表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ねじねじ髪のヨメイニャ

作者: セルロイド

たんたか、たらたん、たかたんた


ねじねじ髮のヨメイニャは山を登ります


――やあ、翼の生えた人さん。そんなにおおきな荷物を背負って、いったいどこに行くんだい?


獣の人(ベスティス)がたずねました


――不死鳥の国


ヨメイニャはこたえました



たんたか、たらたん、たかたんた


お弁当の木のみをモグモグとほおばりながら、ヨメイニャは山を登ります


――やあ、羽毛の生えた人さん。お弁当を食べながら歩き続けて、いったいどこに行くんだい?


鱗の人(スカロス)がたずねました


――不死鳥の国


ヨメイニャはこたえました



たんたか、たらたん、たかたんた


ひいらぎの杖をくるくると回しながら、ヨメイニャは山を登ります


――やあ、風の友達さん。森の奥まで歩き続けて、いったいどこに行くんだい?


蹄を持つ人(ホ―フィス)がたずねましま


――不死鳥の国


ヨメイニャはこたえました



たんたか、たらたん、たかたんた


あたりはすっかり暗くなり、森の中はまっくらやみ


草むらの陰や木の梢では、よからぬものたちがザワザワとささやいています


――おやおや、夜に眠る人さん。こんな時間まで起きていたらいけません。悪い魔物たちに食べられてしまいますよ。すぐに村へと引き返しなさい


高貴な人(ノービュラス)がヨメイニャに忠告をしてやりました


――ううん、山の上には不死鳥の国があるの


それでもヨメイニャは山を登ります



たんたか、たらたん、たかたんた


太陽と月が交互に顔を出し、ヨメイニャを見つめてはため息をつきましたがが、ヨメイニャはおかまいなし。ずっと、ずっと、どこまでも歩いてゆきます


――ねえ、地面で暮らす人さん。そろそろ諦めたほうがいいんじゃない


100個目の月がたずねました


――ううん、だって、もうすぐだもの


ヨメイニャはこたえました


そして、101個目の太陽が登ったとき、とうとうヨメイニャは山を登り切りました


山のてっぺんにはおおきなおおきな穴があり、赤い炎がぐつぐつと煮えたぎっています


――ようこそ、体を持つ人さん。わたしたちはあなたのことをずっと待っていましたよ


火の妖精たちはヨメイニャを包み込みます


そうしてついに、ねじねじ髪のヨメイニャは不死鳥の国を見つけたのでした


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