第26話 カラヴェラ、提供する
こんにちは。
今回はかなりノリと勢いに任せて執筆しました。
それ故、多少内容が変になっている所もあるかもしれませんがご了承ください。
そして、今回はラストにやや予想外なことが起こります。
何卒よろしくお願いいたします。
「とっととくたばれ、ボケがああ!」
「白骨舐めんな、ワンコロ共がよおお!!」
「オアアアアアアアアアアアアッ!!!」
「ゴルァああああああああああああああ!!」
アンデッド達が受け持つ陣営では、人狼族との凄まじい怒号がぶつかり合っていた。
人狼族の毛皮と血肉が吹き飛び、白骨のアンデッド兵士の骨が粉砕したりと敵味方問わず体の一部が吹き飛ぶほどの削り合う勢いだったが、唯一違うのはアンデッド兵士達は頭部さえ粉々に砕かれなければいくらでも起き上がって戦闘を継続できるのだ。それこそがアンデッド兵士達の特有スキルの「疲れ知らずの不死」である。
また、この場で活躍しているのはアンデッド兵士達だけではない。同じく疲れ知らずの身体術を持つライガも、複数の人狼族を相手に次々となぎ倒していく様を見せつけていく。
例えば、一人の人狼族が鋭い爪で突進してくれば、ライガは攻撃を食らうよりも先に平手で二撃与えて距離を取らせた。更に追撃とばかりに強烈なストレートの正拳突きでダウンを決め込んだ。
その隙を突いて二人の人狼族が左右から攻め込んできたが、ライガはこれに対しても動揺することはなくむしろ「かかってこい」と言わんばかりに不敵に笑みながら、先ずは右から迫ってきた人狼族の顔面を掴む。
「オラオラ行くぞ、この野郎ー!」
そして顔面を掴んだまま、さながらバットを振るうような勢いで左側の人狼族に吹き飛ばしながらそのまま複数の敵を一気になぎ倒していくという荒々しい動きすらも見せつけた。
一番目立つ動きをする戦闘が以上の通りで、ライガはこれ以外にも一撃で沈めていく人狼族達は山ほどおり、彼が撃破した数は少なくとも五十人近くにまで匹敵していた。
「流石のご活躍っすね、ライガさん!」
「なぁに、まだまだこれからだっつーの!!」
そんなライガの奮戦ぶりにカラヴェラは感嘆を興じえず、ライガもまた気持ちの良い表情で親指を立てて答えた。
「よそ見してんじゃねーぞ、ド派手骸骨野郎!!」
カラヴェラの元にもまた、複数の人狼族が一塊となって迫ってきた。が、彼もまたライガ程ではないが負けず劣らずの対応で人狼族の一撃を受け止める。
「そいつぁ失礼、詫びに……コイツを食らいな!!」
攻撃を受け止めた状態のまま、カラヴェラは肋骨部分を鞭のように操り人狼族を遠方へと薙ぎ払った。その奮戦ぶりに、ライガも思わず――。
「オメーもやるじゃねーのー、カラヴェラー!」
嬉しそうに称えるその一言に、ライガの心境も明るくなった。しかしその直後、アンデッド兵士達の方から悲鳴が上がる。
「ぎゃばあああ! 胴体ぶっ飛ばされたああああ!!」
「ライガ隊長、カラヴェラ隊長、救援願いまさああああああ!!」
最初こそ優勢を見せていたアンデッド兵士達の大半が、救援を求める事態に陥ってしまった。窮地に陥るアンデッド兵士達だったが、即座にライガとカラヴェラの手により人狼族の追撃の阻止に成功するのだった。
「ちっ、こいつ等さえいなけりゃ……」
「仕方ない、増援呼ぶぞ! 一時撤退だ!!」
舌打ち交じりに、人狼族は傷ついた仲間を背負いながらライガ達の陣営から撤退していった。その様子を前にライガは得意げに「見たか、この野郎ー!」とテンション高く煽っていた。が、一方でカラヴェラはどこかバツの悪そうな面持ちでややうつむいた姿勢を見せていた。
