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第259話。もはや事後処理。

チュートリアル後。


名前…フランシスクス

種族…【(ヒューマン)

性別…男性

年齢…45歳

職種…【戦略家(スキーマー)

魔法…【闘気】、【収納(ストレージ)】、【鑑定(アプライザル)】、【マッピング】

特性…【才能(タレント)洞察力(インサイト)経営(マネジメント)

レベル…50


剣聖の参謀。

兄のクセルフスは【アトランティーデ海洋国】の公爵。

【ウトピーア法皇国】聖都【トゥーレ】。


 トリニティが探し出した、人間牧場への入り口は、中央聖堂の外にありました。

 中央聖堂の隣に立つ、枢機卿達の管轄・運営する評議会と呼ばれる建物の地下から繋がっていたのです。


 そこには、1億人の奴隷と100万頭の魔物がいました。


 よくもまあ、これだけの巨大な地下空間を掘り、これだけ沢山の人種と魔物を集めたモノですね。

 この貪欲で執拗な悪意には、つくづく感心しますよ。

 もちろん褒め言葉ではありません。


 奴隷にされている者達の大半は【(ヒューマン)】でしたが、中には【(ヒューマン)】以外の人種も含まれています。

 彼らは、【ウトピーア法皇国】が差別と排斥の対象とする異教徒と異種族。

 魔力吸収ユニットの中で眠らされ、毎日、魔力が枯渇して死ぬ寸前まで魔力を搾り取られているのです。


 もちろん、私は、人種が入っている魔力吸収ユニットは、生命維持を行ったまま、魔力の【吸収(アブソーブ)】は停止させました。


「まさか、こんな事が……」

 エクストリアは、絶句します。


「エクストリア。あなたの責任で、この1億人を保護しなさい。受け入れ態勢が整い次第、順次解放して私達が引き取ります。万が一、彼らが死亡するような事になったら、あなた達は酷いですよ。1人犠牲が出たら、10人の【ウトピーア】国民で償わせます。なので、この1億人の生命維持に全力を傾けなさい。良いですか?」


「……」

 エクストリアは、ショックを受けて、絶句したままでした。


 利発な天才少女だとしても、所詮は9歳児ですね。

 ショックで思考停止してしまいました。


「リント。この子供には、やはり無理ですよ。まだ9歳です。賢いとしても心が発達しきっていません。誰か大人の事後処理担当者を探しましょう」


「いいえ。この子供は、【ウトピーア】国民から絶大な支持を集めています。この子供を利用して、【ウトピーア】の国民を操るのが最も血が流れません。(わらわ)は、なるべく人種を死なせたくはないのです」

 リントは、言います。


「わかりました。【ウトピーア】のこれからはリントに任せます。とはいえ、この子供は使い物にならないのでは?」


「任せて下さい。ほら、エクストリア……しっかりしなさい。あなたが(ほお)けたら、もはや【ウトピーア】の民は全員【魔界(ネーラ)】行きが決定ですよ」

 リントは、エクストリアを叱咤しました。


「いやいや、リント。【魔界(ネーラ)】行きを、強制収容所や、この世の地獄のように言わないで下さい。私は、【魔界(ネーラ)】行きを、間違った信仰が捨てられず、守護竜への恭順をしたくない【ウトピーア】の民が邪教信仰を続けられる、いわば()()()として移住を条件提示したのです。これは……邪教信仰を続けても構わない……と言っているのですから、破格の条件。素晴らしい移民事業……フロンティアです」


「あら、そうだったのですか?(わらわ)は、てっきり地獄のような場所にある強制収容所に送り込むのだとばかり……。ノヒトは鬼神か、と戦慄していましたのよ」

 リントは、言います。


 酷い言われようですね。

 感情的には、そうしたい気持ちは山々です。

 ただし、それをしてしまえば私は、ゲームマスターではなくなりますからね。

 私は、規定通りに判断を下しているだけで、業務上の決定に、私情は全く差し挟みません。


「リント。ノヒトは公明正大じゃ。いかなる決定も、自らの感情には左右されずに下す事が出来る稀有な資質を持つのじゃ。【調停者】として、ノヒトほど正しい判断を下せる者は、他にはおらぬ。じゃから、我は、ノヒトを信頼しておるのじゃ」

