第57話 クリスとジャック
クリスは糸能力を使って雑居ビルの上部に強力な蜘蛛糸を飛ばす。
そのまま糸を使って弾むように壁面を上部に向かって登っていく。
各階で窓から内部を探り、行方不明者を探していく。
屋上についたところで2体のスケルトンの強襲を受けるが強靭な蜘蛛糸を瞬時に2体に向けて展開して、糸を何重にも巻きつけ動きを拘束したまま屋上から蹴り落とした。
顔あげるとホールの外周沿いに雑居ビルが見渡す限り広がる。
ホールの外周沿いのブロック分だけと考えてもビルの数は3桁に上りそうだ。
これを一本一本見ていくのは骨が折れるな、と一瞬クリスは気持ちが折れそうになった。
ジョイスの顔が思い浮かぶ。こんな自分をしっかり評価して前を向かせてくれる彼女に報いたい。
マッカラーズ少佐は米軍内でも一目を置かれる存在だが、自身が少佐の下に配属されてその評判の正しさが良くわかった。
彼女のリーダシップと聡明さ、そしてその正義と彼女自身の強さは必ず彼女を米軍全体のトップに押し上げるだろう。その時に自分も彼女の配下で少佐を支え続けたい。
そのためにはこのミッションを必ずや成功させなくてはいけない。
そしていつの日か自分の存在を認めてもらうのだ。
クリスは力が湧いてくるのを感じた。隣のビルに狙いを定めると勢いよく糸を出して飛び上がった。
ボス討伐のため外周沿いに対岸を目指して向かったジョイスを見送ると、ジャックはホールと向き合う。
ジョイスの毒煙が晴れてから早速大量のアンデッドが湧き上がってきていた。
数に際限はなく地獄の穴から湧き出るが如くにワラワラとホールから特忌区域の外に向かうべくジャックが占領する大通りに傾れ込んでくる。
バウンドレス・バレッズ。
ジャック・クランシー少尉はその異名をとる。
粗暴で口が悪く周囲と軋轢を生むことが多かったジャックだったが、米軍におけるその適応者の戦闘能力としては一定の評価を得ていた。
それは彼が持つ非常に特殊な恩恵能力のおかげだ。
その恩恵はバウドレス・バレッズ。つまり『無限で限りが無い』『弾丸』と呼ばれる恩恵を持っていた。
ジャックは戦闘において大量の銃火器を使う。
拳銃、マシンガン、ロケットランチャー、火炎放射器、どのような形状性質でも他者を攻撃するための兵器において、使用する消耗品である弾薬、火炎などのあらゆる「タマ」は彼が使用すると無限になり減ることがなかった。
また、その威力も恩恵により強化がされる。
まさに無限の人間兵器庫と化すのだった。ジャックは通序の軍事部隊との相性もよく、数多の戦場、作戦でジャックの存在は重宝されていた。
ジャックは背中に背負った巨大なバックパックを地面に下ろす。
恐ろしく重量感のある音が鈍く地面を振動させる。
ジャックは首を鳴らしながら、バックパックから銃火器を取り出す。
背中にロケットランチャーと火炎放射器。首に汎用機関銃を2丁ぶら下げた。
前を向くとすでにすんでのところまでスケルトンの集団が迫っていた。
「そんなに焦るなよ!今、ど熱いやつをぶち込んでやるよ!」
ジャックはバックパックから特殊開発された巨大なガドリング砲を両手で担ぎ出す。腰を落として、戦闘機に組み込まれるような30ミリの特大弾薬の特殊ガドリング砲を構えた。
「踊り狂いな!!!パーティーの始まりだぜ!!!ヒャッハーッッ!!!」
奇声上げたジャックはガドリング砲から尽きる事のない弾丸の掃射をした。
大通り一体を埋め尽くそうとしていたアンデッドたちが巨大な弾丸により右に左に踊るように弾け飛ぶ。
バラバラになったスケルトンの骨やゾンビやらの肉片が辺りを埋め尽くしていく。
弾け飛んだアンデッドだったものたちがジャックの頭上から雨のように降る。
ジャックは全身を外敵の破片を浴びながらドロドロになりながらもなお、奇声をあげて片手でロケットランチャーを取り出して派手に打ち込む。
大きな衝撃と共に通りに面したビルがロケットランチャーによって外壁が崩れる。
さらに興奮したジャックが火炎放射やガドリングを往来に乱射する。
大通りはさながら空爆を受けた市街地の廃墟の様相を帯びた。
やがて半壊したビルが自重に耐え切れずゆっくりとホールに向けて倒壊し、大きな倒壊音と粉塵が立ち上る。そこにジャックの奇声と機関銃の音がこだまする。
「ヒャッハーーー!!オメェら、全部、ぶっ壊してやるよーー!!」
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