「まずいな、コイツぁ……」
「どうしたんだよー、カラヴェラー? そんなカメムシ食ったような面してよー」
「いや、いくら俺でも流石にカメムシ食った覚えねーっすわ」
「じゃあゴキブリかー?」
「虫から離れてくだせぇ! じゃなくて……ライガさん、俺気付いちまったんすわ……」
「何に?」
焦りを見せた声色で、カラヴェラはため息を付きながら告げた。
「このままじゃ、俺たち負けちまうっす……」
*
人狼族達を一先ず退け、束の間の余裕ができた状態でカラヴェラはライガや配下であるアンデッド兵士達を一塊に寄せ集めた。
「んでカラヴェラー、さっき負けちまうって言ってたけどよー。一体どうしてなんだー?」
「そっすよ、カラヴェラさん!」
「俺たちアンデッド兵士は基本疲れ知らずな分、簡単には倒れねえ」
「加えてライガさんの体力保存でより相手を引き付けられる布陣だと思うけど……」
「……何か、まずいことがあったんですか?」
ライガやアンデッド兵士達が疑問を呈す中、カラヴェラは冷静に答えた。
「ある……。その理由は、『決定打の低さ』だ」
「決定打ぁ? 何言ってんだよ、カラヴェラー? 引き付けた部隊を倒せるだけの決定打ならよぉ、俺とお前なら十分じゃねーかよー!」
首をかしげるライガに、カラヴェラは渋そうな声色で続ける。
「そう……俺とライガさんなら、ね」
「ちょっと待ってくれよ、カラヴェラさん!」
「その言い方だと……俺たちじゃ力不足ってこと?」
反論するアンデッド兵士達に、カラヴェラは申し訳なさそうにゆっくりと頷いた。
「おうおうおう、そいつぁ聞き捨てならねぇね! 曲がりなりにも俺たちは、フェリシア様の蘇生放屁で蘇ったツーガントの兵士だったんですぜ!」
「カラヴェラさんだって、元はツーガントの一軍隊長だったじゃねーっすか! なのにらしくねーぜ!」
「……じゃあ聞くけどお前ら、生前の時みたいに戦えてるか? 思い通りに敵を倒せてるか?」
カラヴェラのその問いを前に、アンデッド兵士達は全員ぐうの音も出ずに黙り込んでしまう。というのも、ここまで人狼族達を戦闘不能にしてきたのは現状ライガとカラヴェラのみであった。
他のアンデッド兵士達は特有スキルの元に何度も起き上がり復活はできても、決め手のある攻撃はできず人狼族達に対して泥仕合にもつれ込ませるような戦闘スタイルになっていた。
確かに、敵味方問わず体の一部が吹き飛ぶほどの削り合う勢いは見せていたが、あくまでその勢いは最初だけしかなかった。泥仕合になればなるほど、アンデッド兵士の攻撃の決定打は弱まり徐々に人狼族の方が優勢になっていく。
これがカラヴェラの言う「決定打の低さ」であり、部下達が思う通りに敵を倒せない以上敵は必然的にライガやカラヴェラに狙いを定めるしかない。尤も、二人もそれなりの実力者な為簡単に敗走する心配はないが、時間稼ぎと言う役割を与えられている以上いくら「疲れ知らずの部隊」とはいえ限界というものが訪れてしまう懸念がある。
ライガの体力保存に至っても恐らく「有限」であることも考えられる為、エネルギー切れになってしまったら無論その時点で動けなくなるだろう。そして、カラヴェラに至っては頭部を砕かれるか胴体の大部分を大破させられたらその場で瓦解してしまう。こうなってしまう懸念をカラヴェラは予測したのだった。
「加えて……引き付け続けるにしても、万が一野良ゴブリンの陣営の説得に失敗したら……こっちにもそいつ等がなだれ込んでくる。そうなったら終わりだ」
「マジかよぉぉぉ!」
「じゃあどうすりゃいいんだ、カラヴェラさん!」
動揺するライガやアンデッド兵士達だが、カラヴェラは右の人差し指の骨を立てて周囲を落ち着かせた。
