第72話。ブートキャンプ(5日目…最終日)。
ブートキャンプ後。
名前…ハリエット
種族…【兎人】
性別…女性
年齢…16歳
職種…【刀士】
魔法…【闘気】、【収納】、【鑑定】、【マッピング】
特性…【才能…刀技】
レベル…21
異世界転移、15日目。
朝食後、私は【転移】で、ソフィアを竜城に送り届けました。
今日で、【神竜】復活の式典と祝賀は、終了。
ソフィアには、最後の一踏ん張りで、頑張ってもらいましょう。
私は、アルフォンシーナさんに手を繋がれて、死んだ魚の眼で、連行されて行くソフィアを見送った後、ホテル・ラウレンティアにトンボ帰り。
私達は、【ラウレンティア】の【闘技場】に向かいました。
今日は、午前中だけ、【ラウレンティア】の【闘技場】が貸切に出来たのです。
・・・
私は、弟子達に【神の遺物】の防具を与えていましたが、武器に関しては、私が造った【魔鋼の武器】。
昨日の【地竜】との戦闘では、ファミリアーレは、武器を損傷させる者がいました。
【魔鋼の武器】も、それなりの性能ですし、硬い【地竜】を倒した事実から言って、武器に流す魔力不足という事ではありません。
つまり、そろそろ、より高性能の武器に持ち変えるタイミング、という事です。
この機会に、防具同様、武器も【神の遺物】に換装してしまいましょう。
「新しい武器を支給します。順番に、こちらに来て下さい。まずは、グロリア……」
私は、弟子達へ順番に武器を支給して行きました。
・・・
グロリアには……拳にはめるタイプの武器で、いわゆる【ナックルダスター】や【パウンダー】と呼ばれる物を支給。
材質は、竜鋼。
竜鋼は、最高硬度と最高の魔力親和性を持ちますが、鉱山などでは産出されず、【創造主の魔法】によってのみ存在する、不思議金属です。
ダンジョンの宝箱などからしか入手出来ません。
拳面を保護する部分には、一本の杭が突き出ており、また、握り込むグリップの延長部分にも、両側に杭が突き出た、見るからに厳つい形状です。
名称は、【ヴァジュラ】。
・・・
ハリエットには……【太刀】。
現在使用している物より幾分か細身ですが、より長く、ヒヒイロカネ製の大業物。
ヒヒイロカネは、刃物に加工すると最高の切れ味を誇りますが、本来、魔力を通しずらい素材です。
しかし、【神の遺物】である為、不思議特性が付与されており、特別に魔力を通し易くなっていました。
名称は、【鬼切】。
・・・
アイリスには……【小太刀】。
現在使用している物は短刀に類する物でしたが、新しい小太刀の刃渡りは、二尺(60cm)。
材質は、ヒヒイロカネ。
ハリエットの【鬼切】と同様、本来、魔力を流しづらい性質のヒヒイロカネ製でありながら、【神の遺物】の不思議設定で、魔力親和性を高めてありました。
鞘は背中に背負う形状となっています。
名称は、忍者刀【村雨】。
また、アイリスには、投擲武器として、現行の【クナイ】の上位互換に当たる、【神の遺物】の【戦輪】も複数、支給しました。
【戦輪】は、金属の輪で、外周部分が全て鋭利な刃になっています。
投擲しても、手元に戻り、敵を追尾するホーミングの機能が付いていました。
材質は、竜鋼。
名称は、【スダルシャナ・チャクラ】。
・・・
ジェシカには……【魔法小銃】。
材質は、竜鋼とオリハルコンの複合材。
今までの【吹き矢】に【神の遺物】の互換品が存在しなかった為、【神の遺物】の【魔法小銃】としました。
単射式で弾倉は21発。
半自動給弾方式です。
弾丸は、多様な物を使用可能ですが、私が準備したのはフル・ミスリル・ジャケット。
ミスリルは、硬く、粘りがある為、貫通力と対生物殺傷力を併せ持つ弾丸には最適な金属です。
また、魔力を流しやすい性質でもあり、魔力を込めて射撃すれば、その威力は絶大。
