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隙間を埋めるには

 あれから二週間後に能力を使ってみると、使えたので痛み止めの様に使ってみる。

 うっ……相変わらず自分に撃ち込むと痛い。


「先生の言ってた事正しかったのか〜」


 なんて感心しつつも、久しぶりの学校なのでちょっとウキウキもしている。


 でも、先生から能力使ってたって怪我には変わりないから、せめて骨折が治るくらいまでは無茶はするなと言われたなぁ。


「そして、聖は相変わらず寝坊助さんだなぁ」


 本当にコイツはいつもギリギリしか起きないから起こすの大変だ。


「聖。私、能力ももう使えるし、今日から学校行くから……って、起きて」


 聖の身体を揺さぶると聖は寝返りを打って、不機嫌そうに目覚める。


「わかりました……よっと。それなら、私も御役御免なので学校に行きますか」


 ダルそうに身体を起こし、着替えるから私にさっさと出て行けという視線を送る聖。


 起こしてもらってその態度かい。……まぁ、今まで世話してもらったから何にも言えないけど。


 とりあえず今日のお弁当はなしかな。珍しく食堂でも食べに行くか、売店のお弁当かパンとかおにぎりでも良いんだけど。悩む。


 まぁ、ウルは部屋で授業受けてわざわざ私達と食べに売店のお弁当買ったり、料理人の幽霊に弁当作ってもらって来るし、私も売店にしよう。








「言ノ葉! 久しぶり。おはよう」

「あ、静乃ちゃん……おはよう」


 一緒のタイミングでドアを開けた様で言ノ葉も今から登校する様だった。……それにしても、いつもよりも元気がない。どうかしたのだろうか??


「……言ノ葉。どうかした?」

「えっ……」

「だっていつもよりも元気がないから」


 私の言葉に言ノ葉は少し気まずそうに目を伏せた。


「言いたくない事なら、無理して言わなくて良いよ。ただ、友達として悩みを聞くくらいなら出来るって言いたかっただけ」


 悩みを聞いてあげたいってのは本音だ。だけど、人間誰しも簡単に言える事も無いって言うのもわかってるから。……無理強いはしない。


「静乃ちゃん、あのね……」


 私の言葉に意を決したのか、言ノ葉は口を開く。


「……登校しながら聞くよ」


 私は少し深呼吸をして、言ノ葉に喋るよう促した。


「美純ちゃんがあれからまだ目を覚まさないの」

「梶さんが?」


 梶 美純。……悪霊に乗っ取られたまま静香の力で何とか浄化したけど、それでもダメだったの??


「……私の力で無理矢理に魂を戻した反動で心に隙間があるってウルちゃんが言ってたの覚えてる?」

「うん。それで隙間に悪霊が入って来たって」

「その悪霊を浄化しても心の隙間を埋めなきゃ、美純ちゃんは目を覚まさないかもしれないって」

「えっ……埋める方法は?」


 それは隙間を埋める方法が無ければ、梶 美純は永遠に目を覚まさないという事だ。


「埋める方法は……上位の魂付きの人が埋められるんだけど」

「だけど?」

「だいたい三学年の中で一人以上はトゥルームーン寮に上位の魂付きの人が居るんだけど、その……その人凄く変わってる人らしいの」

「変わってる?」


 上位の魂付きで変わってる人って確か桐生 颯先輩の事では??


 これが何のルートかもうわかんないけど、美純を救うイベントがあるって事だし、桐生先輩は少なくとも関係してそうだ。


 ハーレムルートってキャラとイベントスチル全部解放するまで親睦深めなくて良いし、皆、好感度友人止まりにしてやってたもんなぁ。


 恋愛的な好きになると他の攻略対象のパロメータが下がるし。


「うん。その人、上位の魂付き……というか狐付きで名前は桐生 颯先輩って言うんだけど、桐生先輩って授業を受けに学校まで来ないの」

「うーん?? それなら、先輩の部屋で訪ねたらいいんじゃないの??」

「私もそうしたんだけど……居なくって」


 言ノ葉が言うにはいつ訪ねても部屋に居ないらしい。他の行き先を誰かに聞いて行っても全然捕まらないと。


「うわ、めんどくさいな。その人」

「静乃ちゃん、あんまりそういう事言ったらダメだよ。……でも、桐生先輩にやって貰えるか分からないけど、話だけでも聞いて欲しくて」

「だけど、そもそも会えないのかー。……うーん。まぁ、私も桐生先輩について情報収集してみるよ」

「静乃ちゃん。ありがとう」


 さてと、とりあえず今日の放課後とかでも早速、桐生 颯の情報収集でもしようかな。

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