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第1207話。グダグタなペナルティ。

【ブリリア王国】と【イスプリカ】の国境。

【ログレス渓谷】の【イスプリカ】側入口。


 私は、【イスプリカ】軍のキャンプを上空から鳥瞰(ちょうかん)します。


【マップ】に表示されている光点(マーカー)反応のカウント数は総勢50万人程でした。

 通信、輜重(しちょう)(補給)、整備、衛生(医療)、警備(憲兵)などの段列(だんれつ)、それから様々な労役・雑役を担わされている奴隷達……など、非戦闘員と思われる者達が相当数居るようなので、純粋兵力は半分以下かもしれません。


 兵科は一応……歩兵、砲兵、戦車、工兵、航空騎兵、偵察……などがあるようです。

 もしかしたら、前近代的なマスケットと長槍を組み合わせたテルシオ戦術などが使われているかもしれないと思っていましたが、【イスプリカ】軍の歩兵はボルト・アクション・ライフルを装備していました。


 砲兵隊は、一応野戦・対空の両砲が数多く配備されているようですが、【グリモワール艦隊】の艦船に対して、あんな砲架式の大砲を何発撃っても(にぎ)やかし以上に(ほとん)ど何の意味もありません。

 仮に砲弾が【グリモワール艦隊】の艦船に直撃しても、艦の【防御(プロテクション)】の【耐久力(エンデュアランス)】を幾らか削るだけで船体には傷はおろか汚れすら付きませんし、そもそも音速航行する飛空艦船に対して人種の目視に頼る測距儀(レンジ・ファインダー)で狙ったところで当たる訳がないのです。

 そして、直撃弾で僅かに削った【耐久力(エンデュアランス)】も時間経過で自動回復してしまいますしね。


 意外にも、と言っては侮り過ぎかもしれませんが、100両程の戦車も配備されていました。


 2個戦車大隊というところでしょうか?


 ミネルヴァのサーベイランスによると、この戦車はゲーム・純正(オリジナル)の【神の遺物(アーティファクト)】である【魔導戦車(マジック・タンク)】ではなく、魔()戦車(タンク)とデータ表示されています。


 これは、【ウトピーア法皇国】の兵器でした。

【イスプリカ】は神権連合陣営なので、元は陣営の盟主であった【ウトピーア法皇国】からの提供、あるいは購入したモノでしょう。


 航空騎兵の騎竜は【翼竜(ワイバーン)】。

 可もなく不可もなくという代表的な騎竜ですね。


 半数程の【翼竜(ワイバーン)】は、鞍座(サドル・チェア)がない無人のモノもありました。

 あれは【騎手(ライダー)】が操縦するのではなく、【調伏士(テイマー)】が使役する従魔の扱いになります。


調伏士(テイマー)】が地上から操ると距離が離れて、【パス】の有効範囲から外れてしまうので、おそらく【騎手(ライダー)】が操縦する指揮官騎竜に【調伏士(テイマー)】が2人乗り(タンデム)して1頭から数頭の【翼竜(ワイバーン)】を操る方法で編隊を組んで運用するのでしょうね。

 各個に【騎手(ライダー)】が操縦するより機動性が劣りますが、航空騎兵の育成は技術的にも労力的にもコスト的にも大変なので致し方ありません。

【ドラゴニーア】のように多数の【竜騎士(ドラゴン・ライダー)】を1国で保有しているのが、現代のNPC国家の常識からすると特殊なのです。


 気になったのが、奴隷の扱い。

 大半の奴隷は労役・雑役を行う目的で従軍しているのがわかりますが、一部ボロい鎧姿の奴隷達が散見されました。


 奴隷を戦闘員にしているのでしょうか?