薬莢に充填してある炸薬は、小さな【魔法石】。
この【魔法石】は、私なら打ち捨ててしまうような、屑レベルの【魔法石】です。
弾丸は、軍用以外にも、銃器免許所持者向けに市販もされていますが、とりあえず、私が持つ数万発の備蓄を、そっくりジェシカに渡してしまいましょう。
どうせなら、魔法効果を付与した、各種、魔法弾、も……。
名称は、【ティラトーレ・シェルト】。
ジェシカには、【魔法小銃】の他に、近接戦用として、【ハルパー】も支給。
【ハルパー】は、片刃の短剣で、刃の付いた前側に湾曲する独特な形状をしています。
こちらも【神の遺物】で材質は、オリハルコン。
名称は、【アルゲイポンテース】。
・・・
モルガーナには……もちろん、【スピア】。
竜騎士団への入団を目指すなら、選ぶ武器は、【投槍】一択です。
材質は、竜鋼。
名称は、【グングニル】。
親善試合で、【竜牙槍】を粉砕し、竜騎士団長のレオナルドさんの頭を爆散させた、【神の遺物】の【スピア】です。
その貫通力は、【神槍】以外では、この世界で最強。
もちろん、投げても、投擲者の手元に戻ります。
自動追尾機能は、ありませんが投擲者が魔力を飛ばして軌道を変える事が出来ました。
もっとも、魔力を込めて投射された【グングニル】は、超音速で飛翔する為、生物の反射神経では、容易に回避出来るとは思えませんが……。
投射後の手ぶらな状態で近接戦をしなければならない状況を考慮して、【神の遺物】の、古代ローマ兵が持つ厚刃で短い剣、【グラディウス】も支給しておきました。
材質は、アダマンタイト。
アダマンタイトも、本来なら魔力は流しづらいはずですが、【神の遺物】のブーストで、魔力親和性を高めてあります。
名称は、【グラム】。
・・・
サイラスには……【大剣】。
重厚長大な、【神の遺物】の【大剣】で、対巨人を目的に造られた、という設定の、圧倒的説得力を持つ武器。
振るう時には軽く、インパクトの時には重量を増す効果を付与されてあり、巨人を鎧ごと真っ二つに出来る威力があります。
材質は、【神の遺物】のブーストで、魔力を流し易くしてある、アダマンタイト。
名称は、【レーヴァテイン】。
・・・
ティベリオには……【ロングソード】。
指揮官特性の【才能】である【統率】を持つティベリオには、やはり、指揮能力を引き上げる武器が良いでしょう。
材質は、オリハルコン。
名称は、【エクスカリバー】。
その優れた剣としての性能もさる事ながら、持つ者に、絶大な求心力を与えるという特殊効果をもたらす【エクスカリバー】は、ティベリオの【統率】との相性も抜群です。
・・・
ロルフには……【ハンマー】。
【鍛治士】であるロルフには、【ハンマー】しかあり得ませんね。
材質は、不明。
おそらく、【創造主の魔法】で、創られた、謎物質だと思われます。
現在、ロルフが使っている【ハンマー】は、両手持ちでハンマー・ヘッドも巨大でした。
膂力に優れた【ドワーフ】のロルフでなければ、取り回す事も難しいと思います。
しかし、新しい【ハンマー】は、片手持ちでハンマー・ヘッドも小さく、一見すると、酷く貧相にも見えました。
名称は、【ミョルニル】。
この【ミョルニル】は、本来は工具の範疇にあります。
一見、武器としては弱そうですが、しかし、【ミョルニル】は、最強クラスの攻撃力を誇りました。
不滅の効果があり、どんな硬い物質も叩き潰す事が可能。
さらに、振るう時には、羽毛のように軽く、打ち付けたインパクト時には、その質量を持つ者が自由に調節する事が出来ます。
最大質量は、なんと1兆t。
急所に直撃すれば、【古代竜】でも、即死……ひとたまりもありません。
・・・
リスベットには……【魔法杖】。
パーティの中で、唯一の純粋魔法職のリスベットには、やはり【魔法杖】でしょう。
