寝取られたあとの男
「は?どういう事だよ?」
目の前で男に抱きつく婚約者を見てそう聞く。
「あんたより勇者様のほうを愛してるってだけよ、サヨナラ、ライル」
「おい、ウソだろ、約束したじゃないか!!」
「やくそくぅ…?あぁ、そんなのもあったわね、アレ無しで、じゃあね」
まるでたいして思い入れもないものを捨てるような調子で言う幼なじみに怒りの感情が沸き、ついかっとなって幼なじみを殴ろうとする。
……………
胸くそワリイ夢…。
自宅で目を覚ます。ドアを見ると生ゴミが撒かれており、窓は割られている。聖女に危害を加えた男、それが今の俺の評価だ。そこそこ評判だった薬屋も、唯一無二の肉親だった妹も何もかも失った。不運に不運が重なったとも言えるが、自分の堪え性の無さも情けない。
「生きてる意味…無いな」
かといって死のうという気にもなれない、まぁ、このまま過ごしていればいつか死ぬだろう、何週間か水だけの生活だし。そう考えているとまた眠くなったので、目をつむる。すると、ベッドに光る魔方陣が現れ、一瞬強く光ったと思うと男をどこかへ消し去っていた。
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「勇者さ…え?」
別世界のある国で勇者召喚が行われた。その召喚で出てきた男は今にも死にそうなほど衰弱していた。
「誰か!!い、医者を!!」
召喚した少女はそう叫び、目の前の死にそうな男を見て困惑するのであった。




