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第032話 ~太ももとうなじ~


俺は扉をゆっくりを開いた。



暗い。それに何だかほこりっぽいな。


部屋の角にはうっすらと机と椅子が見える。

その隣には本棚。所狭しと本がたくさん入っている。

正面に見える窓は閉め切っているので、光が入ってこない。



部屋の中央には大きめのテーブルがある。

何かの実験途中なのか、散らかったままだ。


とりあえず、窓を開けるか。



俺は薄暗い部屋の中に入り、窓を開ける。


日の光が入ってくる。少しだけ明るくなったかな?


それでもまだ暗い。この部屋には明かりがないのか?

部屋の天井や壁を見ると、カンテラのようなものが見える。


あれを使うか。俺はカンテラに近づき魔力を流す。




チーーン




反応がない。おかしいな。魔力を流したら明るくなるはずなのに。

仕方がない、ルエルに聞いてみるか。



俺は、階段を下り洗濯をしている二人の所に向かう。



一階に戻り、廊下の扉を開き、洗面所の方へ向かう。

すると、風呂場から声が聞こえてくる。





「ルエルさん。洗濯はいつもこれでしているの?」


「そうよ。この世界では一般的ね。タライと板。洗濯用の洗い粉ね」


「これ全部手で洗うの?」


「そうよ。手で洗って、すすいで、絞って干すわ」


「た、大変だねぇ~。私たちの世界は洗濯機があって、ボタン一つで洗濯してくれるの」


「魔法が無いのに便利な世界ね。どんな仕組みで動いているのかしら?私もほしいわ」


「電気がないこの世界に売ってるのかな?売ってなくてもお兄ぃが作ってくれるよ!電気屋さんだし!」


おーい、愛。俺はメーカーじゃない。販売と修理はするが製造はできないぞ!




「ユーキだったら作ってくれそうね。期待しておこうかしら」


ルエルさーん。だから、俺は作れないって。この世界、電気無いんでしょ?

俺、魔法力弱いの知ってるよね?



コンコン。俺は風呂場の扉をノックする

「入るぞ」



「あ、ちょっと待って、今は」


ルエルが話をしている途中だったが俺は中に入ってしまった。




そして見てしまったんだ。




二人ともワンピースのスカート部を腰まで上げて、紐で結んでいる。

足の付け根までスカート部がまくれており、太ももがまぶしく輝いている。

髪もおそろいでアップで結んでおり、うなじが美しい。

なんか、こう新妻って感じがする。



「ルエル。ちょっと来てほしいんだが」



「他に言うこと無いの?」

「お兄ぃ。またやったね。部屋にはいる時はこっちの返事を待ってから入らないと。あと、鼻の下伸びてる」


二人の目はちょっと冷たい。



「すまん。まさか、そんな恰好で洗濯しているとは思わなかった」


「こんな格好だから、ユーキは洗濯に誘わなかったのよ。察してほしいわ」


「本当にすまん。以後、気を付けます。はい」


「お兄ぃ、次同じことしたら、すごいことになるよ!」


「肝に銘じておこう」





「アイ、ちょっと行ってくるから、洗濯続けてて貰えるかしら?」


「おっけー。ちゃちゃっと、やっちゃいます!」


「ユーキ、行くわよ」




ルエルは脱衣所で紐をとり、元のワンピース姿になる。




二階に行き、ルエルに現状を見てもらう。


「やっぱり切れてるわね。交換しましょう。ちょっと待ってて、変えの光具を持ってくるわ」


ルエルは部屋を出ていき一階へと降りていく。




しばらくたつとルエルが戻ってきた。

小さな箱を持っているので、恐らく新しい光具が入っているのだろう。


「さぁ、変えましょうか」


そう言うと、部屋の奥から脚立を持って来た。


「私が一回変えるところを見せるので、次からはユーキが自分で交換してね」


「電球交換は電気屋としてマスターしなければなっ!」

電球じゃないけど。


ルエルから箱を貰い、ルエルは脚立を準備する。

この世界で初めての電気屋っぽい仕事を見る。


そもそも簡単にできるのだろうか・・・



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