 奴隷に武器を与えて自立的な行動を許せば、武装蜂起や反乱というリスクがあるので、普通の感性なら奴隷を戦闘員として使役するような事はしないと思います。

 地球の歴史では、オスマン帝国のマムルーク重騎兵のように奴隷身分の兵も居る事は居ますが、マムルークは文字通りの奴隷ではなく、職業軍人が扶養する徒弟(とてい)のような扱いでした。

 徒弟(とてい)制度ですので、経験と戦功を積んだ徒弟(とてい)は、やがて一人前になって独立し、自らも徒弟(とてい)を抱える親方軍人になる訳です。

 これは、奴隷制というより無期限の年季奉公みたいなモノかもしれません。


 ミネルヴァから……【イスプリカ】にマムルーク制がある……との報告は受けていないので、【イスプリカ】軍の奴隷兵は、もしかして肉盾という事なのでしょうか?


 如何(どう)やら、その可能性が高そうですね。


 ミネルヴァの報告(リポート)にも、私の推測が肯定される情報がありました。


【イスプリカ】軍の奴隷兵は、最低限の防具を持ち最前線に展開させられます。

 そして運良く1日の戦闘に生き残れたら、食料支給が増えたり食事の質が上がったり、菓子や酒や煙草など嗜好品が与えられたり、入浴や医療を受ける事などが許可されたり、あるいは性的なサービスを受けられるなどのインセンティブが与えられるのだとか。

 勇敢に何度も肉盾役を熟して生き残れたら、奴隷の身分から解放される場合もあるようです。


 奴隷にされている人達の待遇改善を鼻先にぶら下げて、自発的に血の代償を支払わせるように仕向けるとは、何とも下劣で酷い扱いですね。


 まあ、そもそも奴隷制自体が【世界の(ことわり)】違反で、私としては絶対に是認出来ない事なので、奴隷の扱いもヘッタクレもない訳ですが……。


「【魔法中断(マジック・キャンセル)】。【超神位(運営者権限)……結界(バリア)】」

 私は拷問官の【激痛(インテンス・ペイン)】と【麻痺(パラライシス)】と【結界(バリア)】、それからテントの中の歩哨の【昏睡(コーマ)】を一旦全て解除した後で、【イスプリカ】軍のキャンプ全域を覆う広大な【結界(バリア)】を展開しました。


 さてと、これから私が何をやろうとしているか?


【イスプリカ】軍を【神の怒り(ラス・オブ・ゴッド)】で殲滅?


 殲滅してしまいたいのは山々です。

 しかし、原則としてゲームマスターはNPC国家間の紛争には介入しません。


 まあ……【世界の(ことわり)】に反して奴隷を使役している事を根拠に【イスプリカ】軍を殲滅……という理屈は一応成立するのですが、今この【イスプリカ】軍50万人(奴隷にされている無辜の人達は除く)を殲滅してみた結果、発生する後始末の事まで考えると合理的ではないのです。


 あくまでも現在の私とゲームマスター本部にとって【魔界(ネーラ)】平定戦が最優先。

魔界(ネーラ)】平定戦のスケジュールに影響が出るような形で、現在【イスプリカ】問題に関与してしまうのは得策ではありません。


【イスプリカ】軍が奴隷として使役している人達を解放する?


 それは確定事項です。

 私の視界に奴隷にされている人達がいたら、それを解放するのは条件反射のようなモノ。

 これは理屈ではありません。

 ゲームマスターの私であれば……【魔界(ネーラ)】平定戦の方が優先順位が高い……などと御託を並べている間に奴隷にされている人達を解放出来てしまいます。


 問題は如何(どう)やるか?


 私が、今この場で【イスプリカ】軍が使役している奴隷にされている人達の解放を宣言してみたところで、それは大して意味がある行為ではありません。

 それでは【イスプリカ】の皇帝が布告した馬鹿な奴隷解放勅令と同じ事でした。

 奴隷から解放された人達を、基本的人権が守られる形で自活させなければ奴隷を解放した事にはならないのです。


 しかし、現在の状況は、私が、そういう丁寧な対応をする暇がないというのが悩ましい所でした。

 まあ、私が支配下に置いている【シエーロ】の【天使(アンゲロス)】達を使って、何とかしてしまいますけれどね。


 解放奴隷の処遇は、それで良いとして、他の将兵を如何(どう)するかが問題です。

【シエーロ】の【天使(アンゲロス)】達を働かせるにしても、眼下の50万人(奴隷にされていた無辜の人達は除く)を【シエーロ】で丸抱えするのは面倒極まりありません。


 そこで、私は思い出しました。

 グレモリー・グリモワールが話していましたが、何やらノート・エインヘリヤルがおかしな事をやっているそうです。


 何でしたっけね?