 ソフィアが言いました。


「なるほど。ノヒト、申し訳ありません。誤解をしていました」

 リントは頭を下げます。


「ノヒトよ。解放奴隷の方は、【サントゥアリーオ】の移民として受け入れるつもりなのじゃろう?」

 ソフィアが言いました。


「はい。明日、【サントゥアリーオ】国境に関所を造りますので、そうしたら、奴隷を解放して、【サントゥアリーオ】に移住させます。リント、旧【サントゥアリーオ】国民の私有財産を全て没収して、解放奴隷達に譲渡する許可を下さい」


「わかりました。許可します」

 リントが、即座に許可を出します。


 私達の話し合いを尻目に、エクストリアは未だ茫然自失。

 現実に戻って来ません。

 自我崩壊していないでしょうね?


 まあ、私達の決定にエクストリアの意思は介在させるつもりはありませんし、要望を聞くつもりもありませんので、彼女が、どういう状態であっても私達には全く関係はありません。


魔力子反応炉(マギトン・リアクター)】に繋がれた奴隷1億人は、全員【サントゥアリーオ】の国民として引き取ります。

 犯罪者も中に混ざっているそうなので、そういう人物は、【ウトピーア】に残して行きますよ。

 犯罪者はいりません。


 犯罪者の刑罰として【魔力子反応炉(マギトン・リアクター)】に繋ぎ魔力吸収を強制するのは別に構いません。

 ゲームマスターとして私が問題としたのは、奴隷制と【(ヒューマン)】至上主義だけですので。


「ティファニー。【サントゥアリーオ】の領域内の旧国民の資産状況は調べられますか?」


「はい。全て中央聖堂のサーバーに記録されています」

 ティファニーが答えました。


「では、明日、リントと【サントゥアリーオ】に一緒に向かい。そのサーバー情報をミネルヴァにリンクしますね。それを元に、解放奴隷達に資産を分配してしまいましょう」


「畏まりました」

 ティファニーは言います。


 やっておくべき段取りは、こんなところでしょうかね。


 ・・・


【トゥーレ】中央聖堂。


 私達は、中央聖堂に戻り、事後処理を開始しました。

 リントによって、一時的に【ウトピーア法皇国】の主権は凍結されています。


 エクストリアと、エクストリアに従う法皇派の聖職者と公職者は、全員、私の提示した条件を完全に受け入れました。

 まあ、初めから拒否権はないのですけれどね。

 拒否した者は、私財没収の上、身一つで邪教信仰が認められた素晴らしい約束の地……【魔界(ネーラ)】に、ご案内ですから。


 全員が、【創造主(クリエイター)】や守護竜など世界(ゲーム)の世界観に基づいた信仰へと改宗し……リントに対して完全恭順と絶対服従を約束し……ティファニーをリントに次ぐ権威と認め……【(ヒューマン)】至上主義を捨てる事を約束しました。


 全て【契約(コントラクト)】を結ばせてあります。


 さらに【ウトピーア法皇国】は、国号を【ウトピーア】に戻しました。

 リントの命令です。


 枢機卿派の聖職者と公職者は、リントとティファニーとエクストリアに絶対服従の【契約(コントラクト)】を結ばせました。


 断固拒否した者が枢機卿派には結構いましたね。

 3割くらいでしょうか。

 殺されても改宗はしない、と言い張ります。


 この敬虔な邪教信仰者達は、【魔界(ネーラ)】行きが決定しました。

 自殺を図ろうとする者もいます。


 私が枢機卿派と名付けたグループは、彼ら自身からは原理派と呼ばれているのだ、とか。

 どうでも良いですね。


 全く理がない教義なのに、原理派とは、何かの冗談なのでしょうか?


