第039話 ~火照りと飲み物~
今回は妹、愛視点でお送りいたします。
イリッシュちゃんと沐浴を終え、着替えを始める。
さっき気が付いたけど、昨夜は水で沐浴したが今日はお湯だった。
お兄ぃが気を使ってくれたのかな?
イリッシュちゃんは沐浴したら、綺麗な姿になった。
私でも見とれてしまうくらいに。
銀の髪がとても綺麗。どうしたらこんな色になるんだろう?
頭の上の耳はぴょこんとついて可愛い。
身長は私の勝ちだけど、胸は私と同じくらいな気がする。
きっと気のせいだね。
いたる所に傷はあるけれど、とても綺麗な肌をしている。
顔は童顔なのに、なんか悔しい。
でも、ここはお姉さんとして、大人な所、余裕を見せないと!
「いい沐浴だったねー、イリッシュちゃん」
「はい。体の汚れもきれいになって、服も新しいので、気持ちがいいです。ありがとうございます、アイ様」
「私は何もしていないから!それに、様いらないし!愛でいいよ」
「それはいけません。先ほどユーキ様にもお伝えしましたが、初めが肝心です」
「私は様つけてもらうほど、偉くも、すごくもないよ。ただ、イリッシュちゃんと仲良くなりたいだけなんだけどな!」
「それはありがとうござます、アイ様」
「うーん。いずれ様なくなる?」
「可能性はありますね、アイ様」
「じゃ、それまではいっか。イリッシュちゃんは今いくつなの?」
「14になります」
「14歳か。私はそろそろ16になるんだ」
「そうなんですね!もう成人になんですね」
「成人は20歳だよ?あ、この世界では16才が成人なのかな?」
「この世界?」
「えっと、詳しくはお兄ぃから後で説明があるよ。きっと」
「そうですか。ユーキ様もアイ様も何か不思議な方ですね」
私は話を濁しながらキッチンへ向かう。
「たっだいまー!」
「ありがとうございました。お湯、とっても気持ち良かったです!」
あれ?キッチンに二人がいない。
どこにいったんだろう?
「ルエル、もっとしっかり押さえて」
「押さえるわよ。思ったより大きいんだから、仕方ないじゃない」
「大きい方がいいって言ったのはルエルだろ。ほらしっかり」
「ちょっと待ってね。体制を変えるわ」
「そうだな。この体制の方が力が入るな」
「いいわよ。ユーキ、もっと力を入れて!」
「いくぞルエル!愛たちが戻って来る前に終わらせよう!」
「そうね、こんな所あの二人には見せられないわね」
な、何見せられないのーーー!
そ、そうだイリッシュちゃん!聞いちゃダメーーー!!
私はイリッシュちゃんの方を見る。
耳がペタンとなっている。これはどういう事だろう。
は、早く止めないと!いや、ここで行っていいのか!?
お兄ぃ!私達戻ってきてるよ!気が付いて!
「よし、ルエルいいか?」
「えぇ、いいわよ。思いっきり出して」
「溢れないか?」
「大丈夫よ。全部受け止められるわ。こぼしたらもったいないじゃない」
「そうか、ちょっと位ならこぼれてもいいかなと思ったんだが」
「そんなこと無いわ。全部受け止める」
「お、そろそろ、出すぞ! うーん、はぁはぁ・・・」
「わ、私も頑張るわね。んっ・・・」
「い、いいか、出すぞ!」
「こっちの準備はいいわ。全部出して!」
「もう、い、いいか?」
「ま、まだよ。も、もっと絞り出して。ぜ、全部、だ、出し切って」
「ま、まだ出すのか?そ、そろそろげ、限界だぞ?」
「ユ、ユーキなら、も、もっと、だ、出せるは、ずよ」
「ぅーーん!さすがに!もう!出ない!これで終わりだぁぁ!」
「ふぅ、まぁこのくらいでいいかしら?」
ど、どうしよう。このままここに居たら言い出せない。
イリッシュちゃんもきっと気にしてるよね!
だって、さっきより、顔が赤いもん。
私の方がお姉さんだし、ここは見せ所!
「お兄ぃ!今戻ったよ!!何しているの!?」
お兄ぃとルエルさんはテーブルで向かい合ってナニかをしていたっぽい。
二人とも若干、額に汗をかき、ルエルさんは何か両手で押さえている。
「愛か。思ったより早かったな!」
「イリッシュちゃんも、さっぱりしたかしら?」
「は、はい!ありがとうございました。とてもさっぱりしました!」
「お兄ぃ。さっき声かけたんだけど、反応がなくて。しかも、二人ともキッチンにいないし」
「悪い悪い、こっちでフルーツジュース絞っててさ」
「ジュース?」
「さっき市場で果物買ってきたでしょ?一番大きい実をジュースにしようと思って、ユーキに絞っていてもらってたの」
「それがさー、思ったより大きいし、絞りにくいし、結局二人がかりで何とか絞れたよ。ほら、風呂上りに飲むか?」
「せっかくだから、ユーキが沐浴後の飲み物として出したいっていうから、ちょっと急いでたのよ。間に合ってよかったわね、ユーキ」
「ああ、ギリギリだったな!せっかくだし、俺たちも飲むか!食事の準備も終わっている。乾杯しよう!」
「二人とも、こっちに座って。お昼にしましょう」
「ジュース!そうだね!ジュースはイイネ!ね、イリッシュちゃん!」
「は、はい!ジュースは好きです!」
イリッシュちゃんの顔が赤い。
沐浴で火照ったんだねきっと。そうに違いない。
お兄ぃは相変わらず、鈍感でバカだね。
このジュース、きっと甘酸っぱい味がすると思うよ。
そんな人には、しっかり者が一緒にいないとだめだよね。
私もルエルさんみたいに、しっかり者になれるかな?
さて、それはそれで、おいといて。今日のお昼は何かな?
お、おいしそう!みんなで食べるのはおいしいよね!
「お兄ぃ、もう食べていいの!?」
「ちょっと待て、皆座ってからだ」
「うふふ、アイは食いしん坊さんね」
「イリッシュちゃん!何食べたい?取ってあげるよ!」
「だ、大丈夫です!アイ様、私がアイ様の分をお取りします」
にぎやかな食卓は大好き。だって、楽しいもんね。
ずっと続くといいな・・・。
カラン コローーン
ん?お客さん?
こんんちわ。紅狐です。いつも本作品を読んでいただき感謝いたします。
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