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悪魔付きの力

 悪魔の力を学校に入学する前に試しておこうと思い、とりあえず森の中という地の利を生かし、人気のない場所に私は居た。


「試しておかないと、どんだけ危ないものか分からないものね」


 悪魔付きは千年に一人の確率で生まれる凶悪な力だし。

 確か、ゲームの中の静乃はこの力を使うときどうやってたっけ??


「あー。思い出した」


 悪魔の力で出したハンドガンを自分の頭に突き付けて、撃つんだった。

 実にシンプルだけどどう足掻いても、自分に撃つ訳だから普通に痛いかもしれない。

 ゲームの中の静乃は涼しい顔して撃ってたけど……。


「とりあえずやるしかないよね」


 悪魔の力を使うと禍々しい闇の力を出し、その中にハンドガンが現れる。


「あー。これで撃てと……」


 確か自分に一回撃つと力を完全に使えて、なんでも操れたり、攻撃とかに使える……だっけ??


「出来れば、やりたくないけどやってみるかー」


 私は自分に頭にハンドガンを突き付けて、意を決してトリガーを引いて撃つ。

 弾が自分の頭の中を突き抜ける感覚。そして……。


「いっっっっったぁぁぁぁ〜!!!!!!!!!!!!」


 めちゃくちゃ痛かった。これ、毎回やんの????? 痛いんだけど?????

 え? いくら、死なないからってこのマイナス要素要らなくない????? 普通に異世界転生系の主人公ならこんなマイナス要素ゼロだよ?????


 ……それに。これ、静乃。毎回涼しい顔して撃ってたの????? 涼しい……顔で?????


「というか自分にとりあえず撃てば良いんだから、頭じゃなくても良くない?????」


 などと文句を言いつつも、とりあえずは力を使えるようになったので使ってみる。


「……て言うか、あんなに死んだって思ったくらい痛かったのに血も出てないのか」


 まぁ、当たり前だよね。自分の力で血だらけになるのはなんか悪役ヒロイン的にちょっと問題あるよね。

 めちゃくちゃ痛かったけど。めちゃくちゃ痛かったけど。

 とりあえず、悪魔の力が使えるのでテキトーな木に十分の一くらいの力を使ってみるか。


「確かこのハンドガンでも、手から出してもどっちでも良かったっけ。……うーん。でもハンドガンからトリガー引いて撃つのもカッコイイしなぁ。手からそのまま攻撃みたいなのもカッコイイし」


 なんて、考えていたがあんまり手からも出せるってバレると厄介事が起きそうなので、ハンドガンからしか出せない事にしようと思った。


「まぁ、とりあえず撃とう」


 撃とうと意識すると勝手にハンドガンが、待ってましたとでも言うようにもう撃てるように自動的にカシャカシャと動き出す。


「完全オートなのか……こわっ」


 これ、私が誤射しそう。……取り扱いに気をつけよう。

 銃身を定め、目標の木に十分の一の力でトリガーを引く。

 すると、弾はミシミシと回転しながら、目標の木に辿り着くまでにドス黒いオーラを放つ、そしてその弾が当たった木は派手な音を立て爆散し、辺り一面は跡形もなく消し去った。


 そんな木の最期を見た私はそっと木があった場所から目を逸らした。


「……うん。こっちの力は今度からどうしてもって時に一パーセントくらいの力で行こう。それかもう使わない」


 よし。気を取り直して次は操る能力を試そう。確かなんでも操れるんだっけ??


「何かいいものないかなぁ。……あ、あの葉っぱで良いか」


 私はただの木の葉を拾い、ハンドガンで操りたいと念じながら力を込めて木の葉に向かって撃つ。

 すると、木の葉はまるで意志を持ったかのように黒い力が漂いながらさ迷っている。


 そして試しに「この木を切る」と念じると、木の葉は目標の木に向かって素早く刀のような太刀筋で見事に斜めに切った。


「うーん。こっちの方がまだ安全に使えるかも。それに操れる力がスムーズに使えれば私的に色々便利だし」


 とりあえず、入学までにある程度、操れる力の方は特訓しておこうと思った次第であった。

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