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04

 ◇◇


 学校に行く間際、ととが、ひとりでトイレに閉じこもっていた。

 近頃トイレに1人で入りたがるので、独立心の芽生えか、と思ってヨシコは放っておいたが、いつまでたっても出て来ない。

 そっと覗いてみるとなんと、トイレットペーパー全部引き出して便器の中にせっせせっせと詰め込んで、しかも水で流そうと!!

 とりあえず叱り飛ばして、しゅんとした彼が出てから、ヨシコは慌ててトイレのつまり取り。


 ガッポンガッポンガッポ~ン


 取れません。なかなか取れません。

 車椅子のおばあちゃんがトイレを使いたくなる前に詰まりを取らねば。


 ガッポンガッポンガッポ~ン


 それにしても取れん!! 焦るヨシコ。

 ぴかがやって来て、呑気に聞く。

「ね~なにしてんの」

「ととがペーパーをつめたから取ってるの」

「それなあに、黒いの」

「かっぽんかっぽん」

「え? なんだって」

「……がっぽんがっぽん、かな」

「なに? かっぽんなのがっぽんなの? どっち?」

 そこに食いつくか? ヨシコがどなる。

「どっちか知らんわい! はよ幼稚園のしたくせい!!」

 次には猫がきた、便器のふちギリギリまで来た水を見ようと覗き込む。

「うるせ~あっち行け~!!」

 おばあちゃんがあっちで叫ぶ。「トイレは空いたかね~?」

「まだじゃ~~!」ヨシコも絶叫で返す。

 すべての家人&飼い猫を巻き込み、ととの後始末から爽やかな朝は始まった……


 ◇◇


 補助輪付きの自転車に乗れるようになったこの頃。

 妹と一台の自転車を交互に乗りまわしている。というより、すぐ妹の

「ととちゃん、ちょうだい♡」

 攻撃に負けてしまうとと。

 得意げに自転車をこぐ妹と一緒に、広場の中をニコニコ走り回っている。


 しかしこれでチャリの味を占めると、これからは行方不明になった彼を捜索するのに、えらく苦労するようになるだろうねきっと……ヨシコはどこまでもととを捜して走り回る我が姿を想像してちょっとだけ、乗れなくてもいいかなーって思ってしまいぷるぷると首を振った。


 ◇◇


 春休みの宿題に、と学校でいただいたプリントにととは一生懸命取り組んでいる。

 というか、ヨシコが横に付いてやろうとした時にはすでにほとんどの問題を解いていた。

 しかし、中身はけっこうデタラメもしくはギリギリいいかげん。

 自動車のイラストの下にある文字「く○ま」の真ん中に文字シールをはろう、というものがあったが、いつの間にやら勝手にみつくろって貼ってしまい

「くたま」

 になっていた。

 くたま……でドライブしたら疲れそうだね、とヨシコはつぶやいた。


 5歳6歳編終了です。おつき合いありがとうございました。

 この続きは少し間を置いてから始めさせていただきたいと。すみません。

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