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第208話。グレモリー・グリモワールの最終兵器。

名前…ゾーラ

種族…【ドラゴニュート】

性別…女性

年齢…162歳

職種…【女神官(プリーステス)

魔法…【回復(リカバリー)治癒(ヒール)】など。

特性…飛行、【神竜(ソフィア)の使徒】、【才能(タレント)看護(ナーシング)

レベル…62


【ドラゴニーア】西の都市【ラウレンティア】の神殿長。

 世界銀行ギルド【ドラゴニーア】本店。

 頭取執務室。


「……グレモリー・グリモワール様は、私共、ノース大陸に生まれ育った者にとっては、神にも等しい、お方なのです。ノヒト様、どうか、グレモリー・グリモワール様を滅殺するなどという事は、お考え直し下さいませ。お願い致します」

 銀行ギルド頭取のビルテさんは、跪いて懇願していました。


 困りましたね。


「ビルテさん。とりあえず、座って話を聴いて下さい。私も、自分で創り、また手塩にかけて育てたグレモリー・グリモワールを滅ぼしたくはありません。しかし、事と次第によっては、それが許されない状況なのです」

 私は、冷静に話しました。


「グレモリー・グリモワール様は、ノヒト様の意思を履行していらっしゃった、と……。つまり、今のグレモリー・グリモワール様は、ノヒト様の意思に反しているという事でしょうか?」


「現状は、私の意思に反している、とまでは言えませんが、今後の保証はありません。私が、900年振りに【ドラゴニーア】の竜城で、この世界(ゲーム)で復活した時、グレモリー・グリモワールも同時に復活したのだと思います。それは、グレモリー・グリモワールが900年間、ギルド・カードの利用歴がなかった事から、間違いないでしょう。その時、グレモリー・グリモワールは、私のコントロールから離れてしまったのです。私は、その原因が、何者かによる精神支配ではないか、と考えています」


 グレモリー・グリモワールのギルド・カードの利用歴は、銀行ギルドが確認しています。


「つまり、今のグレモリー・グリモワール様は、何者かによって操られている、と?」


「はい。それが一番可能性が高いと思います。私は、グレモリー・グリモワールを何者かが操っているのだとしても、必ずしも脅威ではないと考え、今日まで自由にさせていました。しかし、グレモリー・グリモワールは、艦隊を動かそうとしています。あの艦隊は、グレモリー・グリモワールの造ったモノですが、その知識と技術は私のモノです。私の手を離れたグレモリー・グリモワールが、私の知識と技術を使え、また、強力な戦闘艦隊を指揮する事になる。これを、ビルテさんは脅威と考えませんか?」


「確かに……。ですが、ピオの報告でも、祖母ディーテの話でも、あのグレモリー・グリモワール様は、正に、湖畔の聖女、の名に相応しい方だ、と」


「はい。私も、その情報を聴いて、今日までは、()()グレモリー・グリモワールを放置して来ました。しかし、状況が変わったのです。グリモワール艦隊と、それから、もう一つ……。グレモリー・グリモワールは、最終兵器を手にしてしまいます。グレモリー・グリモワールの最終兵器は、私やソフィアが対応をしなければ、【ドラゴニーア】を滅ぼせます」


「最終兵器?それは、どのような物なのでしょうか?【神の遺物(アーティファクト)】の(たぐい)でしょうか?」


「【神格】の守護獣【ベヒモス】を材料とした【ホムンクルス】です」


「【ホムンクルス】……【失われた古代の(ロスト・エンシェント)魔法体系(・マジックス)】!」


【ホムンクルス】とは、死体に生命を吹き込めるというモノ。

 現在の魔法ギルドの扱いは、禁呪指定。

 とはいえ、簡単に再現が可能な魔法ではありませんが……。


【ホムンクルス・ベヒモス】。


 アレは、グレモリー・グリモワール(私)が、【マグメール】に上陸し【神格】の守護獣【ベヒモス】を討伐した事による、【追加贈物(ギフト)】として運営からもらった報酬……つまり【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】を与えて産まれた異形の怪物。