「一つだけ方法があるっすわ」
「何があるんだ、カラヴェラー!?」
上ずった声で尋ねるライガとは対照的に、カラヴェラは自身の頭部を近くにある岩の上に置くという奇行に走っていた。その様子を前に、ライガは目が飛び出るほどに驚く様子を見せるのは無理もなかった。
「何してんだ、お前ええええ!?」
「頭部を除く俺の骨全部、俺の部下たちに分けてやってくださいっす」
「ど、どういう意味だよ、そりゃあ!?」
「いいから、時間ねーっすよ。後、ライガさんは……俺の両手の骨を外して使ってください」
言われるがまま、ライガはカラヴェラの骨の部分一つ一つをアンデッド兵士たちに渡していき、自身はカラヴェラの両手部分の骨を手に取った。すると――。
「な……なんじゃこりゃああああああああああああああああああああ!!???」
ライガとアンデッド兵士たちの驚嘆に満ちた声が、甲高く陣営に響き渡った。
*
態勢を整えた人狼族達は、負傷した者たちを自陣に戻した後可能な限り援軍を呼び込んで再度アンデッド兵士達の陣営へと進軍を再開していた。
戻った際上位スライムが忍び込んでいたが、予め頭目であるウルガの要請通りに宝石岩人族の一人であるルビーゴーレムが対応しており、一先ず自陣のことはその者に任せてきたのだった。
あくまで自分たちは、少しでも敵勢を押し返して進軍を有利にするべくアンデッド兵士達の陣地を制圧する必要があるから。そして何より、人狼族としてアンデッド達に遅れを取るような無様な戦ぶりを見せたくないというプライドもあったから。
その二つの気持ちと共に、アンデッド兵士達の陣営に勇みよく踏み込んだ。するとそこに待ち構えていたのは、黄金の武器を装備したアンデッド兵士たちと、同じく黄金の籠手を装備したライガだった。
「な、何だ? 何か奴らの装備が変わったような気が……」
「どうでもいいだろ、気にすんな!」
「それに援軍も呼んでんだ、押し切っちまえ!!」
一瞬戸惑う人狼族だったが、「どうでもいい」という発言が出た瞬間そんな気持ちを振り払って戦闘を再開するのだった。
先ほどの戦いでもアンデッド兵士達は普通の剣や槍で攻撃してきたが、現状で所持している武器も外見は黄金の装飾を施しただけの普通の武器にしか見えない。「いない間にわざわざ塗装でもしたのか?」とも考えた人狼族もいたが、大半はやはり真正面から強靭な爪でその武器を受け止めて鍔迫り合いに持ち込ませた。そして、徐々に鍔迫り合いから自身らのペースに持ち込もうと人狼族達がリードし始める。
ここまでは最初に戦闘を始めた時と同じだったが、リードし始めていた一人の人狼族の悲鳴が聞こえてから流れが変わり始めた。
「何だ、この武器!?」
「急に形を変え……ぐわっ!」
アンデッド兵士達が装備している黄金の剣や槍が、鍔迫り合った人狼族の懐や死角を突くように切っ先がうねってダメージを与えているのだ。
中には蛇腹剣のように柔軟な動きを見せる黄金の剣を操る四人のアンデッド兵士達も暴れ始め、人狼族達は再び押され始めるのだった。
「どうなってんだよ、こりゃあ!!」
「武器が黄金になっただけでこんなになるか、普通!?」
「武器……黄金? まさか……!!」
戦う中で一人の人狼族はあることに気付く。
「オイ、あの黄金髑髏野郎はどうした!?」
その一言に、人狼族は周囲を確認し始めるが、次の瞬間。
「教えてやんねーよー!」
いたずらっ子のような声色で、ライガが人狼族の隙を突いて黄金の籠手を装備した状態で次々と撃破していくのだった。ダメージを受けて崩れ行く中、勘の鋭かった一人の人狼族は岩に置かれたカラヴェラの頭部を見つけた。
