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時をあやつりたいム!  作者: 小日向 時
2/11

2、転校生の正体は・・・

「・・・げっ」

私は声が出なくなっていた。


「とき、どした?」

「大丈夫・・・?」

「ううん、大丈夫じゃない・・・うっうっ!」

大丈夫じゃないよ、全然!見てわかってよ!

「あの転校生、けっこーかわいかったよな」

「なー。うちのクラス入ってほしかったよな」

男子ぃぃぃぃぃぃ!

うちのクラス入んなかったのが、せめてもの救いなんだよ⁉

私のこの世の終わりが近くなったその原因は・・・今日入ってきた転校生のせい!

転校していきなりこんなこと言われるのも嫌だろうけど!言うよ!

「入ってこないでーーーーーーーー!」





「・・・それで。親友だって、誰にも言わないからって、いったのに!授業参観の時、大声で!叫んだの!私の秘密を!」

私、小日向時、一気にしゃべりつくしています。

「ずっと我慢してきた。けどもう無理!そう思って、転校までしたのに・・・どうして⁉もうやだーーーーーっ!」

「うーん、そんな悪い子には、見えなかったけど・・・」

「ゆいかっ!もう、しおんのことそーゆーふーに言うの禁止!」

「ご、ごめん」

今日転校してきた女の子、城島詩音。

その子は、私の小学校生活を長い間脅かしてくれた、ものっっっすごい悪知恵を持った子!


「元気だして。明日から、修学旅行なんだよ?」

「そうだよ。せっかくの修学旅行、ずっとそんな顔で終わらせたらもったいないでしょ?」

のあがにこっと笑いかけてくれる。

「・・・みんなぁ~~!」


・・・そう。明日から私たち6年は、2泊3日の修学旅行。まあ、ここは、2人、ひなとのあの言う通りだよね。しおんのことなんか忘れて、めいっぱい楽しむ!それが1番いい選択だよね。



「パジャマどんなの?」

「えっ、・・・見てのお楽しみ~♪」

「ときのと、りりかのが気になるー!絶対高級じゃーん」

「そっ、そんなことないよ!」

「ときん家も、なんだかんだ言っておっきいよね。金持ちはまぶしいなあ~」

「さらってば。変なこと言わないでよ」



・・・しおんのことなんていつのまにか忘れちゃってた。

やっぱり、持つべきものは心友だね。







そして、次の日・・・私たちは宿舎に到着!

――――――――――――――「はい、みんな、静かに!」

パンっ!先生が手をたたいて、みんなが集中し始めた。

「この宿舎の方にあいさつを・・・・・。・・・・・続いて、校長先生の話です・・・」

長ったらしい校長先生の話が始まる。早く自由時間にならないかな・・・

「では、自分の部屋番号を探して、移動してください。ここからは自由時間です!5時30分になったら、食堂に集まってください。言わなくてもわかると思いますが、室長を中心に並ぶこと!」

先生が言い終わると同時に、みんなはそれぞれの班メンバーで集まった。


「とーきっ」

「うわっ、ビックリした!ひなかぁ」

ひなは私の腕をぐいぐい引っ張っていく。

「わ、分かった!自分で行くから!・・・私より、のあをひっぱってくれば?」

「それもそうだね。のあーーーっ」

・・・ふぅ。ひなが素直でよかったよかった。ごめんのあ。



そして、部屋で遊んでいると―――――――――ふいにさらが言った。

「なんでときは、時間をもどさなかったの?」

「へ?」

「だから、そのしおんにいじめられたとき。時間戻せば、それをふせげたかもしれないのに」

「・・・あー・・・うん。その時は私、素直だったから」

「・・・?」

私は肩をすくめた。

「お母さんに言われてた。だれに頼まれても、力使うなって、言われてた。今ではもう、使っていいようになったけどね!」




「・・・じゃあ」

りりかが顔を上げた。

「修学旅行を、のばしちゃうって、どう?」

「えっ」

「あ・・・ごめん、だめだよね。ううん、なんでもない、今のことは忘れ・・・」

「だめじゃない!」

私は、ふいにさけんだ。

「もどろう!もどって、最高の思い出を増やすの!」

私の言ったことに、みんながぱぁぁぁぁっと笑顔になっていく。

「うん!」




――――――――そして、2日後。

「さあ、やってみよう!」

「でもいいの?ってか、うちらだけ?」

「あたりまえだよ。このこと知ってるのは、みんなだけなんだよ」

「あと、しおん」

私ににらまれて、「ごめん」とさら。

私は時計とストップウォッチを取り出した。

時計の針を、4時半に合わせる。たしか、自由時間の始まりの時間、4時半だった気がするんだけど?

ストップウォッチは、1日目の年月、日にちに合わせた。


「行くよっ」


パッ!

私はこの光景、もう慣れちゃった。





ざわざわ・・・

「えっ⁉ほんとに、今・・・自由時間だ」

「もどったんだ!すごい」

えっへん、とちょっと胸を張る私。

「じゃああそぼっ!」

『うん!』






――――――で、くりかえしはこれで5回目となった。え、いくらなんでも、やりすぎだって?この際気にしない気にしない。

「じゃあ、行くよ――――」

「へえ、どこに?」

ビクッとした。この声・・・きいたことある!

「し、しおん・・・」

「もしかして、もどってるの?時間。だったら、私も連れてってよ!」

「何で知ってるのよ」

「だって、1日目から、一緒に戻ってたもん。しおん、触る杖を持ってって、触ってたんだ!」


・・うう、たしかに、戻る人だけは、杖で触っておくんだよ。(進むときも、止める時も)ああ、昔の自分。どうしてそんな細かいことまで教えたんですかーーっ!


「一緒に連れてってくれないなら、しおん、みんなに言っちゃお。―――――みんなー、ときはねーーーーーっ」

「わあああああ!」

あわててもどった。

しおん、ほんとにいやなやつーっ!



























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