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浪費家だった私が、投資を始めたら貯金ができるようになった話  作者: 貴堂水樹


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6.節約をして、投資をしよう【ひとり親家庭のジリ貧生活】

 私はこれまでの人生の中で、お金持ちだったことは一度もない。

 中学生の頃は部活に忙しくしていたためあまりお金を使う機会がなかったけれど、高校生になったら友達と遊んだり推し活をしたりととにかくお金を使いまくり、時には母に借金(おこづかいの前借りなど)をすることまで覚える始末で、この頃から私の浪費癖は染みつき始めた。お金があれば使い、なければ借りてでも使う。欲望を止められず、自制の効かない自由奔放な人生を生きていた。消費者金融などのよそからお金を借りなかったことだけが唯一の救いだった。


 しかし、好きなことには見境なくお金を注ぎ込んできた反面、実は私、生活面ではかなりの節約家である。驚かれるかもしれないが、これが事実だから笑ってほしい。


 まず自宅では、誰もいない部屋の電気は廊下も含めてすべて消す。日中も自宅にいる時には、リビングでさえ陽の光が入れば電気はつけない。窓が大きいため、カーテンを開ければ十分明るいのだ。

 給湯器の電源も、お湯を使う時以外は消したまま。唯一つけたままにしているのはお風呂場の換気扇で、これはカビ対策の必要経費として勘定している。

 エアコンはリビングにしかついておらず、真夏や真冬はなるべくエアコンを使わない生活をすべく、息子ともども夜はさっさと寝室へ引き上げるように心がけている。寝室は北側で、夏は窓を開ければ十分涼しく、冬は布団に入れば暖が取れる。これだけで電気代のいくらかは節約できているはずだ。

 息子と同じ空間で生活することも、電気代のムダを省くことにつながる。別々の部屋で生活するとそれだけ明かりが必要で、コストがかかる。大きくなってくるといつまでも母親と一緒というわけにはいかなくなるけれど、せめて小学生の今だけはこの生活スタイルを守り抜きたいと考えている。一馬力の給料で二人暮らしをしていく以上、コスト削減は最重要課題だ。


 食品を買う時も、スーパーとドラッグストアを使い分けるなど、より安く手に入る場所で買うようにしている。近所にある三つのスーパーのうち、一店はとにかく安いけれど野菜やお肉の質があまり良くなく、けれどすぐに使いきるつもりで必要最低限の数だけ買えば余らせたり腐らせたりすることはないため、私はその店舗で主に生鮮食品を調達している。牛乳やソーセージ、食パン、お菓子などはドラッグストアが安く売ってくれるので、月に何度かあるスーパーの安売りの日以外はドラッグストアで買う。

 日々の献立は、もう何年も毎週同じものを作り続けている。回鍋肉や麻婆豆腐などの調理に手間と時間がかからないもの、カレーなどの作り置きができるもの、出来合いのハンバーグや冷凍餃子などの焼くだけ、電子レンジでチンするだけといったもの。これらはフルタイムの仕事から帰ったあと、腹ペコ小学生をなるべく待たせず夕食の時間にするために必然的に選ばれたメニューで、かつ食材の価格の低いものばかりだ。あとはこれらに味噌汁やサラダ、納豆などをつけるだけ。あれこれこだわった料理を食べさせてあげられるほど時間もお金も余裕のない我が家だけれど、息子にとってはもはやこれがスタンダード。文句の一つも言わずに食べてくれるからありがたい。

 ちなみに、出来合いのハンバーグや冷凍餃子がメニューにラインナップされているのは、私が作るよりも誰かが作ってくれたもののほうがおいしいからである。それ以上でもそれ以下でもない。回鍋肉も麻婆豆腐も、味の素のクックドゥシリーズを利用している。いつもありがとうございます。


 以上のような節約の取り組みは誰に習ったわけでもなく、私が私のために始めた習慣だった。好き放題にお金を使いたがるくせに、光熱費などのことはもったいないと思ってしまうのはなぜなのだろうと自分でも不思議に思う。

