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第019話 ~守りたい笑顔とナイスバスト~

2017年4月16日

前の話中にありました文面を一部修正しております。

『王国議員連団』より『審判団』に名称変更となります。

他の職業の名称に重複が発生した為です。

大変申し訳ありませんでした。

背中には愛がおぶされている。俺の首元に吐息がかかる。

俺はルエルの後を追うように、歩いている。


「なぁ、ルエル。この世界は平和か?」


「そうね。大きな戦争も何年も起きていないし、平和だと思うわ」


ふと、通りの向こうのテラスで仲良さそうに食事をしている人間とエルフの女性が目に入る。


「この世界の種族は、みんな仲がいいのか?」


「表面上では種族間の争いは起きていないわね。でも、魔族を忌み嫌って受け入れてない人々もいるわ」


「魔族って昔、魔王の配下として消えてしまったんじゃ?」


「いいえ、魔王の洗脳を受けなかった魔族が大勢いるの。魔王の配下になってしまった魔族もいるけど、今生き残っている魔族は、各種族と友好な関係を持ちたい って思っているわ」


「魔族の生き残りか・・・」


「私にも何人か魔族の知り合いがいるけど、いい人よ。ユーキも仲良くしてあげてね」


「会う機会があったらな」


さっきの人間とエルフの女性が席を立ち、腕を組んで向こうへ歩いていく。

恋人同士なんだろうか?


それを見ているルエルの表情はちょっと、寂しそうだ。


「ルエル、寂しくないか?」


「寂しい?そうね、きっと寂しかったと思うわ」


「寂しかった?  過去形だな」


「祖父は他界し、両親はいなくなり、家には私一人。何で私一人なんだろう?って何度も考えたことがある。でも、ある日突然、不思議な兄妹がやって来たの。お客さんは来るけど、日に数回しか会話がなかったのに、その兄妹と出会ってから楽しい事ばかり。まだ、短い時間しかたっていないけど、充実した時間を送っているわ」


ルエルは楽しそうに話している。その笑顔で接客できたらいいのにな。

この笑顔を失いたくはない。


「ルエル。俺にナイフの使い方教えてくれないか?ギルドに登録して稼ぎたいし、守りたい人もいるしな」


「いいわよ。練習用のナイフが私の部屋にあるから、アイをベッドに下したら私の部屋に来て」


この町のどこかにゴブリンがいる。無いとは思うが、用心は必要だろう。



空を見ると、星が輝いている。


「綺麗だな。こんなに、まぶしいくらい輝いてる」


「あら、私はそんなに綺麗かしら?ありがとう。嬉しいわ」


「違う!いや、違くない! 星だよ星。上を見たら星がきれいだなって!!」


「わかってるわよ。ちょっと、からかいたくなっただけ」


くすくす笑っている、ルエルは可愛い。

この笑顔を、ルエルにはずっと笑顔でいてほしいと願う。

早く借金返さないとな・・・。





そんな、こんなで家に着き、ルエルはお土産?のバーガーを台所に置く。

その後、ルエルに案内され二階の一室に入る。


愛はまだ起きない。そろそろ起きそうなんだがな。


部屋にはでっかいベッドがある。タンスや鏡面台、本棚などがある。


「この部屋は以前、両親が使っていたの。掃除は毎日しているから、そのまま使えるわ」


俺は愛をベッドに下す。


「隣が私の部屋よ。ちょっと準備するから、少し経ったら来て」


「わかった。少し経ったら行く」



部屋を出ていくルエル。



俺は少し考える。

現実世界では木曜の夕方に異世界へ飛ばされた。

時間の概念がどうなっているかわからないが、三日後位を目安に帰らないと、学校に行けなくなる。


特に愛は高校進学で、授業の初日だ。最悪、月曜の朝までには戻らないとアウトだな。


戻るヒントはまだ何もない。明日からルエルが調べてくれるが、間に合うかどうか・・・。



この世界で自分の借金を返し、ルエルの負債も考える。

120万なんて金額、簡単に稼ぐことは恐らく不可能だ。


明日はギルドに登録し、何か依頼を受けてみよう。少しでも収入が必要だ。

外で活動すれば、何かしら儲けるヒントがあるはず。


そんなことを考えながら、俺も部屋をでる。


隣の部屋から光が漏れている。

ここがルエルの部屋か。


「入るぞ」


ガチャ  ギィィ


部屋の真ん中ではルエルが着替えていた。

ショートパンツのようなズボンを履き、白のタンクトップを今、着ようとしている真っ最中。


お腹も、おへそも丸見え。

ナイスバストが下半分くらい見えてしまっている。


目が合う。お互いに沈黙だ。

冷たい笑顔で俺に話してくるルエル。

「ユーキ。女性の部屋に入る時は、ノック位したらどうかしら?」


「すんません!」


タンクトップを着たルエルは、手元にあったナイフを俺に向けて投げる。

俺の頬をギリギリかすって、空けた扉に刺さっている。

さすがはナイフの名手。うまく投げたね!


「ユーキ、練習ナイフではなく本物のナイフでしましょうか?その方が上達しやすいわよね?」


「そんな事ないッス。練習用のナイフでお願いします!!」


「準備した木製のナイフではなく、歯止めしたナイフで練習しましょう。重さも本物と同じよ」


俺はルエルにナイフを渡され、ナイフのさばき方を教わる。

守りたい人のために、俺は強くならなくてはいけない。


愛。ルエル。俺が守ってやる!


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