#19 千葉襲来
この日はワラシと石垣の3人で帰ってテスト勉強しようって話してて、HRが終わり先にワラシが教室を出て行ったので石垣と一緒に俺も教室を出ようとしたら、もっとも会いたくない女、千葉アキが教室の入り口に立って居た。
うわぁって思って目を合わせない様にして別の入り口から出ようとすると、後ろから誰かに腕を掴まれた。
誰だよ!って思ってそいつを見ると、宮森さんだった。
「帰るから腕離して」
「少しだけ話聞いてよ」
「いま人待たせてるから無理」
「ちょっとだけだから。アキちゃんの話聞いて欲しいの」
「もっと無理。千葉の話題はNGだって言ったはずだ」
そう言って強引に宮森さんの腕を振りほどいて教室を出た。
石垣が廊下で待っててくれて「あの女が居るってことは例の件?」と千葉の方をチラチラ見ながら聞いて来た。
石垣や真中には1年の時の陸上部を退部した時のことは全て話してあって、二人とも俺と同じように千葉アキや陸上部の連中を嫌っていた。
歩きながら石垣と話す。
「多分な。 どうも宮森さんと千葉が知り合いみたいで、今朝から急に千葉の話題振って来るようになったんだよ。全部無視してたら本人来やがった」
「うわー、マジでなんなのあの女。まだ何か言って来るつもりなんかな」
「知らん。知りたくも無い。兎に角無視に限る」
「そうだな。関わってもロクなことないな」
「それよりワラシ待たせてるから急ごうぜ」
「おう」
折角お昼時間にワラシに癒してもらったのに、また胸糞悪くなった。
校門へ行くと、ワラシが待っててくれて、自分の髪を摘まんでモジモジしていた。
やっぱり癒される。
ワラシ見てると嫌なことも忘れられる。
ワラシと合流して3人で帰り道を歩いていると、石垣が話し出した。
「そういえば、確か真中があの女と同じクラスだったんじゃないかな」
「へぇそうなんだ。それ最悪だな」
「まぁな。でもケンピと違って真中は特に何もされてないんじゃない?」
「そうか。真中モテるし、扱いも俺とは違うか。あいつら平気で顔で差別するしな」
「どうしたの?何かあったの?」
俺たちの会話の内容を不思議に思ったのか、ワラシが質問してきた。
う~ん、ワラシに千葉とか陸上部のこととか言うべきじゃないよな
と考えてたら、石垣が普通に話しやがった。
「さっきワラシが先に教室出たあと、ケンピが女子に捕まってたんだよ」
「おい石垣、ワラシに言うな」
「え?え?女子?ケンピくんトラブルにでも巻き込まれてるの?女性問題発覚?まさかの二股疑惑?」
「ほら見ろ、ワラシに心配かけたく無かったのに」
「あ、スマン。ついワラシなら大丈夫だと思って言っちまった」
今更隠すと余計心配かけると思って、ワラシには後でちゃんと話すと約束した。
ワラシの家に着くとそのまま3人でお店にお邪魔して、テーブル席を借りて3人で勉強を始める。
お母さんが飲み物を聞いてくれたので、コーラをバニラアイス抜きでお願いして、お父さんがまたホットケーキを焼こうとしたのでワラシに全力で止めて貰った。
それでもコーヒーゼリーは出て来たが。
宿題のプリントを3人とも終えると先ほど約束してた、陸上部での一連の出来事と、俺が千葉アキを嫌ってて避けている事、宮森さんが千葉の知り合いの様で宮森さんを通じて急に俺と接触しようとしているらしいことを説明した。
「それでさっき教室出ようとしたら千葉が入口に立ってて、更に宮森さんに腕掴まれて千葉の話聞いてくれっていうから、強引に振りほどいて逃げて来たんだよ」
「私のケンピくんに手を出す糞ビッチが宮森さんだけじゃなくて他にも居るんだね。その糞ビッチ2号万死に値するよ。直ぐにでも呪いの対象にするべきだよね。どんな呪いで嫌がらせしようかしら?鼻毛の成長する速度が通常の3倍になる呪いとかどう?絶対その糞ビッチ2号自分のこと可愛いとか思ってるから鼻毛ボーボーに伸びたら可愛い顔も台無しになるだろうし。そうなったら鼻毛用のハサミをプレゼントしてあげようか。みんなの前で「アナタ鼻毛出てるよ。コレ使って鼻毛手入れしてね」って。そしたら登校拒否レベルのダメージ与えられるよね。後でそういう呪いがないか調べてみるね」
俺の話を聞いたワラシが、いつもの様に物騒なことを考え始めた。
あ、いつもだったらウンチネタか。
今日は趣向を変えたらしい。
しかし、俺が悔しい思いをした事件にワラシも一緒に怒ってくれてるみたいで、ちょっと嬉しかった。「やっぱワラシはあいつらと違って俺の味方になってくれるんだな」って。 それにワラシが怒っている様子がいつものワラシらしくて、そのこともなんだかほっこりさせられた。
因みに、ワラシのそんな様子を見た石垣は「ワラシって怒るとこんなキャラなの? 早口で怒るのすげぇ怖いんだけど」とビビッていた。




