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愛しの彼女は地味で大人しいのに  作者: バネ屋
3章 中2の夏休み
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#56 夏休みの終わりに


 俺んちの庭でバーベキューをした日から、バッキーもよく遊びに来るようになった。

 これはもう既にグループと言えよう。


 まだまだお互い気を使ったり遠慮したりすることもあるけど、もう大丈夫だと思う。


 バッキーはよく笑うようになったし、俺も陸上部の頃の思い出なんかも話せるようになった。

 そういう意味では、これで本当に陸上部退部事件からの負の呪縛から解放されたのかもしれない。 バッキーに同情して仲直りしたつもりが、俺自身の為にもなってたんだな。






 夏休み後半、八田さんも無事に宿題を全て終了させて、俺達は遊びまくっていた。


 そして今日は夏休み最終日の8月31日。

 もう何回目かのプールに来ている。

 もちろん言い出しっぺは八田さんだ。


「ふふふん、水着の可愛い女の子3人に囲まれて、ケンピくんも嬉しいでしょ?」


「いや、もう見飽きたね。特に八田さんおっぱい小さいし。ワラシとバッキーは何度見ても見飽きないけどな」


「おっぱい大好きケンピくんのオスの血が騒いで既にビチョビチョ」


「ビチョビチョなのはプールで泳いだからじゃないの?」


「ぐぬぬぬ、バッキーの天然ツッコミちょっと厄介」


「もうこうなったら超際どいビキニにしようかな?そしたらケンピくんも私の魅力にメロメロ間違いないよね」


「シズカちゃん。今からビキニ買っても今日で夏休み終わりだからね? どこでビキニ着るつもりなの?」


「アキちゃん、そこで冷静に現実に引き戻すの止めて。今日で最後なの忘れたくて遊びにきてるのに」




 そう

 今までツッコミは八田さん一人だったのが、バッキーが加わったことでツッコミが増えたのだ。

 元々、チヤホヤされたい系美少女だからな。

 天然装うのなんてお手の物なんだろう。

 バッキーの天然ツッコミは、中々の切れ味だ。







 美人で優等生で人気者の八田さん

 かつては陸上部人気ナンバー1マネージャーだったバッキー

 オカッパ頭を卒業した地味子で愛しの彼女のワラシ

 そしてブサイクがチャームポイントのケンピこと俺。


 ブサイクで女子と縁が無かった俺が、気づけば可愛くて面白い女の子たちに囲まれていた。

 1年の頃から考えると、ホント信じられない状況だ。


 ワラシは相変わらず可愛くて一緒に居ると幸せいっぱいな気分になれるし、八田さんとバッキーも面白くてお喋りしてても楽しくて、明日からの学校も楽しくなりそうだな。








 こうして俺の中学2年の夏休みは終わった。


 本当に色々なことがあった夏休みだった。



 八田さんの告白事件から始まって、キャンプでバッキーの現状を改めて知って、バッキーと仲直りする為に真中や宮森さんと相談して、バーベキュー企画してバッキー呼んでバッキーにバッキーっていうあだ名付けて、バッキーからの謝罪があって本当の仲直りができて、4人で集まる様になっていっぱい遊んで。


 そういえば、初めてキスもしたな。

 中々2人きりになれないから、キスするチャンスは少ないけど。




 プールからの自転車での帰り道。

 八田さんとバッキーと別れた後、ワラシを家まで送るのに二人で並んで帰った。


 ワラシの家に到着すると、自転車を停めたワラシが俺に抱き着く。


「ようやく二人になれた」


「そうだな」と返事して、ワラシの唇にちゅっとキスする。


「ぐふふふ。今日もイケメンキスはんぱない」


「ワラシの顔、間近で見てるとついついキスしたくなっちゃう」


「私も」と言って、ワラシからもちゅっとキスしてくれる。



 もうお互いキスするのに恥ずかしがったりしない。

 積極的にちゅっちゅちゅっちゅとしてしまうのだ。



 ブサイクと地味子のイチャイチャっぷりは、他人から見たらドン引きされるだろうが、いま俺達は最高に幸せだ。








 





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