 あ〜、そうそう。

【ノート・エインヘリヤル・小競り合い(スクリメージ・)分隊(スクアッド)】でしたね。


【ノート・エインヘリヤル・小競り合い(スクリメージ・)分隊(スクアッド)】とは、ノート・エインヘリヤルの陣営が【イスプリカ】方面に進出させている同盟部隊というか、協力部隊というか、とにかくノート・エインヘリヤル陣営と目的を共有しながらも自立(スタンド・アローン)で勝手に戦っている非正規戦闘集団です。


【スクリメージ・スクアッド】は、元は【ガレリア共和国】と【イスプリカ】の国民でした。

 ノート・エインヘリヤルは、彼らを【眷属化】したり、【魅了(チャーム)】したり、【精神支配】して、ノート・エインヘリヤルと【クレオール王国】の為に死を恐れずに戦う狂気の軍団に変えています。


 (くだん)の【スクリメージ・スクアッド】にノート・エインヘリヤルが行っている【眷属化】や【魅了(チャーム)】や【精神支配】は、一応【世界の(ことわり)】に準拠した適正な使用なので、私やゲームマスター本部は傍観していました。


 また、ノート・エインヘリヤルは、ベータ版に依拠する【(グランド)付与術(・エンチャント・)(ミストレス)】で【経験値譲渡】という【能力(スキル)】を【才能(タレント)】として持っています。

【経験値譲渡】は、ノート・エインヘリヤル自身やパーティ・メンバーが稼いだ経験値を貯めておいたり、貯めた経験値をパーティ・メンバーに譲渡出来るというチート級の【能力(スキル)】でした。

【経験値譲渡】の効果が余りにも強力だった為に、ゲーム会社(運営)から……ゲーム・バランスを壊す……と判断され正式(オーソライズド)版では除外(オミット)されています。


【スクリメージ・スクアッド】もノート・エインヘリヤルから【経験値譲渡】を受け、チート強化によって相応に戦える兵士達になっていました。

 つまり、【スクリメージ・スクアッド】は【眷属化】と【魅了(チャーム)】と【精神支配】の影響でノート・エインヘリヤルの為に死を恐れず戦い、尚且つチートな【経験値譲渡】で強化された狂信者の軍団なのです。


 まあ、【世界の(ことわり)】を遵守するベクトルに狂気が向いているのが救いですが……。


 ノート・エインヘリヤルとスライマーナ・トランスペアレントは……奴隷解放……をスローガンに掲げて【リントヴルム公国】(現【クレオール王国】)を建国し、奴隷制を敷く【ガレリア共和国】と【イスプリカ】と戦っています。

 ノート・エインヘリヤル陣営は、【ガレリア共和国】と【イスプリカ】に攻め込んで各地を占領し、現地で奴隷にされていた人達を解放して【リントヴルム公国】(現在は【クレオール王国】に改称)の国民にしていました。


 占領地の一般住民は無辜の民なら無条件解放しています。

 無辜の民が現地に留まりたければ現有財産の継続保有を保証した上で【リントヴルム公国】(現【クレオール王国】)の国民にしてしまい、【ガレリア共和国】や【イスプリカ】の勢力圏に移りたければ土地以外の動産を全て自力で持ち運べるだけ持たせて移動させていました。


 無辜の民ではない(奴隷を使役していた)者達と、【ガレリア共和国】と【イスプリカ】の軍や騎士団は、一旦捕虜にして【ガレリア共和国】と【イスプリカ】の政府と交渉をして身代金との引き換えや捕虜交換などの手続きで解放しています。


