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第043話 ~ターゲットとお店の雰囲気~


テーブルにはルエルの淹れてくれた紅茶が。


俺の左は愛、正面にルエル、左奥にはイリッシュが座っている。


「では、会議を始める!今日の議題はこれ! ターゲットと在庫!」


「お兄ぃ、なんか偉そうだね」


「水を差すな愛。俺は偉くはないが、大まじめだ。儲けるために商売の鬼になる!」


「頑張ってねお兄ぃ。期待してるよ!」

愛はニコニコしながらこっちを見てくる。

愛も頑張るんだよ!みんなでやるんだからね!


「では、ルエル。この店のターゲットを教えてくれ」


「特にないわ。買ってくれるなら、誰でもいいかしら?」

誰でもいい。まぁ、買ってくれれば誰でもいいんだけどさ。

ルエルは何を考えて商売をしているのだろうか?

今度、ゆっくりそのあたりでも聞いてみよう。


「誰でも買ってくれるならいいが、この街の全員がここに来るわけではないだろう?」


「主に南地区の住人が多いと思うわ」


「武器が欲しいから武器屋に。パンが欲しいからパン屋に。今晩ベッドで眠りたいから宿屋に。では、この店来る人は何を求めてくる? イリッシュ。初めてのこの店に入った時何を感じた」


「えっと、個性のあるお店だなと思いました」

あ、目線をそらした。これは本音ではないな。


「イリッシュ。正直に。ここで取り繕った言葉話いらない。中途半端な言葉は経営を悪化する」


「ご、ごめんなさい。正直に話します。ちょっと暗いし、何を売っているのかよくわからないお店だなと感じました」

やっぱり。初めて来た店の事を素直にだめだしできないよね。

でも、そんな優しい言葉は時として刃になるんだ!


「アイはどうだ。元の世界で仮にこの店があったとしたら繁盛できると思うか?」


「難しいんじゃないかな?少なくとも私は友達と来ないと思うよ」

うん。愛は本音でドーンだね。素直っていいことだよね!


「ということだ、ルエル。この店のターゲットを決め、それに合わせた店内、商品、接客、外装を決めなければならない。このままだと、経営はよくならない」


「そうね。それは認めるわ。今はただ何となく、営業しているだけに近いわね。昔はにぎわっていたんだけど」

ルエルの表情は若干暗くなった気がする。

別に責めているわけではないよ!ヒアリングだよヒアリング。


「この店はルエルの店だ。ルエルはどんな人に来てもらいたい?どんな商品を並べたい?ルエルのイメージを教えてほしい」


「私は、かわいいお店がいい。女の子が友達と買いに来て、買ったものをこのテーブルで広げて、紅茶を頼むの。そこで楽しいお話をして、私もカウンターでその様子を楽しく見る。そんなお店がいいわ」

可愛いお店ね。ルエルも可愛いし型にはまったらいいお店になるかな?

イリッシュもちょっと子供っぽいけど、いい接客をしてくれるだろう。

これからに期待だな!


「ルエルさん、いいね!可愛いお店だったら私、いろいろ知ってるよ!」


「わ、私もできる範囲で頑張ります!可愛いお店にしましょう!」


「ありがとう、二人とも。みんなで可愛いお店にしましょうね」


「フェアリーグリーンのターゲットは、10代から20代の女性がメインターゲット。お店の雰囲気はやや可愛い感じってところだな。じゃぁ、今の店舗は可愛いか?」


「そこまで可愛いとは言えないわね」


「ルエルさん。女の子はドクロリングとか、あまりつけたりしないと思うよ!」


「でも、冒険者用のアイテムはある程度必要よ?」


「そこでだ!!」


「び、びっくりした。お兄ぃ、どうしたの急に大きな声で」


「冒険者用のアイテムも可愛いで攻めます。性能、効率よりも可愛いを優先で行こうと思う」


「それって、商品に粗悪品を入れるって事かしら?」


「違う。商品に詳細を明記した上でちゃんと販売する。性能はやや落ちるかもしれないが、見た目で勝負する」


「本当にそれで大丈夫かしら?」


「大丈夫。俺に任せてくれ!」


「イリッシュは文字の読み書きできるか?」


「はい、一通りできます」


「ありがとう。あとで色々とお願いをするので、手伝ってくれ」


「はい!がんばります!」


イリッシュもやる気満々。いい雰囲気だね。


「ルエル、この店の商品名、在庫数、原価のリストはあるか?」


「ないわ」




なにーー!どうやって利益計算、在庫管理してるの?


「えっと、何故無いの?」


「昔から特にしていなかったわね。それって必要かしら?」

ルエルはきょとんとしている。

もしかして、商売については両親から引継ぎされてないのか?


「必須。どのくらい儲かったのか、何が売れているのかを知らないと運営はできない」

ルエルは不安がっている。

今まで何となくやって来たお店の流れを一気に変えるのが不安なようだ。


「よし、初めにちょっとみんなで作業をしよう。ルエル、紙とペンはあるか?」


「あるわ。ちょっと待ってて」



ルエルは席を立ちカウンターに行く。

直ぐに戻って来る。


「これでいいかしら?」



紙とペンをテーブルにルエルが置く。


「念のために聞きたいのだが、この世界の紙は高いのか?」


「そんなに高くはないわ。100枚で1000ジェニ位ね」


一枚10円か。日本と比べたら激高だね!


そんなことを考えつつ、俺はみんなに説明する、


2人1チームで売り場と倉庫の在庫チェックをする。

商品名、在庫数、原価、販売価格を集計して在庫状態を見てみよう。


ルエルと愛。俺とイリッシュでチームを組んで作業を始める。


お、これってもしかして棚卸?




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