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急上昇して急降下するコイゴコロが再び浮上することはあるか

トマトご飯の作り方を変更。炒め方式から炊き込み方式に。


炒め方式は具なしチキンライス的な感じで香ばしく仕上がりますが、炊き込み方式は瑞々しいくて優しい感じの仕上がりです。

どっちも美味しいですよ!

 キラキラ星のメロディが炊きあがりを告げるまで、私はアリアさんとエドさんの馴れ初めやらデート時のエピソードやらをムフムフと拝聴することができた。


 出会いは戦場で、敵として出会ったんだってー! お互いに一目惚れしちゃったんだってー! 告白は、エドさんからだったんだってー! 色々としがらみをブチ切って逃避行したんだってー!


 いやぁ! いい話が聞けました!!!



「うん! 炊飯器の方もばっちりですね!!」


「……うぅぅ~~……わたしばっかり、しゃべった……!」


「ふふふ……コイバナを持ちかけて良いのは、己のコイバナを聞き出される覚悟がある者だけですよ!」



 まだあっつあつのトマトの薄皮を摘まんでは捨てて摘まんでは捨てて……やわやわになった果汁たっぷりの果肉を炊きたてご飯に混ぜ込んでいく。

 炊けた炭水化物のちょっと重めの甘い香りと、熱の入ったトマトの軽やかで甘酸っぱい香りとが混ざり合っていくところに加えるのは、乳脂のコク深い香りが魅惑的なバターと、ピリっとした黒コショウ。

 

 赤く染まった頬を白い手で押さえて頬を膨らませるアリアさんが、若干恨みがましそうな氷の瞳で私を睨む……が。

 味見がてら……とスプーンにトマトご飯を盛って差し出せば、すぐににっこりと微笑んでパクリと食いついてきた。


 …………やだ……この美人さん、チョロ可愛い…………!!!!


 甘い炊き立てご飯にバターのコクが加わるだけでおかわり必至だというのに、甘酸っぱいトマトと黒コショウが脂っこさを中和してくれるせいか、さらにあとを引く美味しさで箸を強制的に進ませる魔性のご飯ですよ!

 これにね、スパイスを利かせたサラサラ系カレーを合わせると、一釜くらいペロリとイケてしまうダイエッターの天敵と化すのだよ!!


 ……あ。シーフードカレーも、いいかも!! またこのトマトは買っておこう……!



「おいしい……! おやさいだけど、ごはん、おいしい!!」


「夏の恵みが詰まってますからね! これにラタトゥイユとか添えてワンプレートランチ風にしてもいいけど、盛れる量が限られちゃうかぁ」



 あっという間に味見分を食べきったアリアさんだけど、この中に3個分のトマトが入っているとは思うまい!


 ワンプレートランチ……見た目は確かにおしゃれだなんだけど、面積に限りがある分、量は大して盛れないからなぁ……。

 高燃費なヴィルさんを筆頭に、私も含めて健啖家が揃ってる暴食の卓(うちのパーティ)には向かないよねぇー。

 多分、大皿におかずどーん! 主食も大盛りでどーん! という、映えない食卓の方が向いてると思う。



「戻ったぞ、リン、アリア」


「ん、おかえり」


「お帰りなさい! ……それで、エビは獲れました?」


「……………………エビか……エビ、な…………」


「あっ………………アリアさんの取ってくれた魚がありますから、タンパク質のおかずありますから!」


「………………スマン……」



 いっそ街で大皿を買い求めようかと思案し始めた時、開けっ放しにしていたドアからぬっとヴィルさんが姿を現した。

 手には……特に何も持っていないようだし、見回り任務に専念したんだろうなぁ。

 とはいえ、冗談半分のかるーい気持ちで聞いてみれば……………………うん、私の方こそすみません。

 ボウズは、キますよね……精神的にキますよね……! むしろ聞いちゃってごめんなさい!!!


 ……って……ボウズで落ち込むってことは、見回り業務の間もまさか食材を探してたとか!?

 まぁ、ヴィルさんたちなら両立できる力量があるんだろうけども……。

 途端にしょんぼりと肩を落としたヴィルさんと、一緒に帰ってきていたのであろうエドさんたちの姿を目にとめて、オーブンの電源を入れて加熱を始めることにした。

 冷蔵庫からも切り身を出して、カリッとホクっとソテーにしよう!


 お昼を食べれば、きっと調子も戻ると思いますので……!

 取り急ぎお昼を仕上げてしまおう!


閲覧ありがとうございます。

誤字・脱字等ありましたら適宜編集していきます。

じれじれ展開を読むのが大好きなのですが、いざ書いてみるとなんと難しいことか……!!orz

もし、少しでも気に入って頂けましたら、ブクマ・評価等していただけるととても嬉しいです。

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