 しかし、ノート・エインヘリヤル陣営が攻め落とした占領地の捕虜の中には、無辜の民ではなく、また【ガレリア共和国】と【イスプリカ】から受け入れを拒否された者がいました。

 犯罪者やギャングやチンピラやゴロツキ……所謂(いわゆる)無法者だった連中です。


 彼らのような胡乱(うろん)な連中は、ノート・エインヘリヤル陣営でも受け入れたくはありません。

 なので、無法者達の処遇を持て余したノート・エインヘリヤル(献策(けんさく)したのはスライマーナ・トランスペアレントか【堅聖】キューダス・ロイガーだと思います)は、無法者達を【スクリメージ・スクアッド】という使い潰しが可能な戦力として敵国勢力圏に放ちました。


 エゲツない戦略ですよ。


【スクリメージ・スクアッド】は当初20人1個部隊の計5個部隊で編成され、基本的な任務としては【イスプリカ】勢力圏に侵入し現地の野盗や山賊などを強襲して制圧し、彼らとその家族に資金や道具などのリソースを与えて【イスプリカ】の未開地で開拓村を作らせて土着農民に変えているそうです。

 この行動自体は、別段問題はありません。

 むしろ、野盗や山賊などという犯罪者を更生させて真っ当な農民に変えているのですから、善い行いです。


 しかし、【スクリメージ・スクアッド】は、【イスプリカ】の皇帝や各選帝侯領の軍とも戦っていました。

 そもそも【スクリメージ・スクアッド】は、ノート・エインヘリヤルに狂気の忠誠を誓うイカレた連中なのですから、ノート・エインヘリヤルの陣営と戦争をしている【イスプリカ】の皇帝や選帝侯達は、【スクリメージ・スクアッド】にとっては敵なのです。


 しかし、20人の部隊5つばかりの寡兵で、1国を相手に戦いを仕掛けますかね?


 まあ、だからこその狂信者な訳ですが……。


【スクリメージ・スクアッド】が【イスプリカ】の皇帝や選帝侯が組織する正規軍や正騎士団に勝てれば、【イスプリカ】各地の街・町・村・集落の奴隷を解放して後送し、【クレオール王国】の国民にしているそうです。

 負ける場合も、【スクリメージ・スクアッド】は【眷属化】や【魅了(チャーム)】や【精神支配】の影響で頭が少しアレになっているので、ノート・エインヘリヤルの役に立つ為に最後の1兵まで死力を尽くして戦うので、【イスプリカ】の各選帝侯や在地領主から恐れられていました。


 こんな訳のわからない危ない連中が国内で暴れていれば、【イスプリカ】の皇帝や選帝侯達が放置しておく筈がありません。

 もちろん、【イスプリカ】の皇帝と選帝侯達は、全力で【スクリメージ・スクアッド】を討伐しようとしています。


 なので、現在【スクリメージ・スクアッド】は相当な損耗をしていました。

 早晩【スクリメージ・スクアッド】の各分隊は全滅するのではないでしょうか?


 ノート・エインヘリヤルもスライマーナ・トランスペアレントも、元々は【ガレリア共和国】と【イスプリカ】との捕虜返還(交換)交渉で引き取りを拒否された無法者の処遇に困って始めた事なので、【スクリメージ・スクアッド】の全滅は当初から折り込み済。

 もちろん、ノート・エインヘリヤル陣営から【スクリメージ・スクアッド】に援軍が送られる事もないでしょう。


 そう考えると、多少【スクリメージ・スクアッド】が気の毒にも思えて来ますが、本国から引き取りを拒否されるような札付きの悪党達が、最期に正義の軍団として一花咲かせたのですから、存外に【スクリメージ・スクアッド】のメンバーは本望なのかもしれません。


