事実
____翌朝
昨日の約束通り萌花が家に来た。昨日の再発の可能性があるというニュースを聞いた後だと、なんだか萌花の顔を直視することが出来なかった。それでも愛莉はいつも通りふるまうこと意識した。しかし萌花はそんな愛莉の様子がおかしいことに気が付いたらしく、こんなことを訊いてきた。
「愛莉ちゃん、どうしたの?なんかいつもよりよそよそしいけど」
「え、そう?そんなことないけど…」
そう答えながらも、どうしようもない後ろめたさ(?)に囚われていた。
「何かあるなら話して?お互い隠し事はやめようよ」
いっそのこともう全て話してしまおうかと思った。しかしこんなこと話したらどんな反応されるか…萌花のためにも話した方がいいのか、話さない方がいいのか愛莉は心の中で強い葛藤が沸き起こっていた。だが、愛莉は心に決めた。さっき萌花が言っていた通り、お互いに隠し事をするのは嫌だ。どんな反応をされようと、萌花のためにも今ここで話してしまおう。そしてついに愛莉は話し始めた。
「ごめん、萌花ちゃん。実は昨日ね…」
愛莉は昨日テレビで知ったことを事細かに、慎重に言葉を選びながら話した。愛莉が話終えたころ、驚くべきことに萌花は特に大きな反応を見せなかった。