「あなた達は、絶対に改宗しないのですね?」


「「「「「絶対に改宗はしません」」」」」


「あ、そう。ならば……絶対に改宗はしない……と、【誓約(プレッジ)】して下さい」


 改宗を拒否した者達が喜んで【誓約(プレッジ)】しました。

 これで良し。

 こうやって段取りを積み上げておけば、後からグダグダ言われる事もありません。


【ウトピーア】の国民達にも、今後、【創造主(クリエイター)】や守護竜など世界(ゲーム)の世界観に基づいた信仰へと改宗をしてもらい……リントに対して恭順と絶対服従をしてもらい……ティファニーをリントに次ぐ権威と認めてもらい……【(ヒューマン)】至上主義を捨てる事を、【契約(コントラクト)】で約束してもらいます。

 拒否するなら、私財没収の上で順番に【魔界(ネーラ)】に、お見送り。


 彼らは、守護竜がいない土地で好きなだけ邪教信仰に勤しんだら良いのです。

 私は、思想信条の自由と、内心の自由は、尊重しますよ。

【ウトピーア】や他の守護竜の管轄する5大大陸からは、永久に出て行ってもらいますが……。


 横暴?


 とんでもない。

地上界(テッラ)】の5大大陸は、その中で営まれている経済活動も含めて、全て守護竜の個人的な所有物なのです。

 人種は、守護竜の庇護下に入り、守護竜の意思に従う事を条件に、一時的に守護竜の家である5大大陸で暮らす事を許可されているだけなのですから。


 守護竜には従わない……でも、守護竜の個人的な所有物である5大大陸には暮らし、守護竜の個人資産である諸々の資源は使う。


 これは絶対に通らない理屈なのです。

 守護竜に無許可で5大大陸に暮らすのは、単なる不法占拠。

 守護竜に無許可で、5大大陸で空気を吸い、水を飲み、動植物を食べ、経済活動をするのは、ただの泥棒なのです。


 あくまでも、守護竜への恭順を受け入れられないというのなら……守護竜は、こう言うでしょう。


 文句があるなら、かかって来い。


 ただ、それだけの事です。


 宗教とは狂気ですね。

 明らかに間違っているとしても、信じている本人達は、どんなに演繹的で完璧な論理を明示されても、絶対に誤りを認めないのですから。

 そして、全く事実に基づかない教義に殉じて、自殺までしようとするのですよ。

 理解不可能……意味不明です。


鑑定(アプライザル)】して見ると、彼らが一種の脳疾患のような状態にある事がわかります。


 状態異常……洗脳……と表示されていました。


 洗脳の程度が悪い者は、自殺などを試みたり、改宗を拒否します。


 しかし、私達には関係ありません。

 人種には自殺したければ自殺する権利があります。

 お好きなようにどうぞ。


「ノヒト。この者達の洗脳を解きたいのですけれど。出来ますかしら?」

 リントに頼まれました。


「懲罰として、この状態異常は残しておくつもりでしたが、リントに頼まれれば仕方がありませんね。【超神位(運営者権限)魔法……範囲(レンジ・)指定(スペシフィケーション)……半径(レイディアス)5000km……完全治癒(パーフェクト・ヒール)】」

 私は【ウトピーア】の領土全域に、洗脳解除を目的として【超神位(運営者権限)魔法……完全治癒(パーフェクト・ヒール)】を行使しました。


 ついでに、【ウトピーア】中の傷病者が健康になったでしょうね。

 まあ、難病や難しい手術などは、個別に行わなければ完治はしませんが、骨折程度なら今の1発で丸っと治療済。


 莫大な魔力が奪われましたが、私は魔力無限なので問題ありません。


 洗脳が解けた者達が、口々に改宗とリントの庇護下に入る事を希望して来ましたが、ガン無視。

 あなた達は、【誓約(プレッジ)】したのですから、大人しく【魔界(ネーラ)】に行ってもらいますよ。


 ルシフェルから……【魔界(ネーラ)】統治の為の人材として、知識水準が高い人種を送って欲しい……と頼まれていたので、丁度良いですからね。


 他人から洗脳されたのではなく、自ら洗脳される事を選んだ者を救ってあげる道理はありません。

誓約(プレッジ)】は有効です。


 1時間前までは、枢機卿派は強気でした。

 自分達には、国民の支持がある、と。

 熱狂的に支持されている、と。

 リントに対しても不遜な態度でしたね。


 しかし、今は全員が、改宗とリントの庇護下に入る事を卑屈に懇願しています。

 断りますが……。


 枢機卿派の者達が立場を翻したのは、【超神位(運営者権限)魔法……完全治癒(パーフェクト・ヒール)】が効いて洗脳が解けたというのが9割ほどの理由でしょう。

 残りの1割の理由は……。


 時間を遡る事、数時間前。

 今日の正午の事です。


【ウトピーア法皇国】は、【ブリリア王国】に戦争を仕掛けました。

 これは私達の査察が入ったにも関わらず、中止されずに決行されたのです。


【ウトピーア法皇国】は馬鹿なのでしょうか?