――ああ……そういうこと、だったのか。
勘の鋭い人狼族の一人は、アンデッド兵士達が装備していた物が全て「カラヴェラの身体術によって生み出されたもの」と理解した。
――――――
「な……なんじゃこりゃああああああああああああああああああああ!!???」
ライガとアンデッド兵士たちの驚嘆に満ちた声が、甲高く陣営に響き渡った。
なぜならば、それぞれカラヴェラの骨の一部が剣や槍、棍棒やハンマーと言った武器へと変貌を遂げていったからだ。
そしてライガに至っては、彼の獅子武術を考慮して、黄金の骨を模した籠手へと変化したのだった。
「カラヴェラー!」
「カラヴェラさん!!」
「「これって一体どういうことなんだよ!?」」
興味津々に食い込んでくるライガ達に、頭部のみがちょこんと置かれたカラヴェラは得意げに答える。
「俺の身体術の奥の手、武骨変化っす!」
「何だ、そのちょっと言いづらそうな奥の手はよー!」
「俺の身体術の武骨は、知ってるっすよね? 身体の一部を武器や道具に変えられるって奴さ」
「おうおう、知ってるぜー」
「でもでも、それがどうしたの?」
相槌を打つライガの後に、一人のアンデッド兵士がより詳細な説明をカラヴェラに求める。
「それを活かして、頭部以外の全てを俺の意思が籠った武器に変えて提供したりとかできねーかなって思ったんすよ。もしも決定打が足りなかったとしても、元は俺の意思が籠った骨だから自在に操って相手をより確実に仕留められる武器を提供しちまえば……」
「生前のパフォーマンスがない力不足な俺たちでも、相手を倒しやすくなる……ってことか!!」
結論を先に述べた一人のアンデッド兵士の答えに、カラヴェラはお茶目な声色で「そゆこと」と短く答えた。
「カラヴェラさん、さっすがー!」
「でも……どっからこんな発想思いついたんすか?」
声色に渋みのあるアンデッド兵士の問いに対し、カラヴェラはこう答えた。
「……前にコタロウ隊長さんと手合わせした時に、こう言われたんだ。『アンデッドとなった今の自分の戦い方を模索してみるといい』って。
最初はどういう意味か分からなかったんだが、生前の時と今の自分を何度か思い返しているうちに……思いついたのさ。『俺の武骨は身体の一部を武器に変えられる、だったら……自分が武器倉庫になって皆をサポートしてやればいいんじゃねーか? もしも決定打が足りなかったら、俺の意思も籠っている武骨でサポートしてやれば完璧じゃねーか!』ってね」
「で、短い間にそれを実現させたってわけかー! カラヴェラ、お前もやっぱすげえじゃねーかよー! もっと早く仲良くなりたかったわ、マジで!」
称賛の声を上げるライガだったが、背後から人狼族達が迫ってくる声が陣営に聞こえてきた。
「褒めてくれるのは後でいいっすぜ、ライガさん! 今はお互いに……」
「ああ、第二ラウンドといこっかー!!」
――――――
人狼族達は高を括っていた。決定打のないアンデッド兵士など、敵ではないと。援軍を呼び込んでリーダー格のライガ達をつぶし、一気にごり押せばどうにでもなると。そう踏みこんでいた。
しかし時すでに遅し、高を括っていた人狼族はたちまち戦闘不能となってしまうのだった。
まだ戦闘不能になっていない者たちもそこそこ残ってはいたが、数の多さで過信していたせいか再び動揺と焦りが広がり始める。
「白骨風情共が……生意気に!!」
「こうなったら仕方ねえ、半分は野良ゴブリンのとこからも呼んで来い!!」
「これ以上舐められてたまるもんかよ!!」
