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中二病で平凡な高校生1

作者: 杏里

なんとなく辛いものが食べたい。

「あーあ…なんか起きねぇかなぁ…」

そう布団の上で呟いて目を瞑り俺は天井に手をかざす。脳内で短剣が創生されていくイメージがある。最近見たアニメの影響だろうか…イメージ通りに手に力を入れてみても剣はまったく出てこない。

「まぁ…そうだろうな…」

側にあった携帯にイヤホンを指し、お気に入りの音楽を流して布団に潜った。


毎朝俺は目覚ましで起きる。第一声は

「ふぁあァ…今日休もうかな。」だ。

学生がこんなんでいいのか、と日々自問自答する。

だって、勉強するよりアニメ見てた方が楽しいんだもん。仕方ないじゃん?と脳内で2人の自分を話し合わせる。

我ながら高校生にもなって中二病なのはどうかと最近思ってきた。けどやっぱり脳内で妄想するのはやめられない。

結局ダラダラしながら学校へ向かう。

学校に着いたら

「あ、安藤じゃん!おはよ〜!」

と、話してくれる美少女幼馴染がいるわけでもなく

「安藤先輩、おはようございます…」

と声をかけてくれる小動物系後輩がいるわけでもない。本当に、アニメって出来すぎてるよな と常々思う。席に着き淡々と授業の準備をする。

あぁ…退屈な1日の始まりだ。

授業中なにをするのかと言えば妄想をするかこそこそ携帯をいじるか寝るかの3択しかない。

その中でも妄想が1番楽しい、時間が過ぎるのも早いしな。

妄想をすると決めたら、必ずまずテーマを決める。

(今日はそうだな…不審者が自分のクラスに入って来たとするか。で、俺はキ◯アの神速を使って不審者を撃退し英雄となる。ついでに彼女もできる)

そんなテーマを決めたのち、自分の中へと落ちて行く、深く深くと。

一コマ一コマその場で起きているのかのように正確にイメージしていく神速状態で壁を走り、いつのまにか不審者の背後に立ち肩をトントンして振り向かせた後に顔面パンチ。完璧だ。

けど、妄想をした後に残るのはいつだって決まった感情で

(こんな事現実に起きないのに、なにしてんだろ。時間無駄にしてるし)

という自分への嫌悪感だった。

「はぁぁ…授業真面目に受けるか…」

そう呟いた、その時だった。

学校のチャイムが鳴った。時間はまだ授業が終わる時間じゃない。

誰かが

「緊急地震速報じゃね?」と呟いたのでクラスが静寂になって、放送の声を聞いた。

「生徒の皆さん、打ち上げの準備ができました。至急第1体育館へお集まりください。」

………は?

体育祭は過ぎたし、文化祭はまだやってない。

クラスの人たちは周りと顔を合わせたまま、動かない。次第にざわざわし始める。

そんな中ドアが勢いよく開いて誰か入ってきた。

「てめぇら動くんじゃねぇ!動いたら殺すぞ!!」

俺はデジャヴを感じながら、少し期待していた。

(あれ?これ、このままだと妄想通りになって英雄になれるんじゃ…)と心の高鳴りを抑えていると、

「きゃぁぁぁぁぁーーー」

クラスの女子が叫び始めた。

(こんなシーン俺の妄想にはなかったぞ。)と、疑問を抱いていると

パァン 無情にもその音は響き渡った。

不審者が懐から出した拳銃で叫んだクラスメイトは撃たれていた。

意味がわからなかった。いやちょっと待てよ。こんなシナリオじゃない。俺の英雄譚には犠牲者は1人もいなかった。

そこで気づいた。これは神の悪戯で起きた妄想の具現化ではなく、本当の不審者なのだと。

生きているクラスメイト達は微動だにしなかった。当然俺も動かなかった。いや、動けなかった。

不審者が口を開く、

「おいお前ら手短に話せ、事務室はどこだ。後さっきの放送はなんだ、何かの暗号か?」

誰も口を開けない。唾を飲む音が聞こえた。

パァン

不審者は床に拳銃を撃った。

「早くしろ」

クラスの室長が口を開いた。

「あ、あの放送は不審者が学校内にいるから注意して体育館に集まれという指示で、じ、事務室はB棟の1階にあります…」

不審者はそれを聞いて一目散に走っていった。

クラスメイト達は不審者がいなくなったというのに全くもって動けなかった。

俺も動けず、ただ唖然としていた。

ーーーズキッーーー

右手に激痛が走った。

「いってぇぇぇぇ!」

そう言いながら右手を前にかざすと稲妻が出た。

黒板にヒビが入っている。

…ん?なんだこれまるで神速状態になったみたい…だ…けど…

この時俺は能力が発現した事を知った。

と、同時にあの時動いていれば…という後悔が押し寄せた。

その日から、英雄に近づくため俺はこの能力がどういう能力なのかを研究し始める事にした。

読んでいただきありがとうございます!

まだ続けたいと思ってますが、アドバイスなどくれると助かります!

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