【ブリリア王国】がナメられていたのか、私がナメられていたのか?

 両方かもしれません。


【ウトピーア法皇国】は、隣国【ブリリア王国】の【ノースタリア】に60万、【イースタリア】に40万の大軍を送り込みました。


 開戦から1時間後。

【ウトピーア法皇国】軍総数100万が国境をすっかり越えた後の事……。


 彼らは全滅しました。


 軍事用語で()()とは損耗率3割を指すようですが、今回の場合は文字通りの全滅……つまり10割の損耗です。

【ウトピーア法皇国】の魔導兵器は全て破壊か鹵獲(ろかく)され、兵士は全て死亡か捕虜となりました。


【ブリリア王国】側の損害は、ごく軽微。

 謎の魔女と恐るべき魔獣とによって、【ノースタリア】方面軍は壊滅。

 強力な空母打撃群によって、【イースタリア】方面軍も壊滅。


【ブリリア王国】軍が国境を越えて逆襲して来た為、枢機卿派は、聖都【トゥーレ】防衛部隊を南西部に動かして対抗しようとしましたが……。


「査察中なので、兵器類の移動は許可しません」

 私は、魔導兵器類をゲームマスター権限で無力化しました。


 意地悪?


 いいえ。

 完全にゲームマスターの査察規定に準じています。

 査察中に査察対象物である兵器をゲームマスターである私の許可なく移動させるとか……証拠隠滅であり、査察妨害ですからね。


 私は、規定通りに対応しただけです。


 グレモリー・グリモワールは、グリモワール艦隊と合流して北東に進撃……主要な砦や軍事基地を次々に更地に変えながら、聖都【トゥーレ】に近付いて来ました。


【ウトピーア法皇国】にとって、防空戦力としては虎の子と言われた、局地戦闘飛空艇団が何も出来ずに壊滅した、との一報を受けて、とうとう枢機卿派が主導する【ウトピーア法皇国】はリントに恭順しました。

 リントに恭順するか、【ブリリア王国】に降伏して植民地になるか、という選択肢しかなかったのです。


 枢機卿派の政権が、国民から支持されている?


 そんな愚かな妄想は過去の話です。


 枢機卿派の政権は、【ブリリア王国】に戦争を仕掛け、何も出来ず完敗しました。

 枢機卿派を支持していた国民によって、枢機卿派は吊るし上げられるでしょう。

 殺されるかもしれません。


 ましてや、枢機卿派の政権が行っていた奴隷政策により、【ウトピーア法皇国】にはゲームマスターの私から神罰を加えられます。

 枢機卿派の暴挙によって、国民にも罰が与えられるのですから、トバッチリ。


 いや、【ウトピーア法皇国】の民も、【(ヒューマン)】至上主義を支持していたので、世界(ゲーム)(ことわり)に違反している重罪犯達ですが……。


 枢機卿派の聖職者達も、リントに恭順して庇護を請うしか生き残る道はなかったのです。

 ご愁傷様。


 大概の人種は、切羽詰まれば、信仰心より保身を優先するのです。


 グレモリー・グリモワールと【ブリリア王国】が、私達の交渉を助けてくれましたね。


【ブリリア王国】は、ウエスト大陸の北西にあるオルフェーシュチ遺跡(ダンジョン)の割譲と、【ウトピーア法皇国】の国家予算の10倍の賠償金を要求して来ているそうです。


【ウトピーア】側は受け入れるしかないでしょう。


 リントの最後の言葉が決定打となりました。

 リントは言いました……停戦交渉が不調に終わって戦争が継続するなら、(わらわ)は【ブリリア王国】を全面的に支持する……と。


「【調停者】様。調停をして下さいませんか?」

 枢機卿派の公職者達が、口々に私に懇願しました。


「断ります。【創造主(クリエイター)】や守護竜を神と認めない人達の為には働く理由がありません。あなた達も都合が悪くなった時だけ、私達を頼らないで下さい。あなた達が信じている()()()唯一神にでも頼みなさい」

