表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
年末年始なんて滅んでしまえ!  作者: いろはにほへと
1/4

1

年末大掃除に嫌気が差して、逃避して書きました……



その日、私は荒れていた。


もう31日だというのにまだ大掃除が終わらない。

家の外側の窓や庭は11月にやったから今回は良しにして、駐車場の高圧洗浄掛けは12月の半ばには終わりにした。

いつものごとく戸棚や引き出しを開けるたびに「汚いな…」とボソッと旦那が呟くから、その都度片付けて、家の中はそこそこ整っている。今年はコロナで旦那が中途退社して家に居たもんだから大変だった。姑か!っと何度心の声が出そうになった事か…


だから今年は楽勝!と楽観視していたのが悪かった。

大きい所は終ったから、毎年手付かずで諦めていた所をやろうとしたのもいけなかったかもしれない。


終わらない……


うちは旦那の実家も変わっていて「大掃除なんていつも綺麗にしていたら必要ない。」

という家だったから、当然旦那は大掃除はしない。つられて子供たちもしない。

でもさ〜家中の窓を拭くとか、駐車場のコンクリートに高圧洗浄かけるとか、フローリングにワックス塗るとか、普段の掃除でする?しかも私も働いてるんですけど?(パートだけどね…)



極め付け、連日の大掃除でヘトヘトになりながらも部屋を片付けていた私に


「ママ〜 お腹減った。ご飯は〜?」


と部屋でスマホ見ながらゲラゲラ笑っていた娘の言葉に、『ブチッ』と何かが切れてしまったのは仕方がないと思う。


「はい、これでも食べてて」


と言ってにっこり赤いきつ○を差し出すと、足音もさせずに自室に飛び込み、祖母から貰った古い鏡を取り出して「開け!へそ!」と呪文を唱える。

すると私の体はたちまち鏡に吸い込まれていった。




* * * * * * * *




目を開けると、予定通り目の前には鬱蒼とした黒い森が広がっている。

私が暮らしている日本とは違う次元の世界。いわゆる異世界の魔獣蔓延る魔の森、一般人はまず立ち入らない場所だ。


取り敢えずマジックバックに入れておいたこの世界の服を取り出して着替える。

そして、「召喚!デスナイト!」

召喚魔術で愛鎌デスナイトを呼び出し装備。漆黒の刀身に星の輝きが散りばめられていて、いつ見ても美しい。



「さぁ、行くわよ!この鬱憤、晴らさでおくものか〜!!」

愛鎌に告げると、身体強化を掛けて魔の森に飛び出した。



魔の森に入ると、早速キングマウスの群れが襲ってきた。名前の通りでっかいネズミだ。但し体調が1mを超える。岩をも砕く強靭な前歯で家畜や人を群れで襲う害獣だ。


「ファイヤーストーム!」


躊躇なく上級火魔法をぶっ放し、漏れたやつはデスナイトで真っ二つにしていく。


「ネズミ如き! 私に歯向かうなど片腹痛いわ! 次!」


次に出てきたのは5m超えのスネークスネーク。猛毒の息としっぽの先の毒針が厄介な相手だ。普通の冒険者ならば…


「ファイヤーストーム!ウインドストーム!」


右手で火魔法、左手で風のこれまた上級魔法を放ち、より合わせて火を纏った暴風を叩きつける。毒の霧を出す間も無く消し炭になった大蛇をこれまたデスナイトで粉砕!

原型を残して万が一生きてたら悔しいじゃない。


奥に行くに従って、どんどん強くなる魔物を年末の鬱憤バラし!とガンガン討伐していく。7mのキングベアは風魔法でみじん切り、30匹いたオークの群れは面倒なので闇魔法で闇沼に引き摺り込み、空一面を覆う程のワイバーンの群れは極大光魔法「流星群」でめった打ちし、デスナイトの奥義「常闇の大殺戮」で欠片も残さず次元の彼方へ飛ばした。


あぁ、大掃除もこんなに簡単に済めばいいのに!!











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