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第006話 ~双子山と7種族~

「ここは暗いわ。少し話をするから、こっちに来てもらえるかしら?」


「あぁ、問題ない」



ルエルは後ろを向き、扉から出ていく。俺はルエルの後を追いかけていく。扉の外は明るい。建物を見ると壁は石を積み上げている。窓にはガラスはなく、木の板でふさぐようになっている。


昔の西洋っぽさがあるが、廊下にも、さっきの部屋にも電灯はなかった。




ルエルが廊下の突き当たりの扉を開き、中に入っていく。俺も、後に続き中に入る。


「そこの椅子に座って。何か、飲むものを持ってくるわ。店の商品には絶対に触らないでね」


「あぁ、おとなしく座っているよ」


あたりを見渡すと、指輪やネックレス、髪飾りなどが所狭しと並んでいる。向こうにはローブのような服やバック、帽子などが見える。椅子とテーブルのセットもあり、メニューブックのような冊子が各テーブルに置かれている。


アクセサリーと雑貨を販売しながら、喫茶店をしているようだ。



「お待たせ。こんなものしか無いけどお口に合うかしら?」



俺の正面にルエルが座る。容姿は美しく、スタイルも中々。服の上からでもわかるくらいの双子山。愛と比べてもドーーーンだ。


「なんとも素晴らしい。ありがとう」



「ただの水なのに、素晴らしいって・・・。さ、早速だけど、本題に入っていいかしら?」


「問題ない。何から話せばいい?」


「そうね、初めにユーキの目的を教えて」


「わかった。話をする前に確認したい事がある。その答えを貰ってから、俺の目的を話してもいいか?」


「いいわよ。何を確認したいの?」


「ルエルは日本、もしくはジャパンという国を知っているか?」


「聞いた事が無い国名ね。そこがユーキの国なのかしら?」


「そうだ、俺の住んでいる国だ。それから『ウインドクロウ』と叫んでいたが、あれはなんだ?」


「そんな事も知らないの?あれは風の爪で対象者を切り刻む、風の初級魔法よ。習わなかったの?」


「習ってないな。俺の国では魔法を使える人は見たこと無い。魔法は誰でも使えるのか?」


「おかしいわね。初級魔法は協会かギルドで習うはずなのに。私の知る限り、魔法の使えない人はいないわ。ユーキの国はどうなってるの?」


「魔法が無いから習わないだけだ。さっき、指輪を付けたら言葉がわかるようになったが、これも魔法か?」


「そうよ。風の魔法の一つ。翻訳の魔法を指輪に付与エンチャントしたの。なかなかの出来でしょ?」


「そうか、次が最後の質問だ。ルエルの知っている種族を教えてほしい」


「種族ね。人間族、エルフ族、ドワーフ族、獣人族、海人族、竜人族、魔族かしら。私の知っている種族はこの7種族ね」


「そうか、ありがとう。さっきのルエルの質問に答えよう。俺の目的は、元の世界に帰る事だ」


「元の世界に帰る?ユーキは他の世界から来たってことかしら?」


「恐らくそうだ。ルエルの住むこの国名、種族、魔法。どれをとっても俺のいた世界にはない。ルエルは電灯を知ってるか?」


「デントウ?それは何?」


「電気の力で、暗い所を明るくする機械の事だ。この部屋にもさっきの部屋にも廊下にも、電灯はなかった。俺のいた世界では、大体どの部屋にもついている」


「暗い所を照らすならロウソクを使うか、余裕があれば光の魔法で明るくなるわよ?」


「その発想自体、俺のいた世界とは異なる。ルエル、どうしたら俺は帰れるのか、わかるか?」


「今すぐにはわからないわね。ユーキ、これからどうするの?」


「帰る手段を考える。」


「そう、ここから旅立つのであれば、金貨10枚払ってから出発してね」






「え?どういう事?なぜ金貨を払わないといけないんだ?」


「さっきの指輪、身に着けてるでしょ。その指輪の値段よ。それは商品ですもの。この飲み物はサービスしておくわ」



「ルエル。知っているとは思うが、俺は裸一つで、ここに来たんだ。金貨など持っているはずないだろう」


「そう、残念ね。でも、その指輪が無いとここでの生活が大変になるわよ?言葉通じるの?」


「ルエルさん!この店一人じゃ大変じゃないですか?俺、手伝いますよ!住み込みで!」



「いいわよ。ユーキが帰れるまで、私が養ってあげる。そのかわり、店の売り上げ何とかしてね」



「任せてください!」



こうして、俺の異世界生活が始まった。愛、俺がいなくなって心配していないだろうか?





その頃、現実世界の妹は塩の入ったコーヒーを飲みむせていた


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