材質は、【世界樹】の枝。
名称は、【アスクレピオスの杖】。
最高レベルの魔法触媒で、バッテリーのように莫大な魔力を貯めておく事が可能。
また、どれだけ使っても触媒としての効果が失われず、使用者の魔力回復を助ける働きすらある究極の【魔法杖】です。
この世界では、【魔法使い】はレベルが上がるほど、触媒を用いなくても魔法行使時に魔力効率が減衰しなくなる設定がある為、手ぶらで魔法詠唱を行う者が多くなりますが、魔力回復の為に、【アスクレピオスの杖】など、魔力を貯めておけたり、魔力回復効果を付与された【神の遺物】を常時携帯する者も少なくありませんでした。
また、この【アスクレピオスの杖】は、【錬金術】との相性が良いので、リスベットには、うってつけでしょう。
・・・
ファミリアーレは、支給された武器の感触を確かめています。
「何だか、凶々しい武器ですね……」
グロリアは、【ヴァジュラ】を装備してみながら、困惑気味に言いました。
どうやら、グロリア的には、激しく、これじゃない感、があるようです。
確かに、凶器、としか言いようのない外見ですからね。
「【ヴァジュラ】は、魔法触媒としても高い性能があります。拳闘タイプで、魔法詠唱者でもあるグロリアには、最高の武器だと思いますよ。また、聖なる力、を秘めるとされる由緒ある武器なのです」
私は、グロリアを慰めました。
「そうなのですか……」
グロリアは、【ヴァジュラ】の、痛い、形状は、ともかく、その性能は受け入れる事にしたようです。
聖なる力、とは、単に【回復】と【治癒】の効果を高める、というゲームの設定でした。
【ドラゴニーア】の【女神官】の皆さんは、聖なる力、を持つ【サークレット】や【ネックレス】や【指輪】を装備しています。
アルフォンシーナさんは、角に、聖なる力を持つ【リング】をはめていました。
女性の【ドラゴニュート】は、結婚すると、指ではなく、角に【リング】をはめる習慣があるそうです。
【女神官】は、聖職者ですが、婚姻は許されていました。
他の大陸では、聖職者には、戒律により婚姻を認めない宗派もあるそうですが、それは愚策。
何故なら、魔法の能力は、ある程度遺伝します。
【魔法使い】は、国家にとって、人的資源。
高い能力の【魔法使い】の数は、国力に直結します。
聖職者は、概して、【回復・治癒】魔法のエキスパート。
つまり、高い魔法の能力を持つ聖職者が子供を作れないように戒律で縛るのは、愚か、としか言いようがないのです。
因みに、アルフォンシーナさんの夫は、600年前に老衰で亡くなっていました。
アルフォンシーナさんは、未亡人。
子供は、二人いましたが、その子達や孫達にも、大昔に先立たれてしまったそうです。
アルフォンシーナさんのような【聖格者】は、長命ですので、こうした事例もあり得ますよね……。
現在、アルフォンシーナさんの子孫は、【ドラゴニーア】で、幾つかの家系が命脈を保っているそうです。
・・・
「ヒヒイロカネかぁ〜。こんな高い物、絶対に持つ事は、ないと思ってたよ。ひゃー、さすが、刃が鋭いや」
ハリエットが、【鬼切】を、矯めつ眇めつ、して言います。
ヒヒイロカネは、目玉が飛び出るほど高価ですからね。
ヒヒイロカネの主要な産出国である【タカマガハラ皇国】では、あまりにも高価な為に、破損の可能性が高い実用武器として使うのではなく、祭器としたり、料理人が包丁として使い代々子孫に受け継いで行く事が一般的なのだそうです。
私も、【超神位魔法】の【複製転写】で軽々しく複製はしていません。
せいぜい、100t単位です……いや、ゲームマスターとして必要な量なのです。
転売して儲けようとした事なんか、ありませんよ。
はい、本当に。
