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下校
あまりに急の出来事に愛莉は言葉が少し乱暴になってしまった。
…そうして二人は学校を出た。 今までにないぐらいのスピードで自転車をこいだ。しばらく走っていたら、突然萌花が自転車を降りた。
「え、どうしたの?」
不思議に思って愛莉も自転車を降りた。
「自転車の使い方が分からない…」
「え⁉」
確かに自転車の乗り方を忘れているらしい。再び乗りなおそうとしているが中々に苦戦している。愛莉は自分と萌花の自転車を路肩に寄せた。
「とりあえず歩いていこう。家どっち?」
愛莉に訊かれて萌花は道案内を始めた。
「そこの曲がり角を右に曲がって、次は…」
急に萌花が悩ましげな顔になった。今度は言われなくても愛莉は分かった。萌花は自分の家への道順を忘れた。しかし、愛莉は萌花を不安にさせないように自分の不安な気持ちを心の隅に押しやってできるだけ明るくするように努めた。
「じゃあ一緒に家探そっか。近くに行ったら思い出すかもしれないし」
萌花は黙って頷いたとりあえず二人は、先程萌花が示した曲がり角へと向かった。
「でもここからどうしようか…」