002
トタトタトタ・・・
ガチャリガチャリ・・・
トタトタトタ・・・
ガチャリガチャリ・・・
「ねぇ・・・アポロ」
『ん?なんだ?スバル』
「これ、歩く時に邪魔なんだけど・・・」
そう言って指さすのは、腰に挿さっている二本の剣だ。歩く度に音がするし、歩きづらい。武士の人たちの気持ちがわかるような気がする。
『ああ、それなら、自分の体にしまえるぞ?』
「・・・え?」
自分の体にしまう?どゆこと?
『[戻れ(リターン)]と、唱えてみろ』
「・・・[戻れ(リターン)]」
唱えた瞬間、二本の剣は、光の粒子となって、僕の体の中に吸い込まれていった。
「・・・なんで早く言ってくれなかったの?1時間以上も無駄なことしてたじゃん!」
『いや、だって聞かれなかったし・・・』
そりゃそうだよ!だってこんなことが出来るなんて、誰も想像出来ないじゃないか!
「はぁ・・・もういいよ。で?他に僕に言ってないことは無い?」
他にもあったら、それも、しておかないといけないからね。
『そうだな・・・この世界では、黒髪は目立つ。黒髪なんて、勇者とかしかいないからな。』
「ん?そうなの?じゃあ、どうすればいい?」
『ちょっと待ってろ。』
アポロは上でなにかゴソゴソと動き始めた。
『よし、こんな感じか。[変質]』
「へ?」
何か違和感が出てきたな・・・
って!僕の髪の色が赤になってる!
「これどうやったの!?」
僕は鼻息荒く、アポロに質問した。魔法を見るのはこれが初めて・・・いや、姿を消す魔法は見たから二回目か。僕も使いたい!
『ふふん。これは、龍魔法と言って、龍にしか使えない魔法だ。姿を変えたり、隠したり。それに、攻撃系の魔法も威力はものすごく高い。まさに、龍が持つべき魔法だな。』
アポロは鼻高々に教えてくれた。
「それ僕も使える!?」
『ああ、使えるぞ。俺と契約しているメリットという奴だな。良かったな』
おお!使えるのか。これは夢が広がっちゃうね!
「他には!?他にはないの?」
『ん?ああ、ほかの魔法か?俺は太陽神に使えている龍だからな。赤魔法なら使えるぞ。』
この世界には魔法という概念がある。それらは、色で区別されている。
火属性なら赤。水・氷属性なら青。風・雷属性なら緑。光属性なら黄色。闇・死霊属性なら紫。回復や支援は白。そして、何も属性がないものは、灰色だ。
そのうちの、赤魔法だけ、アポロは使えるらしい。
「ホント!?教えてください!」
『・・・まあ、生き残るためとかいう建前もあるし・・・いいだろう。』
「やったぁ!」
こうして、アポロ先生の赤魔法講座は始まったのだった。
今日は、もう一つ投稿しようと思います。
よろしくお願いします!