「ハリエット、取り扱いには注意して下さい。【鬼切】の切れ味は……影を斬ると、影の持ち主が死ぬ……とさえ言われるほどです。刃に触れただけで、指くらい簡単になくなりますからね」
「ぎょっ、怖っ!」
ハリエットは、【鬼切】の刃を触ろうとしていた指を引っ込めました。
「ところで、ハリエット。モフ太郎氏が使っていた剣が欲しいですか?」
「へ?」
「モフ太郎氏の使っていた【デュランダル】があるのですが、いりますか?」
「く、くれるんですか?」
「構いませんよ。私は、2本持っていますし。他の武器同様に半永久貸与します」
ファミリアーレに支給した防具や武器は、私が返却を要求した時には、返してもらうという約束になっています。
基本的に、半永久貸与ですので、譲渡したのと同じ扱いですが、私に許可なく売却などは出来ません。
仮に、私が死んだり、消滅したり、行方不明になった場合は、そのまま、所有権が譲渡されます。
私は【収納】から、【デュランダル】を取り出して、ハリエットに渡しました。
「す、すっげー……あたし、今、モフ太郎様と同じ武器持ってるんだ……」
ハリエットは、【デュランダル】に頬ずりしそうな勢いで言います。
「チュートリアルで、泉の妖精がハリエットに【太刀】を与えたのですから、あなたの主武装は、あくまでも【鬼切】ですよ。【デュランダル】は、セカンド・ウェポンとして下さいね」
「わかりました。ノヒト先生、ありがとう〜」
ハリエットは、抱きついてきました。
・・・
アイリスは、複数の【戦輪】を飛ばして、自分に向かってホーミングで戻って来るところを、背中の【村雨】を居合抜きで、抜刀し叩き落とす、という行動を黙々と繰り返していました。
教えなくても、逆手に握る、【忍者刀】の正しい使用法をしています。
寡黙なアイリスですが……表情は、ニヤけていました。
うん、気に入ってくれたなら、何よりです。
・・・
「当たったの!」
ジェシカは、言いました。
「うん。ジェシカは射撃のセンスがありますね」
ジェシカは、見慣れない銃器に、初めこそ戸惑っていましたが、指導すると、スコープ射撃にも、すぐに慣れました。
射程は2km超ですから、ジェシカの高い探知能力と合わせれば、強力な武器となるでしょう。
また、火薬式とは違い、魔法射撃式なので、発射音も小さく狙撃銃としては優秀です。
「ジェシカ、【ハルパー】の【アルゲイポンテース】も強力な短剣ですよ。刃渡りは短いですが、切れ味だけなら、【鬼切】にも匹敵します」
「はい。いっぱい練習します」
ジェシカは、言いました。
・・・
「モルガーナ、【グングニル】は、取り扱いが難しい物ではありません。ただし、加速効果がありますので、今までとは、偏差投射の時に感覚が変わって来ます。訓練して覚えて下さいね」
「はっ!」
偏差投射とは、動く目標を狙う場合に、あらかじめ目標の進行方向上にある見越し点を目掛けて投げる事。
【グングニル】は、投射速度が超音速にまで加速しますので、見越し点の位置が、今までより、目標に近い位置になります。
・・・
「サイラス、新しい武器はどうですか?」
「大き過ぎて、持ち歩きにくい……」
「戦闘時以外は、【収納】にしまいましょうね」
「行軍中は、どうすれば?」
「パーティに優秀な索敵班がいますから、敵とエンカウントする時点で、【収納】から素早く取り出せば良いのでは?それに、持ったままでも、持ち歩きにくいとしても、重量は、変化させる事が出来ますから、重くはないでしょう?」
「わかりました……」
・・・
ティベリオは、【エクスカリバー】を構えて、バランスを確かめているようです。
仮に、バランスを変更したくても、【神の遺物】の武器は、【加工】による成形が不可能。
武器の方に合わせてもらうしかありませんね。
・・・
ドッシーーンッ!
