詩になりたかった何か。 狐の嫁入り 作者: amago.T/ 掲載日:2019/10/03 見上げた空が眩しくなくて、のっぺりどこまでも広がる灰雲が疎ましかった。 伸ばした指先は湿った空気がまとわりついて霞む。 見下ろすアスファルトにくっきりとした境界を描くのは、僕を焼きあげようとする陽光とそれを遮る僕の身体(からだ)だった。 髪が加熱されて首にへばりつく。むしり取ってしまいたくても痛みを厭って我慢する。 見上げた空は眩しくて、太陽にかかった雲を睨んでも額を焼く熱はまやかしにはならない。 夢か現か、むこうに天気雨が見えた気がした。