 たぶんだけれど、実家がそこかしこの電気を全部つけっぱなしにする家で、子どもの頃からもったいないなと内心思いながら暮らしていたからだろう。小学校で地球環境の勉強をするたびに、私の家は環境破壊に手を貸しているなと思ったものだ。

 そんな感情が土台となり、社会人になって一人暮らしを始めてからはとにかく電気・ガス・水道の無駄づかいはしないように心がけた。食品も、冷蔵庫の中でいつまでも眠るようなものはできるだけ買わないように、家族ができる前から使い切りを意識して買うようにしていた。実家の冷蔵庫はいつもよくわからないものでパンパンだった。たぶん、今でも。


 実際、こうして光熱費や食費を節約することでどれだけのお金が浮いているかはわからない。けれど、毎月の手取りが二十万円強、強いインフレ時代という中で、ひとりで子どもを育てている私の手もとに自由に使えるお金が残るわけだから、それなりの効果があることはなんとなく想像がつく。ちなみに今日も息子とラーメンを食べに行ってきた。そのお金、節約できたよね、と食べ終わってから思うのであるが、ラの魅力には叶わない。一つ百五十円のカップラーメンは我が家の土日のランチの定番だ。


 そんなわけで、私は無理して節約しているわけではなく、半分趣味のような格好で動いているクチだ。いかに日用品や食料品の買い物を安く済ませるか、ピタゴラスイッチのような工夫を絶えずおこなっている。

 私にとってはそれが楽しいから続いているのであって、この手のことは苦手な人はとことん苦手だろう。


 でも、考えてみてほしい。一本百八十円のペットボトルのコーラを我慢すれば、ずっと欲しいと思っていたポケモンカードが一パック買えるのだ。一袋四百円する高級バナナを一袋二百円のバナナに変えれば、子どもに二百円分のお菓子を買ってあげられる。

 要は、どうしても欲しいものと、そうでないものとを天秤にかける癖をつければいいのだ。重要度、緊急度の高いものにはしっかりとお金をかけ、今すぐ必要ではないものは買わない。そうやって選別しながらスーパーやドラッグストアを練り歩くと、知らないうちに財布にお金が残っているのだ。私の場合、そうして残ったお金で好き放題買い物をしてしまっていたのだから、まったく説得力がないのだけれど。


 なぜこのような話を書こうと思ったかというと、まるで同じ内容のことがお笑い芸人・厚切りジェイソンさんの著書『ジェイソン流 お金の増やし方』に掲載されていたからだ。

 厚切りジェイソンさんが日本人に投資を勧めていることはなにかのテレビ番組で見て知っていて、たまたま図書館で見かけたから手に取った。そうしたら、びっくりである。彼のようなビッグスターであっても、日々お金の節約に情熱を注いでいると書かれていたのだから。


 厚切りジェイソンさんだけではない。ビジネス映像メディア「PIVOT」のYouTubeチャンネルに投稿されている『マネースキルセット』という番組で、こちらもお笑い芸人のパックンことパトリック・ハーランさんが「スタバに行くお金があるなら節約して投資に回せ」とおっしゃっていた。彼がハーバード大学出身というのはあまりにも有名な話だけれど、生家は母子家庭で、幼少期にはかなりお金に困っていたというから驚きだ。

 だからこそ、そんな出自の彼が放つ「投資で一財産築いた」という言葉は重い。節約も投資も強い忍耐力が必要で、しかし本気で取り組めばちゃんと成果が出せることを彼は身をもって証明しているのだ。その背中を追いかけない、という選択などできるはずもない。私はこれからも日々の節約を心がけ、できるだけ多くのお金を投資に回せるようにしていきたい。


 塵も積もれば山となる。

 勉強だって、スポーツだってそうだろう。少しずつでもやっていけば、その小さな積み重ねがいつか大輪の花を咲かせる日が必ず来る。


 二十年という年月はとてつもなく長いわけではない。私はもう三十年以上生きていて、振り返れば一瞬のできごとであったようにさえ思える。

 たまには息抜きに贅沢をしながら、普段は淡々とタスクをこなしていけばいい。

 そのタスクの一つに「節約」を追加するだけで、ほんの少しかもしれないけれど、未来は確実に良い方へと進むのだから。

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