捨てる神あれば、拾う人あり
拙い文章やガバガバな設定などが多々見受けられますがご容赦ください。
「いきなさい」
お母様が私に残した最後の言葉。
お母様は私と別れた森のなかで息を引き取っていたらしい。
私を拾ってくれたおじさまはそう言っていた。詳しいことは何も教えてくれなかったけど...。
それを聞いた私は大声で泣いた。顔をグシャグシャにしながら、獣みたいに、みっともなく、泣いた。
悲しかったから、寂しかったから、不安だったから、絶対に泣かないって決めてたのに、泣いた。
ああいうことになるって薄々気づいていたのに。
今は拾ってくれたおじさまと一緒にとある村で暮らしている。
地図にも名前が載らないほどの小さな村だ。
でも、大人の人達は少し疲れた表情を浮かべながらも、皆で助け合いながら一生懸命働いていたし、子供達は天井知らずな元気を振りかざしながら、村中を駆け回ったり戦いごっこをしていた。
私は村の皆をすぐに大好きになった。そして村の皆を生活区域から少しだけ離れた
小さな丘の上で眺めるのが私の日課になりつつあった。
畑で取れた野菜を分けあう二人のおばさま達、木の上に引っ掛かってしまったボールを取ってあげている優しい青年、大声で叫びながら切り倒した木を次々と運んでいく男の人達。
活気に溢れた村の皆が私は大好きだった。
だからこそ...私は......早くこの村を出ていかなくちゃいけないんだ。