第024話 ~お風呂とワンピース~
一人、風呂場に向かう。
廊下は暗く、ちょっと怖い。
脱衣場に入り、服を脱ぐ。
巾着は念のため、風呂場に持っていこう。
俺は素早く、そしてクールに全裸になる。
うん、今日も異常はないな。
タオルを肩にかけ、風呂場に入りる。
これが、異世界の風呂場か。
床は木で、すのこっぽくなっている。
そんなに冷たくない。
置かれたタライに水?お湯?が張ってある。
桶もあるので、これを使うのかな?
あっちに椅子がある。
椅子の前に何か葉っぱがあるな。
これってなんだ?とりあえず、においをかいでみる。
あ、いい匂い。たぶんこれで体を洗うのだろう。
一通り、体と頭を洗って、タライに入って体育座り。
使い方、あってるのか?かなり不安だ。
今度ルエルと一緒に入って、教えてもらおう。
・・・ 無理だな!
さて、早速始めようか。一人の時間の至福のひと時。
この風呂場にはさっきまでおなごが入っていたそうじゃ。
それはそれは美しいおなごで、ここで体を清めていたそうな。
さぁ、賢者タイムのスタートだ!!
賢者。
賢き者。
魔法を使うには悟りを開かなければならない。
俺は守ると決めた。この世界には強さが必要だ。
儲ける事はもちろん、守るための力も。
魔法を使えるのであれば、それは必須スキル。
絶対に覚えなければならない。
俺はきっと弱い魔法しかできない。だからこそ、練習をしなければならない。
魔法はイメージ。イメージでなんでも具現化できる(はず。
俺は鑑定だと属性魔法は全ぶ適性があった(弱いが。
あとは、イメージ力だ。
俺はタライの前に胡坐をかき、目を閉じる。
両肘をまげ、前に出す。掌は上に向ける。
右手に火のイメージ。
左手に水のイメージ。
火の球と水の球をイメージ。
それを目の前で、合わせるイメージ!
おーゆー! お風呂! 熱湯! 熱湯風呂!
イメージだ。イメージ。目の前で、熱湯風呂ができるイメージ!
水滴が集まっていく。湯気が出る。湯の球ができるイメージ。
目を開ける。
できた。イメージ力でできた!
生み出した湯球をタライに入れる。
熱いのかな?
指先でちょっと触る。
あつぅぅぅぅ!!!ほぼお湯だ!
いい感じだ。同じように水のイメージ。
今度は簡単にできた。熱湯に水を入れる。
うん。ちょうどいね。
俺はタオルをタライに入れ、ギュッと絞る。
体をふき、お湯を被る。
あったかーーい!お風呂はやっぱこうじゃなきゃね!
あったまったところで風呂場を出て、着替える。
下着をはき、用意された服を着る。
わっ!可愛い!水色のフリフリワンピース!これ、着てみたかったの!
って、おい!ルエル!服、間違ってるぞ!!
どうする?他に服はないのか?
うーーーん、しょうがない。下着履いていればいいか!
プールの時はこんな感じだしな!
俺は巾着をタオルに隠し、2人の所にもどる。
「あがったぞーー!」
「あら、おかえり。早か・・・・・」
ルエルの動きが止まる。そして、顔が赤い。
あ、目をそらした。
「お兄ぃ、お茶がはいったよーーー って何その格好!」
「いや、服がさ。脱衣場に2人と同じ服があってさ。まさか俺がワンピース着るのは無しだろって思って」
「ご、ごめんなさい!今すぐ、他の服を持ってくるわ!」
ルエルは顔を赤くしながら、二階に走って行った。
「お兄ぃ。上半身裸はまずいよ。相手は女の子だよ?」
「愛だって女の子だろ?」
「兄妹は別でしょ。見慣れてるしさ」
「そっか、まずいことしたかな?」
「あーあ。ルエルさん可愛そうにー」
二階に行ったルエルはなかなか戻ってこない。
俺は上半身裸で、椅子に座り、膝を組む。
これで、ガウンとが着ていたらダンディーなんだがな。
早く戻ってこないかなルエルさん・・・・
ちょっと冷えてきた。
何故愛も顔を赤くする必要がある?
不思議だ。