 閑話休題。


 私は、【世界の(ことわり)】に違反する奴隷制国家【イスプリカ】の軍50万人の処遇を、ノート・エインヘリヤルが行った【スクリメージ・スクアッド】のスキームに(なら)おうと考えました。

 別に【イスプリカ】軍50万人を、そっくり【スクリメージ・スクアッド】のような狂気の軍団にするつもりはありません。


 原則、中立公正で1党1派1国に(くみ)しないゲームマスターが……【イスプリカ】の軍を【精神支配】して、【イスプリカ】と戦わせる……というのは、さすがに無茶な話です。


 私がやろうと考えたのは、【スクリメージ・スクアッド】自体ではなく、【スクリメージ・スクアッド】が任務として行っている、野盗や山賊を未開地の開拓農民に変える活動でした。


【イスプリカ】軍に奴隷にされている人達は解放して一旦【シエーロ】に送り、私の支配下にある【天使(アンゲロス)】を使って対応させ、当人達の希望を踏まえて適切に処遇しようと思います。

 つまり、丸投げですよ。


 それ以外の将兵には、全員開拓農民に転職してもらいます。

 別に、開拓村の生産物を、私やゲームマスター本部がピンハネしたりはしません。

 開拓村の税収は、全額開拓村に還元しますよ。


 軍隊は自己完結組織です。

 当面の食糧は、兵糧を流用。

 足りなければ【ドゥーム】から支援します。


 開拓村に相応しい土地を見付けるのは、偵察隊。


 土木・建築は、工兵。


 農作業は、皆で協力してやれば良し。

 農作物の種苗や家畜などは、こちらで用意してあげなければいけませんね。


 鍛治や工業は、整備部門。


 警察や司法行政は、憲兵。


 医療は、軍医と衛生兵。


 自治政府は司令部が担えば問題ありません。


 その他、(およ)そ開拓村に必要な物事は、全て軍隊には揃っています。


 それで、平和に暮らして貰えば良いですね。

 もしも、開拓村が魔物の【襲撃(サージ)】を受けても、軍隊ならば自力で撃退出来るでしょう。

 出来ないとは言わせません。


 開拓村の男女比が相当男性に偏ってしまいますが、【イスプリカ】は貧困な途上国ですから、開拓村の経営が軌道に乗れば移住希望者が来る筈です。

 女性を中心に移住者を受け入れれば男女比はバランス出来ますよ。


 グダグタな計画ですが、それで良いのです。

 ミネルヴァに最適化して貰えば、多少は計画の格好が付く筈ですが必要ありません。

 これは、奴隷制を採用している【イスプリカ】へのゲームマスターからの刑罰に相当するのですからね。


 私は、【犬人(コボルト)】の少女と【ニンフ】に対する酷い拷問の惨状を見て怒っていました。

 冷静ではありません。


 なので、この馬鹿気たアイデアのグダグタさ加減も含めて、【イスプリカ】軍へのペナルティなのです。


 あの拷問は第一義的には拷問を命じた方面司令官の責任でした。

 次に拷問官の罪が重いです。

 方面司令官と拷問官には、別途罰を与えなければいけません。

 2人には開拓村で何か危険で辛い仕事に一生従事してもらいましょう。


 大半の将兵は、(くだん)の拷問には関与していない?


 いやいや、あんなペラッペラのテントの中で行われていた拷問を将兵たちが知らなかった訳がありません。

 テントには【防音(サウンド・プルーフ)】もしていなかったので、【犬人(コボルト)】の少女と【ニンフ】の叫び声がキャンプ中に響き渡っていた筈です。


 あの未成年の少女に、あれ程の苛烈で残虐な国際法に反する拷問が行われているのに、それを黙認していた全ての将兵にも罪がありました。

 だから、軍内で奴隷を使役している【世界の(ことわり)】違反と合わせてアウトですよ。


 中には、奴隷や拷問について、上官に抗議した将兵もいるかもしれませんので、そういう人物は罪一等を減じて地元に帰してあげても良いですけれどね。

お読み頂き、ありがとうございます。

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・・・


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