 わかりやすく言えば、自我と知性と感情を持った【不死者(アンデッド)】のようなモノです。


【ホムンクルス】の造り方は……。

 まず、任意の死体を【賢者の(フィロソファーズ・)(ストーン)】と【超位】の【積層型魔法陣】を用いて【ホムンクルス】として復活させます。

 これだけでは不十分。

【ホムンクルス】は、知性が低く、情緒が荒廃しているので、制御が困難だからです。

 それでも位階の低い魔物などであれば、【管制(コントロール)】系の【能力(スキル)】で無理やり制御する事は可能でしょう。

 しかし、強力な(知性が高い)魔物を【ホムンクルス】として使役するのは、ほとんど不可能なのです。

 まず言う事を聞きませんので。


 私なら、出来るかもしれませんが……。


 とにかく、ゲームでの【ホムンクルス】の使い方は、【(ドラゴン)】などの強力な魔物の死体を【ホムンクルス】にして、敵の陣地などに放ち暴れさせる、という使い方。

 いわば、生物テロ兵器としての用途なのです。


 仮に、守護獣級の【ホムンクルス】を自由に操れるとするなら強力無比でしょう。

 何故なら、魔力効率が生前より下がる【不死者(アンデッド)】とは違い、【ホムンクルス】は魔力効率は生前のまま……つまり戦闘力も生前のままですので。


【ホムンクルス】は、【調伏(テイム)】された従魔より精緻に自分の手足のように使役する事が可能。

 従魔は、つまるところは良く馴れた家畜に過ぎませんが……【ホムンクルス】は操縦も出来ます。

 また、強力な魔物と戦い、弱らせて屈服させ【調伏(テイム)】するという段階を踏む必要もない為、そこらへんに転がっている死体を利用出来て、取得時のリスクが少ないというメリットもあります。

 そして、そもそもの前提として、守護獣は、全個体が名持ち(ネームド)ですので、【調伏(テイム)】は出来ませんしね。


【ホムンクルス】は【不死者(アンデッド)】と同じで食料は必要としませんが、【不死者(アンデッド)】とは違い自立活動も可能。


 つまり、【調伏(テイム)】された従魔と、【不死者(アンデッド)】の良いところを併せ持つのが【ホムンクルス】なのです。


 しかし、ここで、【ホムンクルス】の最大の弱点である、知性が低く、情緒が荒廃しているというデメリットに回帰。


 どんなに強力な魔物でも、命令を聞かず、ただ暴れ回るだけならば、コストをかけて【ホムンクルス】にする意味がありません。

 なので、生物テロ兵器くらいしか利用価値がないのです。


 しかし、グレモリー・グリモワール(私)は、【ベヒモス】討伐の【追加贈物(ギフト)】として運営から【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】をもらいました。

 この【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】の別名は、【知恵の実】。

 つまり、食べた者の知性を種族限界値まで上げる効果があるアイテムでした。


 知性が低く、情緒が荒廃した【ホムンクルス】は、【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】を食べさせると、主人に従順で、かつ、種族限界値まで知性が上がった【ホムンクルス】となります。


禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】は、超絶レア指定されているアイテムでしたが、効能が……食べた者の知性ゲージを種族限界値まで上げる……というだけの物なので、ユーザーからは、外れアイテムと呼ばれていました。

【神格】の守護獣を討伐する以外にも【神竜(ディバイン・ドラゴン)】降臨イベントでももらえますが、外れアイテムと見做されている【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】を大半のユーザーは選びません。


 グレモリー・グリモワールは、【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】を【ホムンクルス】に知性を与える為に使いました。

 これは、運営側としては想定外の使い方ではありません。

【神格】の守護獣の討伐達成時に【追加贈物(ギフト)】として、もらえる事からもわかるように、運営側としても【神格】の守護獣を【ホムンクルス】として【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】で手懐ける事を想定していたのです。

 しかし、【神格】の守護獣を倒し、その死体で【ホムンクルス】を造ろうとしたユーザーは、グレモリー・グリモワール(私)の他にはいませんでした。

 そして、グレモリー・グリモワール(私)の他に、【禁断の(フォービドゥン)果実(・フルーツ)】を【ホムンクルス】の知性を上げる目的に使用した例もありません。

 あるいは、そういう事が可能なのを知らないだけなのかもしれませんが……。


 グレモリー・グリモワール(私)の【ホムンクルス・ベヒモス】は、【神格】の守護獣【ベヒモス】と同等の強力な戦闘力を持ち、かつ、従魔のように従順な【ホムンクルス】という訳です。


 そのような恐るべき最終兵器を操れるグレモリー・グリモワールが何者かに操られているかもしれない。

 さらに、グレモリー・グリモワール自体も、【神格】の守護獣を殺せる戦闘力がある。

 つまり、グレモリー・グリモワールが私の敵に回れば、私は、【神格】の守護獣を同時に2体相手取るのと同じくらいには負荷がある訳です。


 私かソフィアが、すぐに対応出来れば良いですが、その前に、【ホムンクルス・ベヒモス】を市街地に放たれたら……。


【ホムンクルス】は【不死者(アンデッド)】と違い主人(マスター)を殺しても活動を停止しません。

 グレモリー・グリモワールと【ホムンクルス・ベヒモス】が別々の場所で同時に破壊活動を行えば、同時に2ヶ所を制圧しなければなりませんから……厄介ですね。


 私とソフィアが手分けをするにしても……対応が遅れれば、多大な犠牲を払う事になります。

 レジョーネや神の軍団を全て投入すれば、犠牲を減らせるでしょうが……レジョーネや神の軍団の神兵に犠牲が出てしまうかもしれません。

 グレモリー・グリモワールや【ホムンクルス・ベヒモス】には、それだけの能力がありますので。

 つまり、オラクルやトリニティやヴィクトーリアや神兵達が死ぬかもしれないという事です。


 私は、絶対に、それを受け入れられないでしょう。


 これを脅威と言わずして、一体何が脅威なのでしょうか?


