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第000話 ~家族会議と旅立ち~

読者の皆様、初めまして。紅狐ベニギツネと申します。

書き溜めは無く、不定期更新になってしまいますが、できる限り更新していきたいと思います。

兄妹を中心に店舗運営をしながら兄がハーレムっちゃうお話です。

所々下ネタと普通のネタが入っております。ご注意ください。



 両親は個人で経営する町の電気屋。

しかし、今の時代、電気屋だけでは生活が苦しい。


 そこで、両親は町の電気屋を経営する傍ら、リユースショップも始めた。


 俺は物心ついた時から両親に家電製品の直し方、リユースショップの肝である査定方法を叩き込まれた。

おかげで、高校に入る頃には一通りの家電製品の直し方と、ブランド物からペン一本までの幅広い査定ができるようになってしまった。



 今日は四月一日。この春から高校三年になるが、今は春休みまっただ中。

現在俺は布団の中でヌクヌクしている。今日も両親の店で仕事の手伝いかと思うと、布団から出たくなくなる。

しかし、手伝わないと小遣いがなくなる。



ッタッタッタッタ。ガチャ。



誰だ? 勝手に俺の部屋に入ってきたのは。母さんか?



ドスン!



ごふっ!お、重い…



「お兄ぃ! 朝! おーきーろーー! 父さんと母さんが呼んでるよ!」


「おい、妹よ。もう少し優しく起こしてくれよ。それに、お前重いよ」


「お兄ぃ、ひどい! 年頃の可愛い妹に『重い!』だなんて! そんな事言うと明日から起こしに来てあげないよ!」


「うん。すまんかった。ごめん。愛はいつでもかわいい自慢の妹だ」


「わかればよろしい。でね、お兄ぃ。今日は朝から『第9回家族会議』らしいよ。早く来いだって」


「なんで朝から……。しょうがない。さっさと行って、さくっと終わらせるか」


 俺と愛は階段を下り、二人でリビングに行く。


 テーブルにはすでに父さんと母さんが座っており、コーヒーも4人分そろっている。

いつもの席に着き、コーヒーを一口飲む。

うーん、いつもの味だね! さて、さっさと終わらせよう。


「父さんから始まるぅ~、重大発表ぉぉ! わ~、ドンドンパフパフ!」


「父さん、朝からうるさい。で、今回の議題は何?」


「よくぞ聞いてくれました勇樹! 今日は今までにないくらいの重大発表だぞ!」


「三人目でもできたか?」


「ゴフンッ! 違う違う、出来てないで来てない。そろそろ二人とも大きくなったし、家も任せられるから夫婦水入らずでちょっと旅行に行こうかなと」


 父さんは飲みかけたコーヒーを少し口から垂らしている。

さらにテーブルにも少し垂れている。母さんがそれを見て布巾でテーブルを拭く。



「それが重大発表? 別に、普通に行って来ればいいじゃん。何も重大発表じゃ……」


「あなた、重要部分が抜けてるわよ。勇樹、愛、よく聞いてね。お父さんとお母さん、一年位世界を回ってくるわ。」


「ちょ、ちょっと待ってよ! 私この春から高校に通うんだよ! 学校の事や家の事とかどうするの!」


「その事については大丈夫。入学の手続きは終わっているし、あそこの理事長は古いお友達だから。だから愛ちゃんはお家の家事全般、頑張ってね」


「えーと、父さん質問いいか?」


「はい、勇樹。発言を認める」


「いや、認められなくても発言はするんだが、生活費や店の事はどうするんだ?」


「生活費は毎月振り込んでやる。店は二人に任せた! まぁ、修理の依頼も近場のご近所さんだし、店は適当な時間に店を開けてもらえればオーケー! 勇樹なら大丈夫さっ!」


「それ、本気か? 俺、まだ高校生だぞ? そもそも、一年も両親不在とかおかしいだろ。断固反対する」


 愛と二人で生活だなんて。学校もあるし、店の事も、家の事も。

やらなければいけない事が増えるのには問題ある!


「いいか、勇樹。お前は明日で十八歳だ。十八歳といえば立派な社会人。しっかり、稼いでくれ! 店の維持費は店の口座から勝手に引き落としがかかるから心配するな。営業利益の十パーセントはお前の小遣いにしていいぞ。帳簿関係は愛に任せる」


 な、なんだと。聞き間違いじゃないよな?

十パーセントだと。一ヶ月で百万分売ったら十万ももらえるのか!

液晶テレビ十万円の売っただけで一万円! 何それ? うっはうっはじゃん!


「父さん。俺、愛と一緒にやっていけるよ。何も心配しないで、ゆっくりと旅行にいってきな! 家の事は任せろ!」


「ちょっと、お兄ぃ。大丈夫なの? 明日から私たち二人で生活するんだよ?」


「なーに、だいじょーぶ! 家事はお互い頑張ろうな!」


 そうだ。これも大人になる為の試練だ! 愛と二人でやってやるさ!


「愛。いつかあなたもお嫁に行くのだから、お家の事しっかりとするのよ。困った時の『お母さんマル秘ノート』はいつもの所にあるので、困ったら見なさいね」


「お母さん、ありがとう。ちょっと不安だけどお兄ぃと頑張ってみるよ!」


 こうして俺は愛と二人で生活することになった。

このタイミングで両親が不在になるとは、夢にも思わなかったことだ。


 この日の夜はちょと豪勢な夕食を取り、愛は母さんと一緒に寝た。

俺は父さんと一緒になるはずもなく、いつも通り。


 ただ一言。寝る前に一言だけ言われた。


『家族を守れ。それがお前にしかできない仕事だ』と。


 翌日、キャリーケースを二つ持った両親は、タクシーに追って旅立った……。





異世界に飛ぶのは第003話です。

それまで少し説明っぽい文が多くなっております。

申し訳ありません。

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