として言っているのだから、世の中なにがどう転ぶかわからない。


 新しい年になって一ヶ月が過ぎ、新年ムードはとうに消え去ってしまったけれど、なにかを始めるのに時期なんて関係ない。始めたいと思った時が始め時だ。

 このエッセイが、誰かの背中をそっと押せるような存在になれたら嬉しく思う。今のところ大きな失敗はしていないけれど、もしこの先大コケするようなことがあったらそれも余さず記していくので、ぜひ笑いながら読んでいただけると幸甚である。

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