 私は、突き放しました。


 こうして、リントの承認を受けずに存在して来た【ウトピーア法皇国】は呆気なく滅び、正当な【ウトピーア】が建国されたのです。


 華々しい建国祝賀行事などはなし。

 犯罪国家には、そんなモノは必要ありません。

 ウエスト大陸の守護竜たるリントが建国を決定し、ゲームマスターの私が保証人として、それを担保しただけの事。


 さてと、改宗を拒否した枢機卿派の聖職者と公職者は、【誓約(プレッジ)】に基づき【魔界(ネーラ)】に移住してもらいます。

 泣いて懇願していますが、ガン無視。

 住めば都。

魔界(ネーラ)】も良い所ですよ。

 ただ、混沌(カオス)なだけです。

 あくまでも、あなた達の【誓約(プレッジ)】は有効ですからね。


 エクストリア達……法皇派も立場が変わります。

 エクストリアの肩書きは【リントヴルム】聖堂の【トゥーレ】の聖堂長。

 ティファニーの部下という扱いになります。

 リントへの恭順をして庇護下に入った()【ウトピーア法皇国】の聖職者達は、全員、その部下。


 しかしながら、エクストリアは、しばらく【ドラゴニーア】で再教育をされ、善き【リンドブルム】聖堂の聖堂長になるように思想矯正が図られるのだ、とか。


 邪教信仰の洗脳の影響は私が完全浄化しましたが、思想教育の悪影響は残っています。

【エルフ】や【ドワーフ】などを()()、【獣人(セリアンスロープ)】を()()などと蔑み差別する思想ですね。

 それらの汚らわしい思想を根絶するところから始める必要があるでしょう。


 政務は、しばらくはリントが指名したパートタイマーの王にやらせるそうです。

 その王は、世界から公募して選ぶのだ、とか。


 そこのあなた、王様をやりませんか?


 凄い勧誘の文句です。


【ウトピーア法皇国】の評議会は解散して、リントへの忠誠を【契約(コントラクト)】で誓った候補者を対象にして改めて総選挙が行われるのだ、とか。

 来年の年末年始にかけて、選挙、投開票、議会招集、新憲法制定……というスケジュールになります。

 サウス大陸の【パラディーゾ】と同じタイミングですね。


 つまり、【ウトピーア】は立憲君主制の国となる訳です。

 リントがやりたいようにやったら良いのですよ。


【ウトピーア】は、それでOK。


【サントゥアリーオ】の方は、しばらくは【ドラゴニーア】などから支援を受けながら、農業などの産業育成と教育などを、じっくり行うそうです。

 奴隷化されていた人達が、一体どんな状況なのかもわかりません。

 もしかしたら、社会性が失われている可能性もあり得ます。


 しかし、存外リントは、アイデア・ウーマンなので任せておけば良いですね。


 そして、()枢機卿6人ですが……彼らは、死ぬまで永久に【魔力子反応炉(マギトン・リアクター)】に繋がれる事になりました。

 彼らが奴隷にしていた事の因果応報です。


 リントは、元枢機卿6人を閉じ込めた魔力吸収ユニットを【トゥーレ】の中央聖堂に展示して一般公開し、()()()()にするつもりなのだ、とか。


 リントは、優しいだけの守護竜を卒業して、ソフィア並みに苛烈さも表していくつもりのようです。


 兎にも角にも、【ウトピーア】問題は、一応の解決を見ました。

 楽勝です。


 問題の解決を図る為に、戦争など武力を用いなければならないような状況に陥るというのは、問題への対応が上手くいっていないという事。

 つまり、私が攻撃魔法を使わない状況は、問題への対応が上手くいっているという証拠です。


 後は、リントとティファニーに事後処理を丸投げしてしまいましょう。

お読み頂き、ありがとうございます。


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[一言] 返信頂いてお手間おかけしました。 主人公が設定に忠実な態度は、小説の主題だから仕方ないと思います。ただ、封神演義で言う女禍のような考え方で、悪役に思えて仕方ありません。悪役が嫌いなわけではな…
[一言] 酷い独裁者があたかも正義化のように。 作者は藤崎竜の封神演義見てみたらいい。
[良い点] 魔界って字面が悪印象すぎる… [一言] 魔法ギルドの国外追放は問題があるだけで世界のルールには違反しない?
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