突然、闘技場に轟音が響きました。
何事かと見ると、ロルフが、こちらを見て、申し訳なさそうに苦笑しています。
「今のは、何tですか?」
「とりあえず、1万tで試してみました。ビックリしました」
「【ミョルニル】は、威力においては、間違いなく最強の一角にある武器ですが、弱点は、間合いが武器としては短い事です。【ミョルニル】の質量変化は、使用者の手に握られていなければ発動しません。つまり、30cmほどの【ミョルニル】が届く距離に近付かなくてはいけないのです。当たりさえすれば、【ミョルニル】は圧倒的打撃力がありますが、その間合いは、当然ですが危険です。戦闘時に、無理は絶対にしないように。良いですね」
「わかりました」
・・・
「きゃーーっ!」
リスベットが叫んでいます。
先ほどから、ずっと、叫び通し……。
「リスベット、もう、いい加減に慣れて下さい。この子達は噛まないでしょう?」
私は、言いました。
「だって、蛇……。蛇は嫌なんです……」
リスベットは、【アスクレピオスの杖】を指先で摘むようにして持ち、顔を背けています。
【アスクレピオスの杖】には、2匹の蛇が巻き付いてウネウネと蠢き、リスベットの方に鎌首を向けて、チロチロ、と細い舌を出していました。
この蛇達は、どう見ても生身の蛇なのですが、生物ではなく、杖の装飾の一部なのです。
どういう仕組みかは、全くわかりませんが、杖の装飾の蛇は、意思を持って動きました。
この蛇達は、持ち主として魔力を登録した者以外が持とうとすると、噛み付いて、毒で殺してしまう事もあります。
不思議アイテムでした。
「リスベット、【錬金術】の研究に用いるアイテムとして、この【アスクレピオスの杖】は、最高の逸品です。蛇には慣れるしかありませんよ」
「だって〜……」
まあ、リスベットには、慣れてもらうしかありません。
私が持つアイテムの中には、【アスクレピオスの杖】に匹敵する性能を持つ【ケーリュケイオン】という【魔法杖】もありました。
【ケーリュケイオン】の方は、攻撃魔法への補正効果があります。
しかし、こちらも、装飾に動く蛇が付いていました。
と、いうか、【杖】自体が、双頭の蛇、なのです……。
こっちの方が、形状がグロいですからね。
・・・
弟子達は、【自動人形】を相手に訓練を始めました。
ロルフとリスベットは、相棒の【自動人形】がいないので、私が稽古をつけます。
リスベットは、すぐに【低位】の【攻撃魔法】を習得してしまいました。
極めて優秀な弟子で、指導が楽ですね。
・・・
午前中いっぱいトレーニングをして今日の訓練は終了。
一応、これで、新兵訓練も終了です。
「集合して下さい」
私は、ファミリアーレを、呼び集めました。
弟子達は、新しい武器を携えて整列します。
「あなた達に支給した、武器は、いずれも、世界最高クラスの性能です。しかし、いくら性能が良い武器でも、鍛錬を疎かにするならば、【ヒノキの棒】にも劣ります。鍛錬を繰り返して身体の一部のように扱えてこその【神の遺物】。世界中の人々が憧れる武器を手にしたのですから、あなた達は、この武器を手にしたくても手に出来ない人々に対する責任として、精一杯努力して、武器を使い熟すようにならなくてはいけないのですよ。わかりましたね?」
私は言いました。
弟子達は、声を揃えて、返事をします。
私自身は、あらゆる武器の熟練値を、何も努力せず、プログラムを弄っただけで、最大限までカンストしていましたが、それは、それ。
他人を指導する時には、自分の欠点は棚に上げるモノなのです。
兎にも角にも、ファミリアーレは、新兵訓練を一人の落伍者を出す事もなく、無事に修了と相成りました。
お読み頂き、ありがとうございます。
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