004
どっぷりーーー
そんな音が似合う時刻・・・それは夜。
そう、辺りは真っ暗になって、お化けが出る時間帯とされている。
その夜にもうなっていた。
「何時間怒ったら気が済むのさ!」
『いや、お前のイメージの仕方が悪いんだよ』
頭の上のアポロに講義しても、知らんぷりだ。全く!困ったものだよ。
『・・・ここら辺で野宿だな』
「はぁ・・・分かってはいたけど、野宿って・・・」
ああ、宿のふかふかベットで眠りたい・・・
『まあまあ、そう言うなって』
「誰のせいだよ、誰の!」
『すみませんでした』
よし、謝ってくれた。許して差し上げよう!
「で?野宿なんかしたことないから、やり方わかんないんだけど」
『そこら辺は大丈夫だ。そこら辺の小枝を集めてきてくれるか?』
「分かった」
そう言って小枝を集めること5分
『よし、[火よ(ファイア)]』
「おおー」
アポロが魔法を唱え、集めた枝に火をつける。
今更ながら、魔法ってものすごく便利だよね。
『後は寝るだけだな』
「え?」
『あ?』
僕の疑問にアポロが疑問で返す。
いやいや、僕晩御飯まだ食べてないよ?あんまりお腹は空いてない気もするけど、やっぱり食べたいじゃん!
「晩御飯は?」
『ん?ああ、言ってなかったな。勇者は腹が減ることが無いそうだ。つまり、食事は不要ってことだな。もちろん、普通に食事は出来るが』
えー。マジかよぉ。お腹空くことがないって、たしかに便利だけど・・・
何か納得がいかない。
『さあさあ。寝るぞ』
「・・・はぁーい」
そして、僕が草むらの上で寝転がろうとした時・・・
ドォンッ!
『っ!?』
「っ!?」
どこかで、何かが爆発するような音が聞こえた。
『音がする方角は、村があったところだ!』
「!?・・・行くよ!アポロ!」
『言われなくても!』
そうして、ろくに寝ずに、僕達は音がした方向へと走り出したのだった。