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愛しの彼女は地味で大人しいのに  作者: バネ屋
1章 カノジョの魅力を知ったら
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#07 サチコとシステムメッセージ




 お姉ちゃんの名前は、井上サチコ。


 俺たちの2個上で、高校1年。

 ワラシと同じように小学校から同じだったから、昔からの知り合いではある。


 小学校の頃から中学までは、ワラシやお母さんと一緒で、前髪パッツンのオカッパだったけど、高校生の今は伸ばしているようだ。

 因みに、ワラシと違っておっぱいは大きくない。


 性格も、大人しいワラシと違って、活発でひょうきんで遠慮が無い。

 男女問わず誰に対してもグイグイというか、ズカズカと迫ってくるイメージがあるな。




「ちょっとお姉ちゃん!部屋入って来ないでよ!いまケンピくんとお喋りしてるんだから邪魔しないでよ!」


「いーじゃんいーじゃん、お姉ちゃんもお喋りに混ぜてよ。 で、フミコたちいつから付き合ってんの?どっちから告白したの?もうチュウした?」


 あ、今思えば、ワラシが二人っきりになった時のよく喋る姿って、普段のお姉ちゃんにちょっと似てる気がする。


「しかし地味なフミコにカレシ出来るなんて今世紀最大の事件だわ!やっぱそのデカいおっぱいで迫ったの?フミコおっぱいデカいもんね。ケンピくんもう揉んだ?まだなら揉んでもいいよフミコのおっぱい。お姉ちゃんが許可する」



 お姉ちゃんも人のこと言えないくらいシモネタだし。


 そしてワラシは、モジモジと自分の髪をいじりながらコチラをチラ見して


「ケンピくん、おっぱい揉みたいの?」


「え?いいの?」


 思わず聞き返してしまった。



「うわ!じょーだんだったのに二人とも真に受けてんの!中2のクセにマセガキじゃん!ママに言ってきちゃお!フミコたち2階でこっそりチチくりあってたって!」



 お姉ちゃん、クソうぜぇ!

 このウザさ、宮森さんを遥かに上回るな。



「もうウッサイ!出てけ!」


 怒ったワラシがクッションでお姉ちゃんをボコスカ殴り出した。


 いいぞもっとヤレ


「ちょ、じょーだんじゃん!そんなに怒んないでよフミコ!」


「ウッサイ!出てけ出てけ出てけ!」


 今度はお相撲さんみたいに両手でドスドス押し出し始めた。


 ようやくお姉ちゃんを部屋から追い出してバン!って扉を閉めたワラシ山関は「ふぅ」と息を吐いてヤレヤレってジェスチャーしてる。



「ワラシ、お姉ちゃん相手だと全然遠慮せずに強気なんだな」


「だってぇ、すっごいムカついたんだもん!」



 さて邪魔者居なくなったし一息つこうかって思った瞬間、再び扉がガラっと開いて「避妊はちゃんとするんだゾ☆」ってウインクしながらお姉ちゃんが一言言って扉バン!って閉めて逃げて行った。



 サチコ、マジうぜぇ




 ようやく二人きりになったのだが、お姉ちゃんが「おっぱい揉む」とか「避妊」とか色々厄介なワードを残していったせいで、微妙な空気になるかと思いきや、流石ワラシ、何事も無かったかの様に「ケンピくん、髪長い方が好きなの?」とお姉ちゃんが来る前に話していたヘアスタイルの話題に強引に引き戻した。


「え? まぁそうだな。 髪伸ばしたワラシを見てみたいって思うな」


「じゃあ伸ばす!もう座敷童みたいって言われない様に伸ばします!」


「お、遂にオカッパ卒業の決心したか、ガンバレ」


 そう言って、またワラシの頭をナデナデすると、ワラシは「ぐふふふ」と嬉しそうな顔をした。



「そういえばワラシ、教室と違って俺と居る時は凄いお喋りなの、家とかでもそうなんだな。 お喋りの方のが普通だったのか」


「ううう、遂に私の秘密がバレましたか。流石ケンピくん、鋭いですね」


「いや、鋭くなくても普通に分かるだろ」


「――ケンピハ、スキルドウサツリョクノレベルガ2ニアガッタ――」


 え?なに言い出してんのコイツ


「何今の?新しいギャグ?」


「――ワタシハシステムメッセージ。ソノシツモンニハオコタエデキマセン―—」


 目を瞑ってシステムメッセージになりきっているワラシ。

 ウケ狙ってるのだろうか。

 いきなりのワラシギャグ、難しすぎて笑いドコロが分からないぞ。


「――ケンピノコウカンドガ10アガッタ。ケンピハアラタナスキル”アタマナデナデ”ヲシュトクシタ―—」


「ん?頭撫でて欲しいのか?」


 システムメッセージになりきっているはずのワラシは片目を開け、俺と目が合うと黙って頷いた。


 再びワラシの頭をナデナデしてあげると、目を瞑ったまま「ぐふふふ」と口元が緩んだ。


「因みに、ハグのスキルは後どれくらいで覚えられるの?」


「―—スキル”ハグ”ノシュトクニハ、コウカンドガアト10ヒツヨウデス―—」


「じゃあキスは?」


「ぶほっ」と噴出したワラシは顔が真っ赤になり


「――ソノシツモンニハオコタエデキマセン―—」と言うと寝転んだまま床に顔を突っ伏して「ううう、ケンピくん大胆すぎ~~!絶対中身オンナたらしのイケメンだよ~~!」と言って足をバタバタさせた。


「ワラシ、自分がシモネタ言うのは平気なクセして、ちょっと俺が恋人っぽいこと言うと大げさなくらい照れるんだな」


「だってぇ~」


 ふむ

 ワラシのそういうところ、可愛いな。

 これも恋人フィルターだろうか。


 俺みたいなブサイクをイケメンって言うワラシも、相当なフィルターがかかってそうだけどな。







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