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第027話 ~風魔法と投げナイフ~


「ルエルはゴブリンを殺してしまうのか?」


「ゴブリンを殺すと無属性の魔石になるの。結構良い値段で取引されるわ」


「ルエルさん、ゴブリン殺しちゃうの!かわいそうじゃない?」


「アイ、よく聞いてね。この世界は殺さないと、逆に殺される世界なの。特に魔石を持つ魔物は強い魔物が多いわ」


「ルエルだったら勝てるのか?」


「普通のゴブリンだったら簡単に殺せるわ。こうやってね」



ふっ と、ルエルの右手からナイフが投げられる。

ナイフの先は柱に深く刺さっている。



これが人だったら・・・。

痛い痛い。



「多分、私だったらナイフ一本で数匹は相手にできるはず。もう、しばらく殺してないけどね」


怖いな。

ルエルさん、怖いよ。日本じゃ考えられない!



「仮に逃げたゴブリンを見逃したらどうなるんだ?」


「多分何もないと思うわ。街や住人に被害が出ていないと思うし。それに、逃げたゴブリンと見逃したゴブリンが同じかなんてわからないしね」






セーーフ!良かった!今の話が本当であれば、俺は無罪確定!!!

安心して街を歩ける!



「でも、逃がしてしまった貴族は爵位剥奪とか、損害賠償金の名目で財産を持っていかれるわね」


「それは、仕方ないんじゃないか?何かしら罰則はあるだろうから」


「ルエルさん、街にゴブリンがいるか調べる事って、できないのかな?」


「私の知る限り魔法で調べる術はないわ。街の隅から隅まで足で探すしかないわね」


「じゃぁ、逃げたか、街に残っているかもわからないんだ・・・」


「多分騎士団が数日見回りするんじゃないかしら?しばらくして何もなければ捜索は終りね」


「捜索が終わるまで、ちょっと心配だね。お兄ぃは弱いからもし、出会ったらすぐに逃げるんだよ!」


「弱いとはなんだ。これでも中学までは愛より強かっただろ!」


「でも、今は私の方が強い!素手なら絶対に負けない!」


「そりゃそうだろ。今でも現役で練習しているやつに勝てるはずないだろ」


「ふっふーー。お兄ぃは私が守ってあげるよ!」


「アイ、私も腕には自信があるの。このナイフで弱いユーキを守ってあげるわ」


「ルエルさん、大丈夫!お兄ぃは私の拳で守るから!」


「アイ、私は魔法でも守る事ができるわ。心配しないで」





なんか、ヒートアップしていないか?

内容はともかく、俺はどれだけ弱い設定になっているのか、問い詰めたい。




二人は、やいのやいのまだ話している。


取っ組み合いとか、絶対にやめてね。


二人を相手にしたら、俺は瞬殺されちゃうからさ。




「ごほん!!!」




二人が黙る。お互いにハァハァしている。




「二人とも、何熱くなってる?冷静になれ」




「お兄ぃ!弱いくせに口出さないで!」

「ユーキ!攻撃魔法も使えないのだから、黙ってて!!」




おい。そんなに熱くなるなよ。

俺はそこまで弱くない。




「二人ともいい加減にしないか!俺はそんなに弱くない!!!」




「お兄ぃ、じゃぁ強い所見せて」

「ユーキ、攻撃魔法使ってみて」




え?ここで?

うーーん、どうしよう。


どうする?何かいい手はないか・・・



よし、いっちょやってみるか!


「じゃぁ、今から二人に攻撃魔法を放つ。二人が悲鳴を上げたら俺の勝ちでいいか?」


「いいよ!私は簡単に悲鳴は上げないから!」

いやいや、愛。今日何回悲鳴を上げた?



「わかったわ。私も簡単には声を出さないわ」



「行くぞ!」



さて、少し休んだから魔力は回復しているよね?



右手に風。

左手に風。


イメージだ。イメージしろ。


扇風機だ。

夏によく見る扇風機。

暑い夏には扇風機。


水色のヒラヒラが良くついている扇風機。


ボタンが『強』になっているのに気が付かず。

スイッチオンにしたら、強風だ。



イメージだ。

水色。水色のふわふわ!ワンピースだ!

風。巻き上げる風!暴風を!



下から上に、流れるように吹く強風!

イメージしろ!二人の足元に手を向け、強風をイメージする!!



電気屋魔法!『旋風気』!!



すると、ふわっと風が流れた。二人の足元から上に流れる風が。


普通ならそよ風に感じるだろう。

俺の魔力ではこれが限界らしい。





二人のワンピースのスカート部がふわっとめくれる。





二人ともおそろいの白い三角だね!

左右に紐の結び目がしっかりと見えた!!





「「きゃ、きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」」






勝った。この勝負、俺の勝ちだ!!!




二人とも、スカート部を手で押さえる。




刹那!






右頬にはルエルから。

左頬には愛から。




熱いものをいただきました。ご馳走様でした。




「お兄ぃのバカ」

「ユーキ、あんまりです」




あれ?

いつもなら罵倒が来るのに、何その可愛らしいしぐさ。



両頬が熱くなりながら、俺の胸も熱くなる。



「そ、そろそろ、寝よう。俺は、疲れた!」



「寝よう!今日はもう寝よう!!ルエルさん、早く寝よう!」


「そ、そうね。今日はいろいろあったし、早く寝ましょう!」




「で、どこで寝ればいいんだ?」




さぁ、三つの選択肢。答えはどうなる!?






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