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愛しの彼女は地味で大人しいのに  作者: バネ屋
1章 カノジョの魅力を知ったら
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#01 ワラシとケンピ




 名前は、井上フミコ。


 黒髪で前髪パッツンでワカメちゃんみたいなオカッパ。 背は小さくて肌は色白でソバカス顔の見るからに大人しそうな容姿だ。


 普段からオドオドとキョドってて喋る時はボソボソと小さい声で話すもんで、授業中とかよく男性教師とかに「もっと元気に喋れぇ!」とか注意されては、更に委縮しちゃうような典型的な地味な女子。


 俺とは小学校から同じで、昔から座敷童みたいだったから、みんなから”ワラシ”って呼ばれてて、俺もそう呼んでる。



 因みに、俺は周りの友達からは”ケンピ”って呼ばれてる。


 小学校の時に遠足で、おやつに芋ケンピを袋ごと持って行ったらケンピってあだ名付けられて以来、中2の今でもそう呼ばれている。



 で、ワラシの話なんだけど。


 今、学校帰りにワラシとファーストフードで二人きり。

 いつも教室じゃオドオドしてるのに、いま目の前で俺に向かってツバ飛ばしながらマシンガントークしてるんだけど。

 ワラシがこんなに喋るの、初めて見たぞ。


「この主人公の凄い所はいつでもドコでもパンツ一枚になってセックスアピールするところだと思うんですよわたしは。しかも瞬時におちんちんモッコリさせて強者であることを誇らしげに主張するところなんて流石主人公ですよね。ヒロインもそんな主人公にメロメロじゃないですか、いやホントまじで。こんなの見せつけられたらどんな女性だってキュンキュンしちゃうしもう濡れ濡れ間違いないですよ。ケンピくんもそう思いますよね?わたしなんて読んでてパンツびしょびしょになって大変でしたから。これからは学校に替えの下着持ってこないとって反省しましたよ。今日だってすでに2枚目ですよ。ぐふふふふ」


 滅茶苦茶シモネタなんだけど。


「へぇ、大変そうだな・・・・」


「そうなんですよ大変なんですよ。すぐ下着びしょびしょになるからいっそのことオムツとかのが良いんじゃないかって思ったりもしたんですが、流石に体育の時にオムツだと周りのみんなにバレちゃうでしょ?だから断腸の思いで断念したんですよオムツ。せっかく「これで授業中でもウンチもおしっこもし放題!」って新たな扉開けるつもりだったのにホント残念で仕方ないです」


「ワラシ、如何にオムツが万能でもウンチしたら臭いでバレると思うぞ」


「そういえばウンチと言えば、昨日夕食でコーンがたっぷりの野菜サラダ食べたら、今朝のウンチにコーンがそのままいっぱい入ってました。コーンって消化されないんですね、中々興味深いウンチでしたよ。ケンピくんも興味あります?写メ撮ったんで見ますか?私の今朝のウンチ」


「いや、いい。遠慮しとく」


「そうですか、それは残念です。ところでケンピくんのウンチって硬い派ですか?柔らかい派ですか?私は――――――」


 さっきからずっとこんな調子で一人で喋りっぱなしなんだけど、表情はちょっと緊張してるのか固い表情のまま口だけよく動いてる。



 そもそも何で俺がワラシとファーストフードに来てるかっていうと、今日学校に登校して席に座ったら、机に手紙が入ってたんだよ。


 今時手紙とか珍しいな、でも遂に俺にもラブレターか!?って思いながら内容確認したら、放課後大事な話があるからドコドコへ来てくれって書いてあって、そんで行ったら、ワラシが居て告られて、俺モテたこととか無いけどカノジョはやっぱり欲しいし、ワラシは昔からの知り合いで女子の中では慣れてる子だから緊張とかしない相手だし、髪型変だけどブサイクってほどじゃないし、むしろ10年に1度くらいのチャンスなんじゃね?とか考えてOKしたら、早速放課後デートしようってことになって、んでファーストフード来たの。



 最初は、中2で初めてのカノジョと放課後デートとか遂に俺もリア充じゃん!ってテンション高かったけど、ワラシに「普段何してるの?いつも本読んでるっぽいけど読書が好きなの?」って聞いたら、好きな本の話から何故かシモネタになって、今はコーン入りのウンチの話。


 ワラシがこんなに喋るのもビックリだけど、こんなに下品なヤツだとは思わなかったぞ。

 ワラシのトークの調子が上がるのと反比例して、俺のテンションが急降下してるんだけど、ワラシは俺の様子に気付いてくれず、マシンガントークが止まらない。






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