戦闘に戻るものと七人ほど更なる援軍を呼び込もうと陣営から離れたものと、二手に分かれた敵軍。しかし、残った敵勢たちは動揺と焦りの表情から覚悟を決めた表情を見せていた。
「おっと……こっからが本番臭くねーか、カラヴェラー?」
「そっすね、一層踏ん張るぞ! お前らああ!!」
頭蓋骨の身ながらも、カラヴェラの咆哮にアンデッド兵士達の士気も著しく向上していく。そして戦闘が再び激化する中、カラヴェラは視線を変えられないながらもバレンティアと彼女の作戦を案じていた。
――さて……このままスカンクの嬢ちゃんが間に合ってくれたら問題ねーが、果たしてどうなることやら。いや、やめとこう。あの嬢ちゃんを今は信じる、ただそれだけだ。
一瞬不安になったが、カラヴェラはすぐに振り払った。皆が作戦を完遂するべく動いているのだから、敗走することはない。今の自分にはそうすることしかできないのだからと、カラヴェラは今自分が取り掛かっていることに集中しながらそう決意するのだった。
*
「急げ! 野良ゴブリンの陣営は北東側だ!」
その頃、アンデッド兵士達の陣営から離れた人狼族達は援軍を求めに野良ゴブリンの陣営を目指していた。北東に位置する場所だが、全速力で向かえばそうかかることはない。
人狼族達は一刻も早く増援を呼び込めるよう、必死に森林を駆け抜けていたその時である。
突如、彼らの眼前に青黒い球状の空間が現れた。そしてその空間から、一人の鎧をまとった金髪の男性が姿を現した。
三十代後半に見えるその男性は、白銀の鎧を着込み、左手には胴体を丸ごと防御できる大きな盾と右手には斬撃と突撃の両方を行える特殊な槍・ハルバードを装備していた。所謂、「重装歩兵」というものだろう。盾と鎧の部分には王冠を模したエンブレムが描かれていたが、あたかもアンチテーゼを意味づけるかのように爪で引っ掻いたような三つの抉り傷がつけられていた。
突如現れた謎の男に驚く人狼族達に、重装歩兵は穏やかな声色で尋ねてきた。
「問おう……この地で金になりそうなものは何だ」
この時、重装歩兵は普通に尋ねたつもりだった。しかし、対峙した人狼族は相まみえた瞬間から直感的に感じた。
「この男は危険だ」と。
「か、金だぁ? 知らねーよ、そんなの! 探したきゃ探せばいいじゃねーか!」
「つーか俺ら急いでんだ、力尽くで通させてもらうぜ!」
「悪く思うなよ、俺らの前に出るのが悪いんだからな!!」
男の質問内容に対する相応しそうな見当がつかなかったのはそうだったが、それ以上にこの男をここで消さねば危険だという想いが凌駕していた。その想いが全員一致したその時、人狼族達は一斉に男に襲い掛かった。
――勝った!!
人狼族達がそう勝利を確信した次の瞬間。
ドシュッ!
ズガッ!
ドグシャアッ!
瞬く間に男が装備しているハルバードが一人の人狼族の腹部を貫き、そのまま迫る者たちを薙ぎ払いながら地面に押し倒した。そして地に伏した人狼族には、身の丈ほどの大楯で押しつぶして止めを刺すのだった。
「野郎……何てことを!」
怒りに駆られて向かおうとする人狼族達だったが、一瞬のうちに男に腹部を貫かれてしまう。一人、また一人と男は徹底的に一人ずつ薙ぎ払われて反撃を試みようとした人狼族達を一人残らず葬り去った。
「人狼族……か。彼らの毛皮も中々金にはなりそうだが、今回はいらないな。この島には……もっと金になる素材がありそうだ」
周囲を見渡しながら、謎の重装歩兵はゆったりとした足取りで移動し始めるのだった。
己の手で血の海と化したその場を後にしながら。
いかがでしたでしょうか?
今回もまた楽しめていただければ幸いです。
次回も何卒よろしくお願いいたします。