 なので私は、グレモリー・グリモワールが【ホムンクルス・ベヒモス】を手に入れる前に手を打つ決断をしました。

 つまり、【ホムンクルス・ベヒモス】を手に入れる前にグレモリー・グリモワールと会い、私の支配下に入る事を要求します。

 そして、従わなければ、その場で滅殺しなければいけません。


「グレモリー・グリモワールが【ホムンクルス・ベヒモス】を手に入れる状況を最後の一線だと考えています。私の意思から離れたグレモリー・グリモワールに、その一線を踏み越えさせる訳にはいきません。これは、【調停者(ゲームマスター)】としての業務だ、と考えて下さい」


「……畏まりました。【創造主】様の御使(みつかい)たる【調停者】様の、ご意思には背けません……。ですが……何故、私に、その事を、お話し下さったのですか?」

 ビルテさんは、達観したように言いました。


「ディーテ・エクセルシオールがビルテさんの家族だからです」


「祖母が?……まさかっ!ノヒト様、祖母も滅殺される、おつもりなのですか?」

 ビルテさんは、目を見開いて言います。


「それをしたくないので、ビルテさんに打ち明けました。ディーテ・エクセルシオールに……私が、グレモリー・グリモワールを滅殺する状況になっても、絶対に動くな……と、伝えて下さい。ディーテ・エクセルシオールが、グレモリー・グリモワールを庇うなら、彼女も一緒に滅殺しなければならなくなります」


「そんな……。祖母は、グレモリー・グリモワール様を生涯の友と言っておりました。私が子供の頃、祖母は毎日、グレモリー・グリモワール様と一緒に冒険した時の話を聞かせてくれたのです。祖母は、いつも、グレモリー・グリモワール様との冒険の日々を、生涯最良の思い出と言っていました。当時は、グレモリー・グリモワール様の事を、祖母は、【青衣の大魔導師】と呼んでおりましたが……。どうやら、グレモリー・グリモワール様から……恥ずかしいから名前は非公開で……と言われていたようです。祖母にとってグレモリー・グリモワール様は、特別な存在。いつも超然としている祖母が、他者に対して、あのように執着を見せる事は、グレモリー・グリモワール様をおいて他にはありません。ノヒト様がグレモリー・グリモワール様を滅殺なさるのならば……祖母は、きっと、グレモリー・グリモワール様と命運を共にするのではないでしょうか……」


 ん?

 ディーテ・エクセルシオールがグレモリー・グリモワールを生涯の友と見做している?


 意味がわかりませんね。

 確か、ディーテ・エクセルシオールがグレモリー・グリモワールと交流したのは、ここ数日間の事だったはず。

 たった数日で、そこまで親密になるモノなのでしょうか?

 意気投合したとしても、命運を共にする……つまり一緒に死ぬ覚悟をするほど、とまではならないと思います。


 それに900年前、グレモリー・グリモワール(私)がディーテ・エクセルシオールに対して……恥ずかしいから名前は非公開で……などとは頼んだ事実はありません。

 そもそも、予めゲーム上で決められた台詞以外の会話などしていませんし、そんな事はゲームの仕様上出来ないのです。

 ゲームには、そんな設定もプログラムも存在しないのですから。


 ゲームの時に、私が操作しているグレモリー・グリモワールとNPCのイベント案内役だったディーテ・エクセルシオールは、長くパーティを組んで2人で冒険をしました。

 しかし、ディーテ・エクセルシオールは決められた台詞を喋るだけ。

 私が操作するグレモリー・グリモワールは終始無言でした。

 操作している私が知らない間に、プレイヤー・キャラとNPCが会話をして友情が芽生えるなんて事は、あり得ません。


 チーフ・プログラマーの私が断言します。

 このゲームには、そのようなプログラムは、組まれていません。


 どういう事でしょうか?

 ビルテさんの話の意味が、よくわかりませんね。


 ゲームの世界と、この異世界は、違う世界なのでしょうか?

 あるいは、ゲームの中の世界は、外の世界からでは窺い知れない()()があるのでしょうか?


