表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時をあやつりたいム!  作者: 小日向 時
6/11

6、いつものメンツ、崩壊

「りりか・・・どうしたの、急にあらたまって話したいなんて」


「う・・・うん・・・あのっ・・・」

今、私小日向時は親友のりりかに裏庭に呼び出されています。私だけじゃなくて、のあ、ひな、ゆいか、さらも一緒。

大事な話って、なんだろ―――――――・・・?




「ごめんなさい!!!」

「えっ、何?どうしたの?」


私は聞いた。

前に、私の時計を奪っていたこと。ずっと、ナオのことが好きだったこと。もともとはときの彼氏のナオを奪うために、しおんに協力しちゃったこと。


とにかく、全部話してくれた。



記憶があいまいだったのは、そんなことがあったから・・・。



・・・ひどい・・・。

私たちいつメンは、りりかのこと信じてたのに、裏切って、そんなことしたんだ・・・。





パン!!



大きな音がして、「へ・・・?」と、りりかがさらを見つめる。



「あんた、バッカじゃないの⁉」

「・・・っっ・・・」



「ときのこと、いや、いつメンのことずっとだましてたの?しおんに協力して?最低すぎじゃない?ねえ!あんた、この際だから言うけど、黙ってればいいなんて思わないでよ!」

「思ってないよ!」


りりかが反論した。

「私はなんてバカなことをしたんだろうって、最低すぎだよって自分でも思った!黙ってればいいって思ってるなら、私も言う。ときを傷つけないで!」

「はぁ⁉」

「いつもいつも、大きな声出して。ときの秘密を大声で言いそうになってた。それから、男子といつも一緒に遊んで、いつメンとの遊びよりも、男子のほうがそんなに大事なの⁉」

「男子のほうがそんなに大事か?あんたに言われたくない。あんたはいつメンよりも、ナオくんを選んだじゃない!私にとって男子は、友達の1人なの。いつメンだって、男子だって、友達なんだよ。友達と一緒に遊んで、何が悪いの?」


さらは手を上げた。・・・グーで。



「!!!」

「さらダメ!!!」

ひながとっさに、りりかの前に立って――――――




ガッ!


「・・・ひな!!」

りりかはさけんで、たおれこんだひなに駆け寄った。

「ひな、大丈夫⁉」

「あ・・・うん・・・ちょっとほっぺ、ジンジンする・・・」




りりかはさらをにらみつけた。

「さら!!」


「あ、あたし・・・ひなを殴りたかったんじゃない・・・」

「殴った相手がひなだろうがりりかだろうが、同じだよ。人のこと殴って、けがしたら、責任取れんの⁉」



「・・・うるさい!」


さらは叫んだ。

「もう、いつメンなんて・・・大っ嫌いだもん」

「さら・・・」

「いつメンなんて、こんなグループ!絆のかけらもない、こんなグループいたくない!!!!」


「・・・あっそう」

ずっとだまっていたゆいかが、口を開いた。

「私も大っ嫌い。もうこんな、バラバラのグループ、あったってしょうがない」

「ゆいかまで・・・何・・・」

「いつメン抜ける。私誰ともしゃべらないから」


ゆいかが教室のほうへ行ったので、さらも校庭へ走っていく。


「・・・ときは?」

私の名前を呼ばれて、ハッとする。

「え・・・?」



「ときは、りりかを許せるの?このいつメンにいようって思えるの?」

パッ!りりかが慌てて走って行った。もうこの空気に耐えられなくなったんだと思う。




「このいつメン・・・」

「いようって思える?」



こんなバラバラのいつメン、こんなのいつメンじゃない・・・


「思えるわけない・・・」

「・・・!」


「こんなのいつメンじゃない!!私こんなみんな、大っ嫌い」


教室はダメ。ゆいかがいる・・・校庭もさらがいる・・・りりかは、外に出て行った。あっちは・・・もしかして、ナオの学校・・・

そっか。ナオにも伝えに行ったんだ。私はほんとの彼女じゃないって。



私だよ。ナオ、私。

ナオは気づいてくれなかった。ほんとの彼女に。


今はもう、いつメンにも、ナオにも会いたくない。あたりまえだけど、こんな学校の途中で家に帰っても怒られるだけだから、家にも帰らない。





だとしたら・・・あてもなく、走るしかない・・・。


















私はその日、公園にいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