 何だか、頭が混乱して来ました。


「……様。ノヒト様……」

 ビルテさんが、私を呼んでいます。


「あ、失礼。何ですか?」

 私は、現実に引き戻されました。


「祖母は、きっとグレモリー・グリモワール様を守ろうとするはずです」

 ビルテさんは、悲痛な表情で言います。


「そうですか……それは、残念ですが、致し方ありませんね」


「お、お待ち下さい。説得を試みます。現在、祖母は、【サンタ・グレモリア】にいるはず……グレモリー・グリモワール様とは別行動を取っていますので」

 ビルテさんは、スマホを取り出しました。


「ディーテ・エクセルシオールに……くれぐれも、グレモリー・グリモワールに(くみ)しないように……と伝えて下さい。それから、グレモリー・グリモワールを逃すような事をしないで下さい。もしも、ビルテさんやディーテ・エクセルシオールが、グレモリー・グリモワールの逃走を幇助した場合は、私は、【エルフヘイム】に【神の怒り(ラス・オブ・ゴッド)】をもたらしますからね」


「わ、わかりました。私を信用して機密を打ち明けて下さったノヒト様を裏切るような真似は絶対に致しません」


「では、私は戻りますね」


「あっ、ノヒト様……」


 私は、その場から、【タナカ・ビレッジ】に【転移(テレポート)】しました。


 ・・・


【タナカ・ビレッジ】。


 もう、夜中です。

 トリニティがクイーンの屋敷の外まで、私を出迎えに来てくれました。


「お帰りなさいませ」

 トリニティは言います。


「ただいま。皆は?」


「先ほど、ファミリアーレは勉強を切り上げてホテルに向かいました」

 トリニティは、言いました。


「どう思う?忌憚のない意見を聞かせて欲しい」


 こう訊ねれば、私とパスが繋がるトリニティは、全てを察するはずです。

 トリニティは、私とビルテさんとの会話をパスを通して全て聴いていたのですから。


「私ならば、敵に繋がる者に情報を伝えたりはしません。ですが、ノヒト様のなさる事。きっと、私などには及びもつかない深い思慮があるのだ、と拝察致します」


「いや、これは私の甘さだよ。深い思慮なんかではない」


 ビルテさんが、私を裏切る可能性は、あり得るでしょう。

 職責やコミュニティの平和より、肉親の情を選ぶ者は少なくありません。


 先ほどの会談での【誓約(プレッジ)】は、私とビルテさんとの会話の内容を、ビルテさんが秘匿する、というモノ。

 会話の内容を秘匿した上で、ディーテ・エクセルシオールに、ビルテさんが、私がしようとしている事を伝える事は不可能ではありません。

 例えば、予め、符丁を双方で申し合わせておくとか……逃げろ、だとか、狙われている、だとか、危険、だとか、というシンプルな指示を出す事も出来ますので。

 そういう抜け道が、【契約(コントラクト)】や【誓約(プレッジ)】には、あるのです。

 なので、公式な契約では、そういった抜け道をいちいち塞ぐような形で【契約(コントラクト)】や【誓約(プレッジ)】を結ぶ必要がありました。

 私は、今回、そうしていません。

 ある程度、ビルテさんから情報が流れる事を覚悟した上で、あえて、厳格な措置を講じなかったのです。


 私は、ディーテ・エクセルシオールがグレモリー・グリモワールを説得してくれる可能性も考慮して、ビルテさんに事情を話す決断をしたのです。


 私がグレモリー・グリモワールを管理下に置く事に失敗したら、私は、即座にグレモリー・グリモワールを滅殺しなければなりません。

 しかし、取り逃がしてしまった場合。

 恐らく、グレモリー・グリモワールは、身一つで脱出する事になるでしょう。

 私は、グリモワール艦隊と【ホムンクルス・ベヒモス】を持たせたまま、逃がしたりはしませんので。

 それは、あらゆる能力を駆使して全力で阻止します。


 身一つで逃げたグレモリー・グリモワールは、ディーテ・エクセルシオールを頼るのではないでしょうか?

 希望的観測かもしれませんが、そうなれば、ディーテ・エクセルシオールがグレモリー・グリモワールを説得してくれるのではないか?

 ディーテ・エクセルシオールは、正義(ライト・サイド)導き手(メンター)として設定・プログラムされていました。

 ビルテさんに情報を与えた理由は、万が一、私がグレモリー・グリモワールを取り逃がした場合の保険として、ディーテ・エクセルシオールの、その能力に賭けた、という意味合いもあります。


 裏切られたら?

 その時は、その時。

 致し方ありません。

 ファミリアーレを安全な場所……竜城にある私の亜空間部屋などに匿った上で、グレモリー・グリモワールの陣営と決戦に臨まなくてはならないでしょう。


 グレモリー・グリモワールは私がキャラ・メイクしたのですし、ディーテ・エクセルシオールは私の会社が創ったのです。

 避けられる事ならば、滅殺などしたくはありません。

お読み頂き、ありがとうございます。


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